遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜
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エピソード17 〜潜入!廃校舎〜
前書き
しばらく原作からそれていたのでようやく原作介入できます。
「ある中学生くらいの男の子が夜の道を歩いてたんだ」
真っ暗な部屋の中、一本のロウソクを囲むように6人の人間が座っている。そして、そのうちの一人、翠が重々しい雰囲気を醸し出しながら、口を開く。
◆
夜の道に聴こえるのは少年が走る音。周りは塀に囲まれ、どこにも隠れるような場所はない。
はぁはぁと息を切らしながらも走る少年。
そして、彼の後を追うように響くハイヒールのカツンカツンという音が少年の心をさらに焦らす。
「はぁ…はぁ…すぅ〜、はぁ。ここまで、これば…」
どれだけ走ったのだろうか既に少年の体力は限界をむかえており、ポツンと立っている電灯の下で膝に手をつき、どうにか体力を戻そうとする。
が……
ニタァ♪
ゾクリと背中に悪寒が走り、ギギギと錆びた機械のようにゆっくりと後ろを振り向くと……
つぅかぁまぇたぁ♡アハ♪
すぐ後ろには紅いルージュが塗られた唇を三日月のように歪め、笑った女が立っていた。
◆
「ヒィィィィィ!!フゲェ!?うぐっ、く、苦しいっす」
「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!」
悲鳴をあげる翔と雪乃。ただ翔は発狂したあまり首を締められて苦しそうにしているが。
「ま、こんなものかね〜。まさかこんなに怖がってくれるとは思わなかったけどね」
部屋の明かりをつけ、涙目になって怖がっている雪乃をなだめながらいう話し手、翠
「な、なんか妙にリアル感があってこぇな…」
「怖いっていうか恐ろしいんだな」
と十代と隼人(おめでと!初登場だよ!あんま出番ないけどw)は冷や汗を額に玉のようや浮かべている。
「まぁ、事実だし。その被害者、ここにいるし」
むすっとしている紫苑を指差す
「「「「え!?マジで!!」」」」
まさかのカミングアウトに驚く一同。
「姉ちゃん!人の事をペラペラ喋るな!!」
自分の数多ある黒歴史の一つをあっさり暴露された紫苑は姉を一喝する
現在、午後9時。十代の提案で怪談をやろうということでレッド寮へと来た紫苑。
怪談の内容はデッキからカード一枚を引いてモンスターカードが出たらそのレベルに応じた内容の話をするという企画。
途中で翠と最近よく関わってくる雪乃も急遽参加することになった。
ちなみに翠が引いたカードは【サイバー・エルタニン】。レベル10である。
「みんな、何やってるのかにゃー?」
どこからともなくでっぷりとした三毛猫ーーファラオを抱きかかえたひょろりとしたメガネをかけた男性ーー大徳寺先生が現れる。
「「「うわっ!?でた!?」」」
「きゃーー!!??でたーー!!」
「ふぐっ!?く、苦し…む、胸が……」
上から順に翔、十代、隼人。に雪乃、紫苑である。雪乃は急に現れた大徳寺先生を幽霊も勘違いし、恐怖の余り近くに居た人、つまり紫苑に抱きついたのだった。一方、抱きつかれた紫苑は勢いのあまり床へと押し倒され、さらには雪乃の巨乳による圧迫をくらい苦しそうにしている。最後に翠はそんな紫苑を見て、ニヤニヤとしている。
「いやあ、お盛んデスな〜。ニヤニヤ」
「う、うるさい!アホ言ってないで助けて!」
なんとか抱きつく雪乃を引き剥がしたがなぜか腕を絡ませてくる。
雪乃さ〜ん…胸に腕が当たってるんですけど…
◆
「そうだ、大徳寺先生。なんか怖い話とかないすか?」
ルールを説明し、是非と進める十代。小心者の翔と怖いのが嫌いな雪乃は既に震え上がっている。
「なるほどにゃー。とりあえず、これを引けばいいのかにゃー」
存在自体がオカルティックな人は興味を持ったようでデッキから1枚ひく。
引いたのは【F・G・D】。レベル12……
いやいやと頭を横に振る翔&雪乃。まだ何も話してないが?
