緋弾のアリア 真実の皇偵

前回の続きです。
 

遠山家の人間には特別な能力が存在する。
その名もHSS（ヒステリアサバンシンドローム）
子孫を残す為に有る遠山家専用の能力だが俺、水無月 蒼太もHSSが備わっている。
俺の母、遠山 叶が遠山家の人間なので俺もHSSを受け継ぎ生きているが出来れば俺はHSSを発動させたくない。
使えば普通の状態より更に強くなれるが使えば俺の人格が消え新たな人格に書き換えられる。
HSSの発動が終われば人格は元に戻るが我に帰ってHSS発動時を思い出すと死にたくなる程恥ずかしい。
強くなる為には対価が必要だが人格を書き換えられる対価なんて最悪だ。
しかも発動条件も最悪だ。
俺以外の人間がHSSの発動条件は知らないが絶対に俺と同じ発動条件の人間は世界に存在しないだろう。
存在していたなら俺と気が合うかもな。

「頂きます」

弁当箱に入っている唐揚げを箸で掴み口に入れる。
今日の唐揚げは少し揚げ過ぎたか味が濃いな。
ま、今日は濃い目の揚げ物が食いたい気分だったから良いけどね。

「アンタは偉いわね。
自分で自分の昼食を準備してるんだから」

モモマンを口に頬張りアニメ声幼女 神崎・H・アリアは言う。
別に偉いわと言われる程、偉いと思わないがアリアは何時も昼食はモモマンと自動販売機で買った飲み物だ。
毎日、昼食を作って学校に登校してる俺と違い学校登校中にコンビニやスーパーに寄って買っているのだろう。
アリア、栄養のバランス考えてるか？
栄養のバランスを考えて食事を取らないと身体に悪いし身長伸びないぞ？

「慣れればアリアでも出来るよ。
ま、慣れる迄が大変なんだけどね」

慣れると言っても毎日の積み重ねなので子供の頃から早寝早起きで生活してれば簡単だ。
ホームズが俺に小さい頃から早寝早起きを覚えさせてくれたから今の昼食を作れる俺が存在する。
ま、早寝早起きを覚えさせられたのが原因で何時も夜中の10時寝るんだが一般の高校生より寝るの早くね？

「女子力高いね〜」

サンドイッチを袋から取り出し表理子は言う。
袋から取り出したサンドイッチは武偵の食堂で売ってる高級サンドイッチだ。
普通のサンドイッチより値段が高く絶品らしく1日に30個しか販売されない限定品の筈だが？

「食堂のお兄さんと仲良くなってさ〜
限定サンドイッチを多目に作って貰ったんだ〜」

「人徳方法か」

流石が表理子だな。
表理子は人付き合いが出来るが裏理子には難しそうだな。

「レキはまたカロリーメイトか？」

無言で頷きカロリーメイトの入った箱を開ける。
確かにカロリーメイトは美味いけど毎日昼食カロリーメイトで大丈夫なのか？

「レキは朝から晩までカロリーメイトでOKなの」

「毎日カロリーメイトonly？」

「はい」

そこでレキの口が開いた。
毎日カロリーメイトonlyはどうやら本当らしい。
カロリーメイトは偶に食べるのには美味しいが毎日カロリーメイトだと気分が悪くなる。
でもレキは毎日カロリーメイトonlyか確かに変食家だな。

「でもさ〜。
アリアに言われても説得力ないよね〜」

「確かにアリアさんに言わると変な気分です」

2人の意見が合致、アリアに集中攻撃を開始する。

「アリアも変食家だと思うけどな〜
毎日毎日モモマンばっかり〜」

「毎日じゃないわよ！！
朝と昼と夜だけだもん！！」

「朝と昼と夜？
毎日モモマンを食べてますね」

レキが変に面白い事を言った！？
無表情でも心は存在すると知っていたがアリアを小馬鹿に出来る程の心の持ち主とは！

「う、五月蝿い！！」

「ま、お前が食事する時は何時も何時もモモマンばかりだもんな。
言われても文句言えないんじゃないか？」

てかカロリーメイトonly生活なら俺でもギリギリ耐えきるかも知れないがモモマン生活は勘弁だ。
カロリーメイトは味も種類も色々と存在するがモモマンはモモマンしか無い。
しかもモモマンは見た目通り結構甘い食べ物だ。
毎日毎日毎日毎日甘い食べ物を食べて生活は破滅を呼びかねない。

