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転生赤龍帝のマフィアな生活

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番外編:デートじゃねえよ!!

 
前書き
今回はほのぼのしたくて書いた作品……のはずなんだけどなあ。


























 

 
「一誠さん、今度はあっちのお店に行ってみましょう。」
「……ああ。」
「あ、可愛い服。」
「買うか?」





おい、今、俺がデートしてると思った奴、出てこい、俺がカッ消してやる!!!


((((はい!!!ここに居ます!!!!!))))


(てめえらはただカッ消されてえだけだろうが!!!??)

はあ……なんで俺はこんなことをしているんだ?
遡ること一時間前を思い出す。




~回想~

焼き鳥(ドカス)の処刑も終わった週末、今までの苛立ちから解き放たれた俺がのんびりとベスターを枕にしながら昼寝をしていた時だった。
俺の安眠を妨害する悪魔の唸り声が聞こえて来た…そう―――掃除機だ!!!

「るせえっ!!!」

イラついた俺は音の聞こえる方に炎を投げつけた……今思い返せば軽率な行動だったと思う。
今は反省している。

掃除機をかけていた張本人、ミランダは俺の攻撃への対処方法など手馴れているとばかりに方向転換のついでに軽く避けやがった……そこまでは良かった。

「きゃああああっ!!?」

俺の炎が壁を貫通してユニの部屋に突っ込んでしまったのだ。我が家では壁が壊れるなんてことは多々あることなのでクロームもアーシアも避けるなり拳で打ち消すなりの対処方法を身に付けていたがユニは我が家の中では唯一と言っても過言ではない非戦闘員だ。
因みにミランダは元イタリア軍人らしいので普通に強い。何でも一人で軍艦を落としたとかなんとか。まあ今はユニの方だ。

「ユニ!!!」

慌ててユニの部屋に飛び込むとユニが床にペタンと座り込んでいた。

「怪我はねえか!?」
「はい……私は大丈夫なんですけど……服が。」

ユニの指さす方を見るとユニのクローゼットが鮮やかに燃え上がっていた………。

「坊ちゃま、今度は壁だけでなくユニ様のクローゼットまで壊してしまうなんて、少しは加減してください。毎回直しに駆けつけてくれるセバスチャンさんの身にもなって下さい。」
「ぐっ!?」
「ああ、でもこれもお世話係である私の責任…!!!辞職します!!!!!」
「毎回、毎回辞職するなんて言うんじゃねえよ!!!頼むからやめるな!!!!」
「坊ちゃまあああああ!!!!!」
「だから、抱き着くんじゃねえ!!!!!」

はあ……疲れた。今日はのんびりする予定なんだがな……。

「服……どうしましょう?」

そう言えばそうだったな……壁とクローゼットはセバスチャンが直すからいいとしても
服は買いなおさないといけないだろうな。

「坊ちゃま、ユニ様と一緒に服を買いに行かれてはどうですか?」
「何で俺がそんなことしなくちゃいけねえんだ。」
「誰のせいでこうなったと思っているのですか?」

くっ!?そう言われると反論できねえ!!!

「あの…出来ればですけど、私も一誠さんと一緒に行きたいなと……ダメですか?」

ほんのり頬を染めて上目づかいで俺を見てくるユニ……反則だ。
こちらから目を逸らしてそっぽを向く。

「……どうせ、暇だったんだ。構わねえ。」
「ありがとうございます!!」

満面の笑みを浮かべるユニ……べ、別に見惚れてなんかいないんだからな!!!
顔が熱くなっているのも夏が近づいているだけなんだからな!!!本当だ!!!


~回想終了~




………全部カストカゲのせいだな。

(俺は欠片も出てないではないか!!?)
(俺が悪だと決めたらそれは悪なんだよ!!!)
(ま、待て!!その関節はそっちには曲がらな―――ギャアアアッ!!!??)

((((最近、その程度じゃ楽しめなくなってきた自分がいる。)))
((((もっと素晴らしい痛み(快感)を!!!蔑み(ご褒美)を!!!))))

