戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六話 石川大尉!!合気道でも勝つ!!その七
「虐待もでごわす」
「親が子に為す虐待」
「それもまた」
「かなり減ったでごわす」
日帝衆の道徳教育によってだ、不心得者は激減した。貧困やいじめもそうであるが百が一にまで減っている。
しかしだ、完璧主義者の西郷はこう言うのだ。
「しかし。完全には減っていないでごわす」
「だからこそ、ですか」
「元老は憂いておられますか」
「そうなのですか」
「そうでごわす、親は子を愛するものでごわす」
その虐待についても言うのだった。
「確かに厳しい躾もするでごわす、しかしそれは」
「愛故のこと」
「愛があるからこそですな」
「よき者に成長してもらいたいが故に」
「厳しく言うのですな」
「そうでごわす、躾は必要でごわすが」
しかし、というのだ。
「虐待は違うでごわす」
「感情のまま我が子を殴り蹴り罵る」
「そうしたことはですな」
「それもまた弱さから来るものでごわす」
人の心、それのだ。
「心が弱い故に」
「我が子をいたぶる」
「そういうものですな」
「ストレスが溜まろうとも」
「我が子を虐げてはならない」
「絶対に、ですな」
「それをする位なら己を罰するべきでごわす」
その心を、というのだ。
「それが出来ぬ親は親ではありませぬ」
「ですな、確かに」
「そうした親はまだいます」
二人もだ、目を閉じて西郷に応えた。
「まことに醜いことに」
「完全に減ってはおりませぬ」
「飢餓、貧困、差別、いじめ、虐待の全てを根絶する」
「それが日帝衆の目指すものですな」
「確かに難しいでごわす」
人間の裏、闇の業だ。それは非常に厄介だ。
それがそういった忌まわしきものを生み出す、人は正であるだけではない。負もあるからこそそれが生じるのだ。
西郷もそれがわかっている、だから言うのだ。
「それがあってはならないでごわすが」
「どうしてもですね」
「この世にありますね」
「それを根絶しなければ」
「王道楽土は訪れませんか」
「再併合は確かに悲願でごわす」
ジャスティスカイザーが手段を選ばず阻んでいるそれもだ。
「しかしそれはそのうちの一つでごわす」
「我等が目指すのは究極」
「完璧ですから」
「だからですね」
「いじめや虐待を」
「人の意識改革でごわす」
人間の心自体をそうしようというのだ。
「一人一人が心掛けてそうして」
「いじめや虐待をなくす」
「そうあるべきですね」
「そうでごわす」
まさにというのだ。
「ここはそうすべきでごわす」
「では道徳教育をですね」
「これまで以上に」
「推し進めていくでごわす」
これが西郷の考えだった。
ページ上へ戻る