「真面目に普通に普通の食事をしてるのは2人だけかショックだ〜」

「だよね〜
アリアとレキは変食家だもんね（笑）」

でも不思議だな。
アリアとレキは毎日毎日毎日同じ物を食べてる筈なのに健康だ。
毎日同じ物を食べると栄養が片寄る筈なんだが？
あ、でもアリアとレキはSランクの凄腕武偵だ。
凄腕は変食で変わった一面が有る方が凄腕の気迫を漂わせるしな。

「カロリーメイトは栄養価が高く長期戦の狙撃戦でも食べられる最高級の食べ物です。
アリアさんのモモマンとは違います」

「でも毎日は無理かな」

モモマンonlyかカロリーメイトonlyならカロリーメイトを選ぶが毎日だと飽きて食欲が失せるぞ。

「アタシもカロリーメイトの方が良いかな〜」

「カロリーメイトは偉大な食べ物です」

カロリーメイトの全てを知り尽くした廃人の言葉をアリアに向かって言った。
カロリーメイトを考えて作った人は凄いと思うけど偉大な食べ物と言われると返答に困るんだが。

「モモマンの方が偉大に決まってるじゃない！！
カロリーメイトなんて小さい子供が食べるお菓子でしょ！」

小さい子供はカロリーメイトを食べないと思うけど？

「モモマンの方が子供向けの食べ物です」

レキの冷静な発言にアリアは戸惑う。
確かにモモマンは子供向けだな。
逆にカロリーメイトを子供が食べる所を俺は見た事が無い。
なので味方するならレキの方かな。

「そうだそうだ〜
アリアが正しいぞ！」

「レキの方が正しいぞ！！」

表理子は今のアリアとレキの状況が面白いのか2人を応援する。
アリアが正しいと言ってレキも正しい言う表理子は丸でピエロだな。

「蒼太さんなら毎日カロリーメイトでも大丈夫ですよね？」

戦火の炎は俺にも飛び散って来た！？

「モモマンを毎日食べたら血糖値が上がり糖尿病になる可能性が高くなります。
ですがカロリーメイトならそんな心配はありません」

た、確かに言ってる事も理解出来なくないけどカロリーメイトを毎日食べるのも辛いよ？

「カロリーメイトなんて口の中でパサパサするだけの無意味な食べ物よ！
モモマンは違うわ！
生地がモッチリしてて中の餡子が絶妙の甘さなんだから！」

アリアの言ってる事も残念ながら理解出来る。
味方するならレキを味方した方が、でもアリアの言ってる事も少なからず理解出来てしまう。

「理子はカロリーメイトとモモマン。
どちらがお勧め出来るかな？」

答え結論が出ないので表理子に振る。
表理子は両方を見て有利な方を選び話を解決させるだろう。
コミュニケーションを取れる表理子だけが頼りだ！！

「うんとね。
アタシはカロリーメイトもモモマンも好きだから決められません」

そう言って表理子は立ち上がり去っていく｡
え、もしかして逃げた？

「蒼太はモモマンonlyでも構わないわよね！」

「蒼太さんはカロリーメイトonlyでも構わないですよね？」

2人の変な質問と視線が返答を余計に困らせる。
カロリーメイトなら毎日食えそうだが絶対に途中で空ける断言出来る！！
モモマンを選んでも不幸を呼びかねない。

「は、不幸だな」

でも皆で食事するのも結構楽しいな。
変な会話で食事に集中出来ないけどね。