(てめえらは自重しやがれ!!!!!)

なんだよ、こいつら最近明らかにパワーアップしてるだろ!?
しかもなんか現実に出てくる方法を模索し始めてるからな。
外からの変態エネルギーが何とか、とか言ってたがなんだよ変態エネルギーって!!?
あのレイヴェルとか言う、焼き鳥女と会ったら変な化学反応起こしそうで本気で怖いんだが……。

「どうかしましたか?一誠さん。」
「いや…なんでもねえ。」
「あの……やっぱり、私と買い物に来るのは嫌でしたか?」

悲しそうな目で俺を見つめてくるユニ……。
そんなこと…あるわけねえだろ!!

「お前と一緒にいるのは別に嫌じゃねえ…それに…俺も楽しんでる……少しだけな。」
「っ!!……ふふふ、ありがとうございます!!でもやっぱり素直じゃないですね。」
「うるせえっ!!!」

そういって微笑むユニの顔が何故か直視できずに目を逸らす。首筋が熱い。
……てっ、おい!!店員の奴ら、何ニヤニヤしながらこっち見てんだよ!!?
カッ消すぞ!!!!!

「ふふふ、それじゃあ、私は試着してきますね。少し待っててください。」
「分かった……。」

ふう……何だって俺はユニの顔が直視できないんだ?
それに最近体が火照ることが良くあるような気が……これは一体―――


(それはご主人様が私達にお仕置き(ご褒美)を与えることに快感を感じ始めたからです。)


(一誠様はついに覚醒なされたのです。)
(クロームたんもそうならないかな?)
(イッセー様は我らが唯一神ンンンンンッッ!!!!!)
(それだけはねえよ!!!!!)

やめろよ、何勝手に人を変態認定してるんだよ!!?
俺はいたって普通の真人間だ!!!変態共と一緒にするんじゃねえよ!!!!!
カストカゲも何とか言ってやれ!!!

(普通の人間はドラゴンの関節を逆方向に曲げたりなどしない。相棒は自ら墓穴を掘っている。いわば、『ドM製造機』だ。)
(誰が『ドM製造機』だ!!ゴラッ!!!しばくぞ!!!!!)
(ご主人様は超・加虐闘気(ハイパー・サディスティック・オーラ)を常時発動していますので続々と変態(同士)が集まってくるのです。)
超・加虐闘気(ハイパー・サディスティック・オーラ)ってなんだよ!!?俺はそんなもん纏ってねえよ!!!!!)

何なんだよ、まるで俺が変態の生みの親みてえな言い方しやがって、
俺は変態が嫌いだ!!大嫌いだ!!!大事なことだから二回言ったぞ!!!

「一誠さん、お待たせしました。」

そう言って出て来たのは白の涼しげなワンピースを着たユニ。ユニの黒色の髪と相まって良く似合っている。それに暑くなってくるこれからの季節にはぴったりだな。

「ど、どうでしょうか?」
「……悪くはねえ。」
「ありがとうございます!!」

そう言ってやると花の咲いたような顔になるユニ……………。

「どうかしましたか?」
「っ!?な、なんでもねえ!!!」
「そうですか?」

まずい、完全に見とれていた……俺は疲れているのか?

(いい加減、素直になったらどうなんだ?相棒。)
(………何にだ?)


((((人を蔑むという快感にです!!!!!))))


(てめえらは黙ってろ!!!!!)

ああ、変態共(こいつらは)本当にどうなってやがんだ!?
俺をそんなに変態の道に引きずり込みてえのか!!?
そんなの俺以外の奴にでもやればいいだろうが!!!??
世の中には友達をサンドバックとして使う奴もいるんだ、
そういった奴を引きずり込めばいいだろうが!!!

