寝袋の中身はブラックホール
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剛腕無双パート2なのですよ~
前書き
前回の続きです!
それでは元気に
いってみよー!ヽ( ̄▽ ̄)
「いやぁゴメンゴメン!」
「お陰様で天国に登りそうになってしまいましたよ~」
突撃してきた少女の軽い謝罪にメリエルはかなり不機嫌だった
それはそうだろうどんなに寝るのが好きでも永眠なんてまっぴらごめんである
アイマスクの下はきっとジト目で少女を見ていることだろう
「ホントにゴメンってばぁ」
本気で不機嫌なメリエルに少女は段々涙目になってきてしまいすっかり毒気を抜かれてしまった
「もう怒ってませんから泣かないで下さいよ~」
「ホントに?」
「本当ですよ~」
「絶対?」
「ぜーったいにです」
「やったー!」
先程まで落ち込んでいたかと思えば今度は喜んで飛び跳ねたりとくるくると表情を変えるこの少女の名は
ノイン・シュテルン
燃えるように赤い髪を束ねてポニーテールにした少女
髪と同じ赤いチャイナ服のような物を着ており大胆なスリットが入っている
ホットパンツからスラリと伸びた長い足が惜しげもなくさらされているがいやらしさはなく健康的な美しさを感じさせる
両手には革製のグローブ
靴はファーのついたブーツである
「ねぇねぇメリエル!」
「なんですか~?」
「久々に力比べしない?」
その言葉にメリエルはニヤリと笑い
「上等ですよ~」
場所は変わってマグノリアの外れにある平野
そこで対峙するメリエルとノイン
ノインはベルトについた一見するとアクセサリーにしか見えない小さなハンマーを手に取った
それに魔力を流し込むとハンマーはみるみる大きくなり身の丈を越えるほど巨大なものになった
「ペッシャンコにならないでねメリエル」
「そちらこそ自慢のハンマーが壊れて泣かないで下さいね~」
2人ともその顔には獰猛な笑みを浮かべている
子供が見たら泣き出してしまうだろう
子供でなくとも泣きそうである
「じゃあいっくよー!!」
「いつでもどうぞ~」
メリエルとノインの力比べとは?
それを説明する前にまずはメリエルの反発について解説したい
反発
メリエルが主に宙に浮くために使用している魔法であらゆる物を反発させて弾き返す魔法である
磁石の同じ極同士を近づけた時を想像すれば分かりやすいだろう
戦闘においてもこの魔法を自分の周囲に展開することでどんな攻撃も跳ね返すという反則に近い防御性能を持つ
一見無敵のこの魔法にも実は破り方はある
その方法は実にシンプル
反発する力よりも更に強力な一撃を叩き込めばいいのだ
言うだけなら簡単だが当然そんなに簡単出来るわけがない
しかしノインにはそれが出来た
それを可能にするのは3つの要素
まず1つ目は彼女の魔法
膨張
それが魔法の才能は皆無と言われた彼女が必死の思いで手にいれた力
自分の魔力を流し込んだ物質を巨大化させる魔法である
巨大化した物体はそれ相応の重みになる
2つ目の要素は武器
普段は小さなアクセサリー程度の大きさのハンマー
銘はパンツァーブレイカー
様々な希少金属を使って作り上げたこのハンマーはとんでもなく堅くて重い
金槌程度の大きさになると並の人間では持ち上げられても振り回す事など到底無理な重さになる
最後の要素は魔法とは一切関係ないノインの身体能力
妖精の尻尾に所属している魔導士は身体能力が異様に高い
その中でもノインはS級ではないが身体能力のみなら妖精の尻尾ではぶっちぎりのトップである
特筆すべきはその怪力
寝ぼけて巨人となったマカロフを敵と勘違いして投げ飛ばしたのは今でも1つの伝説としてギルド内で語られている
そのパワーがあるからこそ巨大化したパンツァーブレイカーを振り回せるのである
結局2人の力比べとはなにかというと
メリエルの反発の壁をノインが力一杯ぶん殴るという単純なものである
ズガンッ!
「「ハァァァァァァァ!」」
メリエルの壁とノインのハンマーの間にスパークが迸り地面はひび割れる
「ウッリャァァァァ!!」
始めは拮抗していたが徐々にノインが押し始めメリエル体が地面にめり込んでいく
「これは…ちょっと厳しいですね~」
そう言うメリエルの額には汗が浮かんでいる
「全力全開!」
その瞬間ノインは更にハンマーを巨大化させる
「ちょっ…それは不味いですって~!」
ズドーン!
本日の被害
マグノリア近くの平野部にノイン・シュテルンの一撃により一部陥没
あまりの衝撃で地中深くまで埋没したメリエル・ヨークシャーが地中からの脱出の際に水脈を刺激
陥没した場所に水が溜まり巨大な泉が出来上がる
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