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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十六章 後編
  戦後

ドウターとの戦いが終わったが、まだ大天使化を解いてない我。解かない理由はそこにいる長尾景虎がいたからだった。

「で、御嬢さん。我に何の用だ?」

「あなたを私の城までご同行願うわ。・・・・それから時間をかけてゆっくり吟味してあげる」

「越後までっ!?」

「お待ちください。私たちは急いで美濃に・・・・・!」

我は手をかざして待てと言った。そして我を考えるが。

「貴様、我をなめているのか?我は神の身だ、人間如きに掴めないはずなんだが?」

「松葉!この男を掴みなさい!」

「やっているが、掴められない。何らかの壁があるようだ」

「その通り、我に掴もうとしたら結界で我を守るようにしている。で、景虎だったか?」

「通称は美空。美空でいいわよ。禁裏からも許しが出た天下御免の夫くん」

「貴様に君呼ばわりするなど、笑えるわ。ガキ」

「御大将をガキ呼ばわりとは、この柘榴が許さないっす!」

柘榴と言った少女には、動けなくようにした。捕縛魔法だ。

「柘榴。あなた、柘榴に何したの?」

「ガキが我に刃を剥くのならこいつらが許さんぞ?」

さっき神界に戻ったはずの帝釈天と四天王だった。

「では、交渉と行こうか。応じないのであれば、我たちは一目散に美濃に戻る」

「どうやって行くのかしら?」

「こちらが主導権を握っているのをお忘れなく。美空よ、我を連れて行ってどうするつもりだ?」

「んー・・・・まだ決めてないわ。どうしよっかなぁ~・・・・そうだ。あなたの存在って結構目障りだから、処分しちゃおうかな♪」

「そんなこと考えていないだろ?」

「・・・・なんでそう思うのかしら?」

「お前らが越前まで来るのなら、その目はずっと我に向けてたはず。で、最終的に使い方を思いついたのであろうな」

「ふーん、バカではないわけね」

「貴様、死にたいのか?我の目に映った者は消滅することも出来るのだぞ。それに我を人質にするなんて無謀な話だが、我たちの話を聞いてからどうだ?」

「話ね・・・・」

「聞いてくれたら我たちは喜んで越後に行こう。ただし我を人質と考えるのはやめておけ」

「なんで?どう考えてもあなたは人質・・・・・」

我が剣を抜こうとしたら、帝釈天と四天王が剣を抜いて美空の首に四方に剣を向けられていた。

「忘れてないか?主導権はこちらが握っておるのだ。我が抜かなくとも、自称お前の妹に殺されても文句はあるまい」

「さすが主様じゃな。あっという間に主導権を握っている」

「それがしも驚いておりますが、長尾殿の使役かと思いきやまさか一真様のとは」

しばらく剣を首に向けていたが、我が首を振ったので、剣を鞘に戻した。

「命拾いしたな。我の事をあまりなめないでほしいな、ということで我らは越後に行く。それでいいな、諸君?」

「ご随意に・・・」

「一真、それは明日に繋がるのか?」

我は頷くと、森の二人は頷いて下がる。そして逃げないことを約束してから、大天使化を解いた。その後、拘束しようとしたが、俺の銃で何とかなった。危機は脱したが、犠牲はなかったからよかった。

一方、逃げ落ちた久遠達は。

「久遠、落ち着いた?」

「・・・・ああ。皆はどうした・・・・?」

「壬月と麦穂の二人が、今は傷を癒すことが先決だって、色々とやってくれているわ」

「そうか・・・・で、一真はどうした?」

「・・・・・・」

「どうした?あやつはまだ帰ってきていないのか?」

「・・・・久遠。気を強く持ちなさい」

「な・・・・に?」

「一真は行方知れずよ。・・・・本陣を逃がすために、鬼を引き連れて、別方向に退却したそうよ」

「な・・・・なんだとっ!?どうしてそれをすぐに言わない!結菜、今すぐ兵を再編するのぞ!一真を助けに行くのだ!」

「ダメよ」

「なんだとっ!?」

「冷静になりなさい、久遠!」

「・・・・っ!!」

「・・・・一真がなぜ本陣を逃がすように、殿を務めたのか。その意味を考えなさい」

「意味、だと・・・?」

「そうよ・・・・一真はまず第一に、久遠。あなたの身を守るために動いた。恋人だから?そういうのも、もちろんあるでしょう。それに神様だからなのかもしれないけど、こう考えているはずよ。久遠ならすぐに態勢を立て直し、鬼達を駆逐してくれるって信じている。だから久遠を逃がすんだと。そう考えているはずよ」

「我は・・・・我はそこまで、強くない・・・・」

「うん、知っている。・・・・多分ね、一真もそれを知っていると思う。一真もかつてはそうだったと思うわ。自分の弱いところを見つめて、受け入れて・・・・でも弱い所をそのままにするのではなく、乗り越えようとする。久遠も乗り越えられるって、本気で信じていると思うわ」

「・・・・勝手なものだ」

「全くね。でも・・・・じゃあどうする?一真が助けてくれた命を大切にするために、鬼との戦いに背を向ける?」

「・・・・・」

「そういうこと、出来ないよね、久遠は・・・・。だから今は前を向きなさい。一真のためにも。あなたを信じている仲間たちのためにも。前を向きなさい」

「だけど、結菜・・・・我は・・・・我は・・・・。くっ・・・・うわぁぁぁぁ・・・・・一真・・・・・一真ぁ・・・・・!」

「よしよし・・・・。全く・・・・久遠をこんなに泣かせて。怪我でもしたら承知しないんだからね・・・・」 
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