「それじゃあ、この服を買ってきますね。」
「ああ。」

その後、未だにニヤニヤしながらこちらを見てきている店員達を睨み殺しながら買い物を続けた。
因みに払いは全て俺持ちだ。まあ、俺が燃やしてしまったんだから当然だな。
別にちょっと申し訳なさそうにしながらも喜んでくれるユニの顔がみたかったわけじゃないぞ?
いや、本当だって。




「あの……一誠さん。お願いがあるのですが。」
「何だ?」
「と、隣を歩いてもいいですか?」
「俺の隣を……か?」
「はい。い、いやなら無理されなくても大丈夫です。」

誰であろうと俺の前に立つことは許さない、誰であろうと俺と並び立つことは許さない。
カス共は黙って俺に従えばいい。それが俺の生き方だ……だが―――

「……勝手にしろ。」

今回は特別だ。今日の詫びもある、ある程度のことは聞いてやる。

「本当ですか!?ありがとうございます!!!」
「ふん……。」

嬉しそうに俺の隣に駆け寄ってくるユニ。

「ふふふ、嬉しいです。」

そう言いながらユニは俺の服の裾を控えめにキゥッと握ってくる。

「このままでも……いいですか?」

少し涙目で俺を見上げてくるユニ……
べ、別に、一瞬抱きしめてしまいたくなってなんてないぞ!!?

「構わねえ。」
「ありがとうございます!!ふふふ、幸せです。」

まあ…ユニが喜んでいるのなら別にいいよな?
それにこんな休日に知っている奴に会うとも思えないしな―――

「あらあら、デートですか?羨ましいですわ。」
「何でいるんだ……姫島朱乃。」
「で、デートですか?」

デートと言う言葉に頬を染めるユニ。

「私は普通に買い物に来ただけですよ?安心してください、デートの邪魔はしませんので。」
「デートじゃねえよ!!!!!」
「では、私はこれで、楽しんでくださいね。」
「だから違えつってんだろ!!!!!」

俺の言葉を無視して楽しげに笑いながらそのまま去っていく、姫島朱乃。
ちくしょー!!絶対勘違いしてやがるだろ、あいつ!!!

「くそっ!!今度見つけたらただじゃおかねえ!!!」
「い、一誠さん!!落ち着いてください!!!少し、疲れたのであそこの喫茶店にはいりませんか?」
「ちっ、そうするか。」

取りあえずユニの提案に従い近くの喫茶店に入る、
まあ、流石にもう知ってる奴と会うことはねえだろう―――

「あ…お兄ちゃんとユニちゃん。」
「……こんにちは。」

…………何でクロームと塔城小猫がこんなところにいるんだよ?


(クロームたん来たああああああああああっ!!!!!)
(小猫ちゃああああああああん!!!!!イッセー様もっと小猫ちゃんに近づいてください!!!そうすれば沢山クンカクンカ出来るので!!!!!)

(変態共は静かにしてろ!!!!!)


いつの間に塔城小猫にまで目をつけてたんだ?この変態共は。
変態共がもし外に出てしまったら……考えたくもない。

「……二人共、もしかして……デートですか?」
「デートじゃねえよ!!!!!」

少し楽しげな表情で尋ねてくる塔城小猫に怒鳴り返す
隣でユニは顔を真っ赤にしている。

「お兄ちゃんはツンデレだから…認めない。」

少しツンとした様子でそう言うクローム。
クローム……いつから反抗期に入ったんだ?兄ちゃんは悲しいぞ。
取りあえず機嫌をとるために頭をポンポンとする。

「ん……気持ち…いい。」

気持ちよさそうに目を細めるクローム。

「……本当に身内には優しいんですね。」
「ふん。」

驚いたような表情で言ってくる塔城小猫。
ファミリーに施しを与えるのもボスの役目だ。
それ以上でもそれ以下でもねえ。………本当だからな?

「クロームさん、小猫さん、今日はどうしてこちらに?」
「小猫ちゃんと一緒に。」
「……スイーツ食べ歩き。」

((ついでに僕たちも食べてくれませんかね?))

(カッ消えろ!!!!!)

(うひゃあああああっ!!!!!クロームたああああああん!!!!!)
(ブヒイイイイイイッッ!!!!!小猫たあああああああん!!!!!)

