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『自分:第1章』

作者:零那
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『帰宅』

帰った瞬間、黒電話が煩く鳴り響く。
弟が『何回か鳴ってたよ』って。
受話器を取ったらユウだった。
バイト行ってくるって内容だった。
零那は、そんな報告とか別にいちいち要らんけど。
そもそも細かい報告とか面倒やし。
まぁMJで携帯料金会社持ちって言われてなかったら、営業とか絶対ムダに通話せなんだしネット商法もやらなんだ。
自分がバカだった。
やから、いちいち面倒な報告電話も文句言えん。
携帯さえあればメールで済むんやし。

世間知らずとか無知ってのは怖い。
そぉゆう意味では教護院の中は完全に守られてて、誘惑も極めて少なく安全だった。
教護院を出て、世間知らず、無知な自分は、間違いだらけのまま生きてきた。


 
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