バカとテストと召喚獣~兄と私とFクラス~
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番外編僕と海と海水浴
今僕たちは海に向かってる。向かってるはずなんだけど…………
「間もなく到着しますのでそのままお待ちください」
何故かヘリに乗っている。ことの始まりは二日前に遡る。夏休みも半分が終わったからみんなで海に出かけないかという話になり如月さんがいい場所を知ってるって言って今日、如月さんに指定された文月空港に集合した。ここまではなにもおかしいことはなかった。如月さんがきて案内されたのは何故か滑走路。そこにあるヘリに乗るように言われて今に至る。
「如月さん今からいくとこってどんなとこなの?」
「如月グループ所有の島です今は夏休み期間ですからうちの使用人がいると思いますよ」
………
「如月よ如月グループはこれいがいにもヘリを持っておるのかのぉ?」
「はいこれいがいにも各国に最低2機完備してます」
………
「もしかして国持ってるんじゃ………」
「なにいうんですか島田さん国を持ってたら国際問題になりますからあ、でもパパが土星の近くにあるほしをいくつか買ったらしいですから………」
「「あんたどんだけ金持ちなんだよ!!!」」
何?如月グループって島だけじゃなくて星持ってるの?!
そんな会話をしながら僕たちは島につく。
「明久!!どっちが先に着くか競走だ!!」
「雄二には負けないよ!!」
雄二の言葉で僕と雄二は宿舎から海に向かって走り出す。日頃F クラスのみんなから逃げてるんだ!!雄二に負けるはずない!!
「チェストォォォォ!!」
「ひでぶっ?!」
しばらく走って海についた瞬間雄二が目隠しした男の人に殴られた。ってこの人もしかして………
「桐ヶ谷先生?!」
「ん?お前吉井か?でそこでのびてんのは坂本か?」
「先生なんでここに?」
「スグが如月の家で働いてるからな」
スグってのは確か桐ヶ谷先生の奥さんだったっけ?昔から奥さんのことをスグって呼んでたし。
「先生今のってもしかしてスイカ割りですか?にしては家族も誰もいませんけど……」
ここはまだ海についたばかりの地点、人は僕らいがいにはいない。
「スグと喧嘩してな………その少し困ってたんだ……………」
「何があったんですか?」
「実は俺とスグは結婚してから喧嘩って言える喧嘩をしたことなかったんだ」
「それっていいことじゃないですか何が原因なんですか?」
「スグが『リュウヤって浮気とかしないよねたまにはしたら?私は怒らないよ』って言われてそれで浮気をする気なんてないっていったら今度は『へたれなんじゃないの?』って言われて気がつけば………」
「悪口を言って帰りにくくなったんですね」
「…………」
どうやら図星のようだ。
「桐ヶ谷先生僕と雄二が何とかします!!」
「ごめんなさい私のせいで………」
「鈴ちゃんのせいじゃないですよ」
吉井君と坂本くんが海にいってから二十分後私達は支度を終えてやっと海に向かってます。ここまで遅れた理由は私が水着を探していて、それで遅くなってしまいました。お兄ちゃんにどこにいれたか聞くのに手惑いました。お兄ちゃんが知ってる理由は私の荷物の整理はお兄ちゃんがしてくれました。今日お兄ちゃんは何か用事があるって言って来てません。多分木下さんと出掛けてるんでしょう。
その頃の一真
「ヘックション」
「笹本くん風邪?」
「誰かうわさしてんだろそれより終わったか?」
「二ページくらい………」
「その調子で行けばあと二時間くらいでおわるだろさぼんじゃねぇーぞ」
「善戦します………」
夏休みの宿題をためている木下をしごいていた。
「あ、鈴ちゃん」
浜辺に入りしばらくすると声をかけてきた。この人は……
「直葉さん」
私の家のメイド長、桐ヶ谷直葉さんだ。既婚者ってことでたまに相談にのってもらうけど………この人の考えが少しぶっ飛んでるから少しビックリする。
「直葉さん今年は旦那さんと来てないんですか?」
直葉さんは毎年旦那さんとここにきてる。でも毎回いく時期が合わず一度も旦那さんの姿を見たことがない。
「………喧嘩しちゃった」
「…………え?」
直葉さんいわく旦那さんが浮気をしたことないからしてみたらと進めてそのまま喧嘩したらしい。
「良かったら仲直り手伝います」
「つまりは根本を何とかする必要があるかもな」
「根本?」
復活した雄二と海の家で焼きそばを食べながら雄二の言葉を聞き直す。
「つまりは原因の一つ浮気を何とかしなきゃなナンパでもしたら流石にそれは何とかなるけど状況が状況だけに無理だ」
「あ………」
口論の原因が浮気になるけどいまそれをしたら確実に逆効果になる。
「なら素直にあやまんのはどうだ?」
「それが一番最善のてです。仕方ありませんしそれでいきましょう」
てなわけで奧さんを探すことになったけど……………
「どこにもいねぇな………」
「気のせいか人も少なくねぇか?」
桐ヶ谷先生のいうとうりさっきまで賑やかだったのに人が全然いなくなってる。どうしたんだろう?
