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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第十一幕その一

              第十一幕  海岸で
 朝起きてお風呂に入って御飯を食べて身支度を整えてからです、先生にジップがこんなことを言ってきました。
「先生、ちょっといいかな」
「何だい?」
「この松山って海に面しているよね」
「うん、そうだよ。だからお魚も美味しいんだよ」
「そうだよね、けれど僕達まだね」
 彼等は、というのです。
「海に出ていないね」
「そういえばそうだね」
「松山も海があるのなら」
 それならというのです。
「海岸に出たいね」
「ううん、ジップはそうそう思うんだね」
「うん、砂浜で遊ぶのは楽しいからね」
 だからだというのです。
「海岸があるのなら」
「そうそう、砂浜に出てね」
「遊びたいよね」
 ここでポリネシアとチーチーも言ってきました。
「ボールとかフリスビーでね」
「そうしたいね」
「そうだね、それじゃあね」
 そう聞いてでした、先生も動物達にこう言いました。
「時間がある時に砂浜に出てね」
「そうしてだね」
「遊ぶんだね」
「観光もいいけれどね」
 それでもというのです。
「合間に遊ぶこともしないとね」
「そうだね、それじゃあね」
「皆でね」
 先生は動物の皆の言葉を笑顔で受けました。そうしてでした。
 そのお話をしてからです、旅館を皆と一緒に後にしました。それからです。
 松山の駅前で加藤さんと合流しました、ですが。
 すぐにです、そこに長老さんが来ました。そうして皆に言いました。
「では午後に」
「はい、午後にですね」
「狸さん達のパーティーですね」
「楽しんで下され」
 こう先生達にお話するのでした。
「是非共」
「はい、それでは」
「今日は」
「そうさせて頂きます、その場所は」
 そこはというのでした。
「砂浜ですじゃ」
「砂浜ですか」
「はい、松山の海水浴場ですじゃ」
 そこでというのです。
「来て頂きます」
「あっ、丁渡いいね」
「そうだよね」
 動物達は長老さんのお話を聞いてお互いに言い合います。
「丁渡砂浜で遊びたいって思ってたし」
「都合がいいね」
「じゃあね」
「ついでにね」
「海水浴場ですか」
 今日の狸さん達のパーティーがそこで行われると聞いてです、それでなのでした。
 先生は首を傾げさせてです、こう長老さんにお話しました。
「あの、僕は」
「海水浴はですか」
「その趣味はなくて」
「左様ですか」
「水泳自体が」
 このスポーツもというのです。
「好きではなくて」
「あれっ、先生イギリス人ですから」
 加藤さんは先生のお話に目を瞬かせて先生に尋ねました。
「泳ぐことは」
「ロイヤル=ネービーですね」
「はい、ですから」
「いやいや、イギリス人でもです」
 その世界に冠たるロイヤル=ネービーを擁していた国の人でもだというのです。
「泳げない人はいます」
「そうなのですか」
「日本人でも誰もが空手や合気道はしませんね」
「誰もが、でjはないです」
「そうしたことと同じでして」
「イギリス人でもですね」
「誰もがラグビーやサッカーをする訳ではありませんし」
 そのことと同じだというのです。 
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