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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第十二幕その三

「シンポジウムが終わった打ち上げに」
「それで開くつもりだったのですね」
「はい、しかし」
「それがですね」
「カワウソさん達と狸さん達がお友達になれたお祝いに」
「日本のカワウソさん達が戻って来た、ですね」
「そうしたお祝いになっています、ですから」
 それでだというのです。
「予定より豪勢なお祝いになっています」
「そうですか」
「そうです、ですから」
 加藤さんは先生にさらにお話しました。
「是非お楽しみ下さい」
「何か悪いですね」
「悪くないですよ」
 全く、とです。加藤さんは先生にまた言いました。
「私も楽しんでいますし」
「だからですか」
「はい、では」
 こう言ってです、加藤さんは先生に一杯注ぎました。先生は頭を下げてその杯を受けてです。
 そのお酒を飲みました、そうして言うのでした。
「また松山に来たいですね」
「そう思われますか」
「はい、とても素晴らしい場所ですね」
「観るべきもの、食べるべきものが多く」
「ですからまた」
「この松山に来られて」
「楽しみたいです」
 是非にというのです。
「機会があればまた」
「そうですか、では」
「その時はですね」
「またお迎えさせて頂きます」 
 加藤さんも先生に明るい笑顔で応えました。
「先生と動物さん達を」
「そうして頂けますか」
「喜んで。しかし」
「しかしとは」
「先生とずっと一緒にいて思ったことですが」
 それが何かというのです。
「先生は本当に日本についてよくご存知ですね」
「確かに先生はね」
「凄い日本通になったからね」
 オシツオサレツも言います。
「日本に来るまではそうじゃなかったのに」
「日本に来てからね」
「凄い日本に詳しくなったよね」
「本当にね」
「そうだよね、今じゃね」
「立派な日本通だよ」
「言葉だけでなく歴史や文学についても」
「日本にいるので日本のことを学んでいますが」
「おっと、それでもだというのですね」
「はい、それ程までは」
 謙遜してお話する先生でした、ここでも。
「褒めて頂くと」
「いやいや、先生はまことに」
「日本通だと」
「今も浴衣がお似合いですし」
 見ればです、先生は今も浴衣を見事に着こなしておられます。その浴衣姿を見てそうして言うのでした。
「日本人の様ですよ」
「物凄く親しんでるのは確かだね」
 老馬も先生に言います。
「日本の全てに」
「ううん、大好きなのは確かだよ」
「そう、それでね」
「僕は日本通になってるんだね」
「僕達から見てもそうだよ」
 先生はすっかり日本に親しんでいるというのです。
「日本生まれみたいだよ」
「日本酒もお好きですね」
 加藤さんは先生にまたお酒を勧めました、そのうえでの言葉です。 
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