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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十五章
  城攻め

俺が空に飛んだときに、一真隊の指揮は詩乃と雫に任せた。あと俺の代わりに沙紀が代役になった。織田衆と浅井の連合軍は、粛々とした足取りで敦賀城へと向かう。敦賀は山深い土地ではあるけれど、木々から鬼の奇襲があるんじゃないかということだったが、隊長が戦闘中にトレミーに調べてもらったがいないとのことを小波に伝えた。この情報は、前方にいる柴田衆と丹羽衆に情報が届いたので、行軍速度を上げた。ちなみに一真隊の頭である隊長についても伝えたらしい。空の敵は隊長に任すことに。細長い山道を縫い進み・・・・昼を過ぎた辺りで敦賀城を目と鼻の先まで侵攻してきましたが様子がおかしいです。

「なんですか、あれは?」

城攻めに備えて待機していた私たちの目の前には、見事にボロくなった敦賀城の姿でありました。

「貧乏であった頃の二条館よりも酷いのぉ」

「住居というものは、人の手が入らなくなった途端に、朽ちてしまいますからな・・・・諸行無常でござろう」

「城の外観よりも、今、心配しなければならないことは、鬼の動きです」

「ここまで迎撃にも出ず、城に籠りっぱなしとは・・・・些か不気味ですわね」

「確かに、自分たちの縄張りに侵入されているにも関わらず、城に籠もるというのは不自然です」

「となると、もしかして鬼は何かの策を用意してるかもしれないですね」

「報告では二条館を襲撃した鬼達の中に喋る鬼が居たそうです。おそらくですが、そういう奴もいれば、戦術を練る可能性もあります」

「ふむ。確かにいたな。なんとかという下郎が」

「報告では釣竿斎宗渭という下郎でしたね」

「ほう。詳しいの。なぜ知っているのだ?」

「隊長は戦後処理のときに、報告書を作成するのですが、戦った者の名前とか、どんな鬼とかを詳細にまとめてくれて私たちにも見れるようにしてあるからです」

「ああいうのが居るのなら、きっと作戦だって考えられると思うの」

「知恵を付け、戦術、戦略を理解できるであろう鬼が居る可能性が高いのに、全く迎撃がない・・・・ということは、この籠城には訳がある、ということでしょうか」

さすが、今はわわですね。あっ、はわわという口癖は朱里さんのです。なので、詩乃さんはよく今孔明と呼ばれるので、今はわわ。一応トレミーに確認をしてみましょうか。ISのオープン・チャネルでこの城の周りを調べてみたところ、鬼の反応はありませんでした。サーモグラフィーにも反応がない。ということは、敦賀城には人や鬼がいないということでしょうか。

「沙紀さん。船からはなんて言ってきましたか?」

「このまわりを調べた結果、人や鬼の反応がありません。それどころか動物の反応もありません」

「考えたくはありませんが、越前の人は全て鬼になったのか、鬼の食料になってしまったかですね」

私が言ったことで、皆も想像して暗くなってしまった。これが事実だとすれば、映像的にグロイですけど。まだあの世界よりかはマシでしょう。と、なんか太鼓の音が聞こえますね。これはいったい?

「なっ・・・・先鋒はもう仕掛けたのですか?」

「いくらなんでも早すぎでしょう」

「状況が分からないのに、もう城攻めに入るなんて。壬月様たち焦っていらっしゃるのかな・・・・」

「なんにせよ、ここじゃ状況が分からないね。何とかしないと・・・・」

「ふむ。ならば余がちょっと見てきてやろう」

「はい。そこまでです!」

『パシィィィィィン!』

と私が止めようとしたら、空間からハリセンが出てきましたね。しかも腕を見るとまだ空で戦闘中のようですね。

「いったぁぁぁ!誰じゃ、余を叩いたのは!腕が浮かんでいるだと!」

「馬鹿者!お前が行けば混乱になるだけだ!俺はまだそちらに行けないから、幽よ。一葉の見張り、頼むぞ」

「いやホント、申し訳ありませんなぁウチの公方が」

「猫か余は」

「似たようなものですな。今は状況が不鮮明。頼みますから、一葉様は大人しくしていてくだされ。それともまた一真様ので叩かれたいですかな?」

「仕方ない。一真のあれは相当痛いから、大人しくしといてやる」

もう隊長の腕はありませんでしたけど、隊長たちはまだのようですね。

「小波さん。ちょっと見てきてくれませんか?詩乃さん経由で伝えてくれれば構いませんから」

「承知!」

「状況が分かるまで、一真隊、足利衆他は待機をお願いします。詩乃さんと雫さんは手綱を握っておいてください」

「「御意」」

としばらくしてると、詩乃さんから小波さんの念話ではこう言っていた。まず、柴田衆と丹羽衆の両隊が前に出したら城は反応がなかったと。それで、一気に抜くために城門に取りついた様子だと。あと後方にいた母衣衆も城門に取りついたと、これはもう落ちますね。母衣衆が動いたとなると久遠様率いる本陣も動きましたね。城中の監視の目を逃れるために敦賀城左手の小山を迂回したようですね。

「なぜ、力のある鬼が反撃しないのでしょうか?」

「そこに罠があるから、と考えるのが妥当かと」

「ですね。誰か・・・・」

このあと起こることは、誰もが予想には出来なかったことが起こったことに通信機で聞いていた沙紀。聞いたあとに、行動を開始したけどね。何を言われたかは、分からないが。 
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