遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜
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エピソード 16〜卑怯者に天誅を!〜
前書き
え〜、漫画版GXの方が登場しますよ〜。知ってるかたはあぁこいつかと思ってその人のご冥福をお祈りしてください。南無
十代の課題が終わらないということで紫苑が手伝っていると横に居た翔が話題を切り出してくる。
「アニキ、紫苑さん、龍牙先生って知ってるっすか?」
「「誰、そいつ?」」
「えぇ、知らないすか?結構な有名人っすよ」
自分のアニキの無知さに驚く翔。
十代にデュエル以外のことを求めるなよ…
翔曰く、今、デュエルアカデミアに来ている教育実習生で180cmと長身でルックスもよく、結構人気らしい。そして、デュエルアカデミアには教師雇用の際に特殊なルールがあり、『誰でも構わないので本校生徒に50連勝する』というものがある。そして、その龍牙先生は49連勝までしているとのこと。
「へぇー、強いんだな。俺もその先生とデュエルしてみてーぜ!」
「おまえはその前に課題やれよ」
「うげぇ〜。じゃあ、課題終わったら紫苑デュエルしようぜ‼︎」
「じゃあ、あと1時間で終わらせれたらな」
その後本当に1時間で終わらせ、紫苑とデュエルした十代だった。
ついでに翔はこの時知らなかったが、龍牙という男には噂が二つあった。一つ目は彼とデュエルした相手はなぜか魔法カードが使えなくなるということ。もう一つは負けた相手からカードを巻きあげていること。
◆
翌日…
「君が遊戯十代君だね。僕は龍牙だ。噂じゃレッドなのに結構強いらしいじゃないか。それと僕は教育実習生でもあってね、ここの教師になるために生徒とデュエルしなきゃならないんだ。だから、ひとつデュエルをしてもらえると嬉しいんだけど。」
昨日のメンバーに姉を加えたメンツでワイワイガヤガヤと話していると唐突に話しかけてくる。しかも、いらないことをペラペラと……順序というものを知らないのか?
「あぁ、いいぜ。俺もあんたとデュエルしたかったところだ」
「ふふ、嬉しいよ。それと君はなかなかレアなカードを持ってるそうだね。僕はカードコレクターでもあってね。僕が勝ったらそれを分けてくれないかな?もちろん、君が勝ったら、いいものをあげよう。」
「いいぜ!早くデュエルしたくて、うずうずしてるんだ」
何こいつ、堂々とアンティデュエルしかけてんだよ。そして、いいものって言ってもゴキボールとかでしょ。何処かの虫使いのHA☆GAさんみたいに
「「デュエル!」」
「俺の先行、ドロー!いくぜ俺は手札から【融合】を発動!「ビービー!!」ってなんダァ!?」
十代が通常魔法【融合】を発動するとデュエルディスクからエラー音が鳴り、融合の発動がキャンセルされる。
その時、龍牙は手元で何か弄くっていたのに気づいたのが二人。翠と紫苑である。
「きっと使えないから、エラー音がなるんだよ」
「あ、そういうことなら仕方ないな。俺は【クレイマン】を守備表示で召喚してターンエンドだ」
(何かがおかしいことに気づけよ!!)
(そうだ!換気だ!)
(阿呆姉はだまらっしゃい!)