「吉井様、坂本様、それに桐ヶ谷様ここにおられたのですか」
人を探す僕たちに話しかけてきたのは執事の西田さんだ。
「西田さんどうしたんですか?人がいなくなってますが……」
「それが現在逃走中の強盗犯がこの島に流れ着きまして直葉様を人質に……って桐ヶ谷様?」
アレ?さっきまでいた桐ヶ谷先生の姿がない。
「先生ならさっき走っていったぞ」
「早くしねぇとこいつほんとに殺すぞ!」
私達が直葉さんと出会ってから二十分後、とりあえず旦那さんを探しているときに突然悲鳴が上がって気が付いたときには直葉さんが人質に取られていた。犯人の要求は逃走用の船を用意すること。犯人は物凄く殺気だっていて今にも直葉さんを殺しそう。
「おいまだ準備………「だらぁしゃ!!」ゴペッ?!」
突然犯人に誰かが飛びげりを食らわす、あの人は……
「桐ヶ谷先生!?」
「リュウヤ………」
「逃げろスグ」
犯人の手から逃げれた直葉さんは私達のところに逃げてくる。
「よくもやりやがったな!!」
桐ヶ谷先生に向けて犯人がナイフで斬りかかる。それにたいして桐ヶ谷先生は持っていた棒で右手叩きナイフを落とさせる。そのまま流れるように回転し犯人のアゴを下から棒でつく。怯んだ犯人に対して今度は足払いをかけこかせる。足で地面のナイフを蹴り遠くに飛ばすとその勢いのまま犯人を取り押さえる。………凄い。今までの動きが全て繋がってるみたい。いままで西村先生の動きは何度か見たことあるけどあれとは違う。例えるならまるで舞踏のような動き。今までの動きがまるで一つのダンスみたいな動き。ムダもなく隙もない。そんな動き。周りが驚きの声をあげるなか私だけがその動きに感動していた。
事件から一時間後私達は海の家で直葉さんと話していた。いろんな話をしてる時直葉さんが私にあることを聞いてきた。
「あ、鈴ちゃんもうすぐしばらく休みをもらってもいい?」
「構いませんけどどうしたんですか?」
「妊娠してるの」
「妊娠してるんですか?!」
あまりのことにその場にいたみんなが驚く。確かに少し前からお腹が大きくなっているような気がしましたけど…………
「まだ気が早いわね予定日は十一月十日だし」
「スグちょっといいか?」
私達の話を切ったのは桐ヶ谷先生。
「僕たち泳ぎにいってきますね」
「いやいてくれて構わない」
その場を離れようとした吉井君達を桐ヶ谷先生が引き留める。
「スグ………色々言い過ぎて悪かったな俺さ………お前のことが好きだ。愛してる。他のやつらよりもずっと、だから浮気なんてしたくないんだ!!俺は一生お前だけを愛していたいんだ!!」
回りに関係なく大声でそういう先生。なんだか聞いてるこっちが恥ずかしくなってきた。
「リュウヤ………私も同じだよリュウヤだけを一生愛したい」
そう言って桐ヶ谷先生と直葉さんは互いに唇をあわせてキスをする。少しずつ沈んでいく太陽の影響で暗くなっていく海。ただそこに二人だけだけが輝いている。そんな気がした。
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