「う〜ん、そうだにゃ〜…いい話があったにゃ!ただしこの話はオフレコだにゃ」
目つきを鋭くし、周りを見回す。コクコクと首を縦に振る一同
「じゃあ、話すにゃ〜。みんな、デュエルアカデミアにある廃寮を知ってるかにゃ?」
「老朽化して倒壊の恐れがあるから立ち入り禁止になってるってことは知ってるっす」
「そうかにゃ。けど、本当は別の理由があって立ち入り禁止になってるんだにゃー。昔、ある生徒が闇のデュエルの研究をして、その実験で何人もの犠牲者が出たそうにゃ。そして、その研究が中止された後も不可解な現象が起こるようになったからあそこへと立ち入りが禁止されたのにゃ。
そして、今でも出るそうだにゃ。コレが」
大徳寺先生がオバケのジェスチャーをする
「こ、コレって…まさか」
「そのまさか。実験で犠牲になった者たちの幽霊だにゃー」
「「「「ヒィィィィィィ!!??」」」」
大徳寺先生の最後の占めの一言で震え上がる四人。一方、紫苑と翠はだからナニ??みたいな表情をしていた。
紫苑曰く、三邪神居るから。あいつら自体、恐怖の権化みたいなものだから。
翠曰く、マジギレさせたら、世界滅ぼすことも可能な弟が居るから。紫苑怒らせたら私以外止められないし
「まぁ、ただの噂話だにゃ。確かめようとして忍びこんじゃダメなのにゃー。それともう遅いから各自自分の部屋に戻るのにゃ。」
おいおい、なんか遠回しに廃寮に行けよって言ってるようなものじゃないか!
おやすみだにゃーと言うとさっさと帰ってしまう。その後、怪談会もお開きになったそうだ。
◆
「お、重い…」
「いや、女の子に重いはタブーだから」
雪乃をおんぶする紫苑に即座にツッコミを入れる翠
「たく…怖くて腰抜かすって。怖いの嫌いなら来るなよな」
「わ、悪かったわね。それにここまでハードな話が出てくるなんて思わなかったのよ!」
紫苑におぶられている雪乃顔を真っ赤にしながら反論する。いつもの大人の女性な雰囲気はどこに行ったのだろうか
「しかし、あなたの背中、気持ちいいわね」
自分の背中に体をゆだねてくる。
お、重い…そして、胸が//
フゥ
「ひゃっ?!//」
いきなり首筋に息を吹きかけられて、女子のような声を上げる紫苑
「あら、意外と敏感なのね。クスクス」
「おーおー、姉がいるのにイチャイチャするとは全くけしからんですなー」
その後、雪乃と翠の嫌がらせに耐えつつ帰ったとか…
なんて日だ!!!
◆
「なぁ、紫苑!大徳寺先生が話してた廃寮に肝試しに行かないか」
「唐突だな!?もっと前置きとかないのかよ」
「え〜、俺そういうの苦手だし。なぁ、いいじゃん行こうぜ♪」
購買で昼飯用のパンを選んでいるとやけにウキウキした様子の十代が旧校舎の肝試しを提案してきた。よくつるんでいる翔や隼人はやめようと反対しているが……
「やめるっすよ!校則違反っす」
「翔の言う通りなんだな。」
う〜んと腕を組み少し考え、
「いいぜ。あと、俺からも何人か誘っとくな〜」
悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべる紫苑がいた。
◆
「かくかくしかじかというわけだ。雪乃、肝試し行こうか」
「な、なんで私が行かなきゃいけないのよ!それに廃寮は立ち入り禁止よ」
昨日、大徳寺先生が話していたことを思い出したのか速攻で拒否する雪乃
「アレ?雪乃って意外と怖がり?」
すでに昨日の反応からわかりきっているがあえて尋ねる
「ち、ち、違うわよ!別に怖くなんか」
「じゃあ、行くよな?」
は、はめられた!?
自らのプライドに邪魔され、否定してしまった雪乃は言った後に後悔するのだった。
さて、後は姉ちゃんを呼んで共闘して雪乃を盛大にからかってやろう( ̄▽ ̄)
その後、肝試し兼雪乃弄りのプランを話すとOKの一言だった。
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