チームは5人? いえ6人です!
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第1話 男の精霊使い現る
今はレイヴン教室の檀上に男の精霊使いがたっている。名前はカゼハヤ・カミト。
教室内では『クレア・ルージュが手籠めにされた』『淫獣』『エリス・ファーレンガルトもお手つきになったらしい』とかもあるが、クレア・ルージュといえば、
「燃やす燃やする燃やすれば……」
まあ、誰も契約できなかった剣精霊を横取りされたから、そいつを手名付けたなんて言っていたのに、そういう態度だから手籠めにされたなんて話がでるんだよな。
セクハラレベルの質問がカミトへ続いている中で、ようやっとまともな質問がでた。
「チームはもう決まっているの?」
「まだチームは組んでいない。仲間のチームメイトはこれからさがすつもりだ」
そう、2カ月後に開催される<精霊剣舞祭>は6人制のチーム戦方式だ。俺はカミトが入るであろうチーム・スカーレットへ男として入るのに、望んだ死神への転生特典だ。ただし、今は女性としてここに通っているけどな。どうやって女性として通えているのは今は秘密。
ピーチクパーチクさえずっているのを、担任であるフレイヤ女史がパンッと机をたたいたところで静かになった。
カミトの座る席を巡って、クレア・ルージュとリンスレット・ローレンフロストが争っている。もう定番となっているちょっとしたケンカだが
「それでは、あたしの隣の席につきませんか? カミト君」
その瞬間、まわりが氷ついた。
最初に再起動したのは、レイヴン教室寮で同室のリンスレットだ。
「エルダ! 貴女、女性が好きだったのじゃないのかしら!」
「女性は好きですけど、<精霊剣舞祭>のチームメイトとしてなら、別ですわ。なんせあの剣精霊と契約できた、という話ですから」
女性で実際に被害を受けているのは、リンスレットのメイドであるキャロルぐらいだ。さすがに、貴族を相手にセクハラは、今の段階で男とばれたときにまずいからな。
次に復帰したのは、クレア・ルージュだ。
「エルダ・アッシュも、私の奴隷精霊に手を出すつもり」
「いえいえ、あたしには男性を奴隷扱いにする趣味はございませんわ」
カミトは二人に腕をつかまれて、胸をおしあてられて、困っているのか楽しんでいるのかよくわからないが、ここに第三勢力がいるというのは認識してくれただろう。
そんなところへカミトへの助けとして、キャロルは現れたが、このドジっ娘属性をもっているメイドは、見事に階段を踏み外して落下するが、カミトがクレアとリンスレットの腕をふりほどき、キャロルを助けたのはたいしたものだ。
問題は、あのやわらかい胸におしつけられているところで、うらやましいなぁ。
まわりの生徒からは「変態」「淫獣」「魔王」とか、言われていたがクレアが「エロ精霊」と言って火の鞭を放ったのは見事だったな。カミトは悶絶してら。
午後の授業は、カミトはいなかった。カリキュラムができていないらしいからだが、俺のカリキュラムは面倒だ。なんせ、地、水、火、風の基本はすべてを受けないといけないのと、雷と闇の個人別カリキュラムも受けるので、他人より受けなきゃいけない授業が多い。
これも『封魔眼』をもって生まれて、一部の封印を解いた結果、契約できたのが6体のピクシーだからだ。ピクシーはいたずら好きでしられているので、俺が女性の姿で女性好きと言わなくても、ピクシーのいたずら好きを制御できない限りは、優秀な問題としてレイヴン教室にいることができる。
実際問題として、レイヴン教室にいる生徒は精霊魔装ができる者ばかりだ。性格に多少の問題はあるが、エリート根性丸出しにしているヴィーゼル教室よりもマシだとは思うけどな。朱に染まれば赤くなるってところで、単純に慣れの問題かもしれない。
寮に戻ったところで、いつものように夕食の準備は、リンスレットがおこなっていた。寮には共用キッチンはあるのだが、リンスレットは、同室者がメイドのキャロルと俺だけなので、専用のキッチンをとりつけてしまった。料理を作っているのをみまもっているのはメイドのキャロルだが、
「やあ、リンスレット。いつものようにキャロルが掃除しているところを見ていようか?」
「そうねぇ。今日はしなくてもいいわよ」
「じゃあ、暇だから、カミトのところにでも行ってこようかしら」
「やっぱり、お願いするわ」
「それじゃ、キャロルちゃん。お掃除するのをみててあげるわね」
ちなみに、まじめにお仕事をしているキャロルに手はだしていないぞ。手をだすのは、暇そうにしている時だけだからな。
まあ、胸をもむぐらいだけど、さわりごこちはいいぞ。
朝食と夕食はほとんどは、リンスレットがつくってくれるので、俺はめったにつくらない。バリエーションが少ないしね。
それで、今日の夕食にでたスープを持って、キャロルと外へでかけようとするので、
「あたしも、一緒に行って、見学していてよろしいかしら?」
困ったような顔をしているリンスレットだが、
「どこへ行くと思っているの?」
「それはもちろん、カミトのところよ」
さて、ひさびさにリンスレットとバトルすることになるかな。
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