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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第十二幕その四

「こちらも」
「かなり」
「そのこともです、では今度松山にいらした時も」
「その時もですね」
「一緒に楽しみましょう」
「ではその時も」
「再会を約束して」
 こうお話をしながら今はお祝いをするのでした、そしてです。
 皆で楽しんで飲んで食べてその夜を過ごしました。それからでした。
 先生達は朝に船に乗って神戸に戻るのでした、その時にです。
 加藤さんに長老さんと老紳士、それに狸さんとカワウソさん達が来てくれてでした。
 皆で港から船に乗ろうとする先生達に笑顔で言いました。
「またね、先生」
「松山に来てね」
「そうして一緒にね」
「また楽しい時間を過ごそうね」
「うん、絶対にまた来るからね」
 先生は笑顔で皆に応えました。
「その時は」
「うん、じゃあね」
「またね」
 こう言い合ってでした、そして。
 お互いに手を振り合って笑顔で一時のお別れをするのでした、先生も動物の皆も松山に名残惜しいものを感じながら神戸の我が家に戻ったのです。
 神戸に戻った先生は日常生活に戻りました、すると。
 その先生のところに妹のサラが戻った次の日に来ました、そのうえで先生に対してこう言ってきたのです。
「昨日まで松山にいたのね」
「うん、そうだよ」
 居間で紅茶とティーセットを楽しみながらです、先生はサラに答えました。
「四国のね」
「松山ねえ」
「サラは行ったことがあるかい?」
「ええ、あるわよ」
 サラの返事はあっさりとしたものでした。
「一度ね」
「そうだったんだ」
「そうよ、主人と一緒にね」
「ご主人と二人きりだったんだね」
「まだ子供達が生まれる前のことよ」
 その時にだというのです。
「日本に旅行に行ってね」
「松山にも行ったんだね」
「九州に行って松山にも寄ったのよ」
「成程ねえ」
「長崎よかったわよ」
 サラは微笑みつつミルクティーを楽しみながら先生にこの街に行ったことをお話するのでした。
「坂道が多かったけれど」
「坂道はちょっとね」
「それが多かったけれど」
「楽しかったんだ」
「兄さんも一度行ってみるといいわ」
「機会があればね」
「そうしたらいいわ、それで松山ね」
 サラはその松山のことをです、先生にさらにお話するのでした。
「いい場所だったでしょ」
「とてもね」
「あんないい場所はそうはないわ、よかったわね」
「うん、楽しい旅だったよ」
 お仕事で行ったにしてもです、先生にとっては最高の旅行でした。だから今も明るい笑顔でサラに答えています。
「また行きたいよ」
「そうよね、まあ私はね」
「サラは?」
「主人のお仕事に同行してよく日本に来る様になったけれど」
 それは今回もです、だから今先生とお話しているのです。
「イギリスにいるから」
「日本のあちこちに行くことは」
「そうそう出来ないから、けれど兄さんは日本にいるからね」
「もっとあちこちを旅しろっていうんだね」
「機会を見付けてね、そうすべきよ」
「絶対になんだ」
「日本にずっと一緒にいるつもりよね」
「そうだよ、お仕事もあるしこのお家もあるし」 
 それでというのです。 
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