戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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十五章
一真隊愛妾連合
「・・・・・・というわけだ」
戦の準備に余念が無い仲間たちに、俺はエーリカから感じた違和感を相談してみる」
「心ここにあらず・・・・という感じですか。ふむ」
「これからエーリカさんにとって念願の越前攻めが始まるのに、何か心配事でもあるのかなぁ?」
「越前攻めが予想よりも遅くなったからね。心配だってあるとは思うけど・・・・」
「それにザビエルの思惑が見えず、焦っているのかもしれませんね」
「それに戦になっている以上、細かなことを考えても仕方がありませんのに」
「梅ちゃんはホント、相変わらず唐竹を縦にズバーッと割ったような考え方だねぇ」
「当然です。戦とは、少しの失敗が、戦に参加する武士たちの運命を大きく変える危険な賭けなのです。その賭けの真っ最中に、他のことを考える余裕はありません。戦に挑む際に考えなければならないのはとにかく事を簡単にすること。異人たちはこれを・・・・」
「シンプルイズベスト、だろ」
「なるほどぉ。言葉の意味は分からないけど、とにかく凄い自信だねー」
まあ、梅のことも一理ある。今は戦いに集中しないといけない。相手は鬼だし、集中して挑まないと、勝利することは難しい。
「まさしく。しかも我らは同僚だけでなく、我らに人生を賭けてくれている大切な家臣もいるのです。・・・・勝利できなくば、武士など何の価値もない」
「ですよね。・・・・ならそんな中、エーリカさんは何を考えているのでしょう・・・・」
「こればかりは俺たちが考えてもしょうがないことだ。あちらから相談してくるまで待つしかない」
それにエーリカは、ルイス・フロイスでもあり明智光秀でもある。この先で、彼女の本性が現れたら、俺が何とかしないといけないしな。
「そうですね、ところで一真様」
「何だ?」
「これから鬼達との戦いのため、今後、なかなか休息が取れない日々が続くと予想します」
「そこで!一真隊改め、一真隊愛妾連合より、一真様にお訊ねしたき議がございます!」
「お頭!今日は誰と一緒に寝てくれるんですか!?」
「あ、ひよ!抜け駆けはダメって約束したのにっ!」
「戦と愛にはどんな手を使っても構わないのですわ!」
「鞠も!ねぇ鞠もーっ!」
「あ、その、ええと・・・・じ、自分も、その・・・」
一斉に詰め寄って来ようとしたので、軽く避けてから言う。
「で、この状況は何だ?」
「今日のハニーの夜のお相手は誰がするのか。これはその権利を賭けた女の戦いなのです。という訳で、今日のハニーのお相手は、この私にき・ま・り・・・ですわーっ!」
「何を意味の分からない事を。平等に一真様のご指名を待つ、という協定はどうなったのです」
「そうだそうだー!もしその協定を破るんなら、私たちが全力で梅ちゃんを除外しちゃうからね!」
「戦・・・これは女と武士、二つの誇りを賭けた、仁義なき戦いなんだから!」
「という訳で。一真様。本日は誰と蓐を共にされるか・・・・御下知頂けますか?」
「はい?」
ようするに誰と寝るかなのか、いきなり言われても困るんだが。それに、一人ずつではなく全員でも構わないのだが、それじゃ納得しないか。
「若い身空で、凶悪な鬼と戦わなければならない・・・・その前に女としての幸せを感じたいと思うのも、当然というものでしょう?」
「そうですわ!そしてその気持ちを受け止め、導いてくださるのがハニーの役目。・・・・さぁ、ハニーっ!遠慮無くこの私を選んでくださいまし!」
「あ。ずるいずるいずるい!梅ちゃん、私だってお務めしたいんですからぁ!」
「ほら、お頭。こんなうるさい梅ちゃんとひよのことなんて放っておいて、今日は私と・・・・」
「おっと。影が薄い割にはなかなか意表を突くのがうまいですね、ころ。しかし私の目の黒いうちは、そのような戦術は通じませんよ」
「うう・・・・詩乃ちゃん、こういうときまで影が薄いとか言わないでよぉ。最近気にしてるんだからぁ・・・・」
「ふふふっ。相手の弱点を突くのは兵法の基本です」
「二人が言い争っている間に、お頭に決めてもらおうよ梅ちゃん!」
「ええ!さぁハニー!今日の相手はいかにっ!?」
「俺が選ぶのか?」
「そうですよ。ということで、私ですよね、お頭?」
「いいえ、このわたくしですわ!」
「なるほど私ですか。さすがに一真様はお目が高い。え?雫と一緒ですか?仕方がありませんね」
「ええっ!?わ、私もなんですかっ!?」
「当然です。出向とはいえ、一真隊と共に鬼と戦うのですから!それとも何です?雫さんはハニーは慕うに値せずとでも?」
「い、いえ!それはその・・・・まだ新参ではありますが、一真様のお力、そして強いお心に、惹かれるものはあるのですが・・・。で、でもまだその・・・・恥ずかしいですぅ・・・」
「よしならば今回は脱落ですわね!一人敵が減りましたわよっ!」
「ちょ、梅ちゃん直球過ぎ!」
「さすが梅ちゃん!その空気の読めなさに、全く痺れないし憧れもしないよ!」
「何とでも。ただでさえ、好ましい乙女が多い一真隊ですもの。情けを掛けていて恋の成就はございませんわ!」
「ええ。この度は梅さんの言葉に同意を示しましょう」
「ふっ。今孔明と呼ばれるだけありますわね!恋の鞘当ても冷静に分析されて・・・・さすがですわ!」
「恋とは戦。非情の心こそ、女に必要な武器ですから」
そうだっけ。というか小波も手を上げようとしてるけど。で、結局俺が分身体になって、一人ずつ相手をした。そしてそのときに初めてをもらったけどな。次の早朝になってから、陣を引き払い、連合軍は目的地に向かって粛々と前進していた。そんな中・・・・久遠の居る本陣の後方に位置取り、遊撃隊の役割を与えられた一真隊は進んでいたが、主要隊員は肌がつるつるになっていたけど。俺は逆にゲッソリしていた。主要隊員の初めてをもらったはいいが、分身体でも何回も出しては浄化するということをしていたのかな。
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