もう嫌だ、こいつら………。

「そうなんですか、一誠さん私達も何か食べていきましょう。」
「………ああ。」
「…お兄ちゃん?」
「……疲れているんですか?」
「気にするな、と言うか知らない方がいい。」
「「……?」」

そう言うと揃って首を傾げるクロームと塔城小猫……こいつら仲良いな。
後、癒される仕草だな。子供みたいだからか?

((グヘヘヘヘヘ!!!ありがとうございます!!!!!))

変態共はいい加減黙ってろ!!!!!




「疲れた……。」
「知ってる人とこんなにも会うなんて珍しいですよね。」

結局あの後クローム達と一緒にケーキを食べたりしたが何故だか分からないが疲れてしまった……。
ただ知っている人間と会っただけだと言うのに何で俺はこうも疲れているのだろうか?
変態のせいか?そうだろ?そうに違いない。

「お、親方様、流石にもう持てません。」
「ダメよ、まだまだ買わないと。さあ、行くわよ。」
「そんな……。」

………何だか聞き覚えのある紅髪の女の声と部下の声が聞こえるな。

「あら、一誠とユニじゃないの。」
「こ、こんにちは。」
「おい、あそこの今にも崩れ落ちそうな荷物の山を抱えているはバジルか?」
「そうよ、今度からバジルの家に住むことにしたからその荷物を買っているのよ。」
「なぜ拙者の家なのか分からないのですが……。」
「べ、別にいいじゃない!!あなたは私の下僕なんだから。」

少し頬を染めながらそう言うリアス・グレモリー……こいつバジルに惚れているのか?
まあ、煮るなり焼くなり好きにしろとは言ったがこんなことになるとはな。
それにしても分かりやすい奴だなリアス・グレモリーは。

(相棒だけには言われたくないと思うぞ。)
(取りあえず後で羽をもぎ取ってやるからな。)


((((僕たちは爪をはぎ取ってくれるんですよね?))))


(お前らは放置で十分だ!!!!!)


((((放置プレイイイイイイイッ!!!!!))))


さっきから思ってたが今日の変態共(こいつら)活性化しすぎだろ!!?
一体何があったと言うんだ!?まさか進化でもしたのか!!?

「それであなた達はデート?」
「デートじゃねえよ!!!!!」
「隣に女の子がいて手に荷物を持っていてそれは流石に無理があるんじゃないの?」
「うるせえっ!!!」

もういい、買い物はすんだんだ。帰る!!!

「あ、一誠さん!!待ってください。すみません、私達はこれで。」
「頑張ってね、ユニ。」
「っ!!?は、はい。」
「あの……親方様、拙者達もそろそろ帰りませんか?」
「まだまだ、買うわよ!!!」
「はあ……拙者の休日が……。」




今日は色々とあって疲れたな……。
まあ、家まであともう少しだからこれ以上は何も起こらないだろう。

「一誠さん、今日は付き合っていただいてありがとうございました。」
「ふん……もとはと言や、俺のせいだからな。」
「そうですか………あ!!髪に埃が付いていますよ。」

ん?気づかなかったな。
……取りたいんだが荷物で手がふさがっていて取れないな。

「一誠さん、取ってあげますので少しかがんでください。」
「ああ。」


ユニの手が届くように少しかがむ―――チュッ


………………………は?何だ…この頬に感じる柔らかい感触は?

「ふふふ、今日一日付き合ってもらったお礼のキスです。嘘ついてごめんなさいね。」
「あ、ああ……。」
「それじゃあ、帰りましょう。」

そう言ってユニは楽しそうに笑いながらは放心状態の俺をおいて家に入って行ってしまった………。

い、いや、べ、別にこれっぽっちも嬉しくなんかないぞ!!!
それにちっともドキドキなんかしてないんだからな!!!
他の奴やられてもこうはならないなんて微塵も思ってなんかないんだからな!!!!!
そうだと言ったらそうだ!!!!!

 
 

 
後書き
一誠「これを見てデートだと思った奴、全員カッ消してやるからな、覚悟しろ。」 
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