単純過ぎる十代にツッコミを心の中で入れるも姉のボケで漫才っぽくなってしまう
その後十代は魔法カード使用不可という縛りを受けながらも龍牙先生操る恐竜族デッキに勝ってしまった。
「う、嘘だろ…まさか、僕が負けるなんて…」
ありえないという表情をして床に手をつく先生
「ガッチャ。楽しかったぜ」
勝った本人は満足そうである
さて、デュエルも無事終わったので動きますかね…
ゆっくりと紫苑と翠が先生へと歩みよる
「落ち込み中失礼しますが…先生、コレって何ですか?」
龍牙先生が指にはめている宝石の部分が無駄にデカイ指輪を指し、最後の部分を声色を低くして脅すような感じで尋ねる紫苑
「な!?こ、これは…」
「えい!!えー、これはただの指輪ではなさそうだね」
ぐいと腕を捻りあげ、抵抗できなくしてから指輪を奪う翠
「あ、ここになんかスイッチあるね。」
デュエルディスクを展開し、勝手に何かを始める
「え〜と…シャインエンジェル召喚。で、スイッチ押すと…何も起きない。ダグラの剣をエンジェルに装備…何も起きない。地砕き発動…「ビービー!」ほぅ…なるほどね」
その後もフィールド魔法、映像魔法、儀式魔法、速攻魔法と等々試していったがエラー音がなり、発動できなかったのは通常魔法のみ。どうやらこの指輪は特殊な電波をだし、システムに異常をきたし通常魔法を発動させなくするものらしい
「十代君が融合とか発動できなかったのってこの指輪のせいだね。それとなんで先生がこんなもの持ってるんですか?」
デン!と指輪を先生の眼前に突きつける。その姿には迫力がある。
「ち、違うんだ…お、俺はただ…」
「はぁ……白を切るつもりですか…」
がっかりです。と溜息をつく
「じゃあ、デュエリストはデュエリストらしくデュエルで決めましょう。あなたが勝てばこのことは見逃してあげます。私が勝ったら……
さっさとこの島から出てけ」
最後の一言は聴いた者全員が震え上がるような凄みを帯びていた
「拒否権はありません。さっさと構えてください」
「くっ……」
「「デュエル」」
翠LP4000 龍牙LP4000
「私の先行、ドロー。手札から【苦渋の選択】を発動。選択するのは【アテナ】二体、【堕天使 スペルビア】二体、【アルカナフォースXXI THE WORLD】。さぁ選んでください。」
いつものように明るい雰囲気ではなく、怒りのオーラを纏ってデュエルする翠に対し、周りにいるものは皆震え上がっている。
墓地にいったらヤバイやつばっかじゃん!?姉ちゃん、マジギレだなー
今後どんな展開になるか知っている紫苑はただただ阿呆の冥福を祈る
「スペルビアを選択する…」
「じゃあ、【トレード・イン】を発動して、スペルビアを捨て、2枚ドロー。そして、【ヘカテリス】を捨て、【神の居城 ヴァルハラ】をサーチして、そのまま発動。そして、ヴァルハラの効果で手札から【アテナ】を特殊召喚。アテナの効果で天使族が召喚・特殊召喚される度に600ポイントのダメージを与える。天誅!」
【アテナ】 ☆7 ATK2600
『はいは〜い、って久々の登場かと思いきや翠さんマジギレ!?まぁ仕事はちゃんとしなきゃなんないから悪く思わないでね、翠を怒らせた馬鹿さんに天罰覿面!!』
ものすごくKYな女神様が現れ、彼女が杖を振るとビッシャーンと龍牙の頭上から雷が落ちる。
LP4000→3400
『うわぁ…KYとか久々に聞いたわ〜』
少しは空気を読んで!!
場違いなアテナに対し、シャウトする紫苑だが、
『あ、紫苑君、お久〜。今日も麗しいお姿で。その美しい銀髪を見たらこの世の花は皆劣って見えるでしょう』
やかましいわ!!どこの平安貴族だよ!真面目にやれ、マジメに!!
てへぺろと舌を出してふざける女神。ものすごく女神とは思えない
さっさと先に進ませろと目で訴えかける翠
「【ジェルエンデュオ】を召喚して、アテナの効果で600ポイントのダメージを与える」
LP3400→2800
「さらにアテナのもう一つの効果発動!ジェルエンデュオを生贄にし、墓地のスペルビアを特殊召喚。スペルビアの効果で墓地の2体目のアテナを特殊召喚します」
『ハイハイ、せーのでいくよ!』
『『天罰覿面!!』』
LP2800→2200→1000
傲慢の意味を持つ堕天使がフィールドに降り立ち、その横にさらにアテネが降臨、そして、龍牙へと3本の雷撃が落ちる
「まだ。2体目アテナの効果発動!スペルビアを生贄にし、墓地のスペルビアを特殊召喚!スペルビアの効果で墓地の3体目のアテナを特殊召喚!」
『『『せ〜の!てんばつてきめ〜ん!』』』
掛け声よろしく5回雷撃が落とされる
LP1000→ー200→ー2000
「な、なんだと。俺がこんな小娘にワンキルだと!?」
アテナとスペルビアの効果をフル活用した先行ワンターンキル。しかし、卑怯者へと制裁がこれで終わるわけがなく…
「何言ってんですか?まだ終わらないですよ。3体目のアテナの効果でスペルビアを生贄にスペルビアを特殊召喚。そして、スペルビアの効果で墓地のザ ワールドを特殊召喚!
そして、この時、あなたの運命を決めるルーレットが回ります。自らの手で止めてください。」
LPー2000→ー3800→ー5600
ザ ワールドのカードが翠の頭上で回転を始める
「もうやめてくれ!」
2回は死ねるほどのオーバーキルを受けた龍牙はすでに心は砕けていた
「卑怯な手を使い、勝利し、挙句の果てには負けた生徒からカードを巻き上げる。そんな奴に慈悲なんていらない、ですよね」
ですよねの部分をにっこりと笑っていい、逆にそれが恐怖を感じさせる
その表情を見て、さらに絶望の色を深める龍牙
「さぁ…止めてください。まぁ、すでに決まっているんですがね」
「す、ストップだ」
その言葉でカチンカチンと回転をしていたカードが止まる。その位置は……
「"正位置"。さぁ、ザ ワールドの効果を発動しますよ。場のスペルビアとアテナ一体を生贄に相手のターンをスキップします。時よ、止まれ。チェンジ・ザ ワールドォォォォォォ!」
カチリと翠以外の全てが止まる。そして、動きだす
「私のターン、ドロー。懺悔の用意はできていますか?
アテナの手札からシャインエンジェルを召喚し、アテナの効果で生贄にし、墓地のスペルビアを特殊召喚。スペルビアの効果で墓地のアテナを特殊召喚!受けろ!裁きの雷を!」
「うがぁぁぁぁぁぁ!?」
何度も何度も雷に打たれ、悲痛な叫びをあげる
「まだまだ。ザ ワールドの効果を再度使用!アテナとスペルビアを生贄にし、時よ止まれ!」
またしても世界から色が失われ、全ての物が動きを止める
「私のターン、ドロー!!」
む、無限ループかよ!これ、狂戦士の魂より凶悪になりそうだな!?
無限ループのえげつなさに若干引き気味な紫苑
「ーーーアテナの効果で600ポイントのダメージ!」
「うぐぅぅぅぅ」
「全モンスターでダイレクトアタック!」
「ぐはぁぁぁあ」
「ザ ワールドの効果発動!時よ、止まれ!」
またカチリとものの動きが止まる
かれこれ、このループを10回は続けている翠。
『もう…なんか私、罪悪感がハンパないんですけど…私のせいで無限ループが完成したから…』
なぜか、アテナが謎の罪悪感にかわれ、ボロ雑巾みたくなっている先生をみている
そして、紫苑がようやく動く…
「もうやめて、姉ちゃん!とっくにあいつのライフは0だよ!もうこの勝負はついたのよ!」
過去、遊戯がバーサーカーソウルを発動した時に杏子が言った言葉、そのまんまを言う紫苑。涙目+上目遣い付きで…
そこまでされた姉がやめないはずなく、30分ほど続いた蹂躙劇はようやく終止符を迎えた。
デュエルを終えた翠はばつの悪そうにしながら、やり過ぎっちたと可愛く謝ったとか
一方、ボコボコにされた龍牙先生は翠がみんなに謝っている間に逃げて行った。
後書き
無限ループって怖ぇぇぇぇぇ〜〜
そして、それをやった姉強えェェ!
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