ゾンビの世界は意外に余裕だった
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第8話、第一章エピローグとまとめ
臨時所長歴九日目の朝を迎えた。
研究所ではある程度長期持久をする体制を確立したと思う。もちろん何事にも例外があり、戦車に乗った強盗団なんぞが来たらかなり苦戦するだろう。
インターネットの情報を見る限り、聖域に引きこもった俺は社会の激しい武器の争奪競争に出遅れつつあるようだ。
とはいえ、アンドロイドを武器に見立てれば十分に勝ち組なのだが、政府も信用して良いのか分からなくなってきたし、そろそろ研究所を出て武器や物資の調達をしても良い頃だと思う。
そんなわけで今日一日を出陣準備に費やし。明日の夜明け前に出発するつもりだ。
まず、技術チームには車の整備と俺の乗るワンボックスの装甲を補強するよう命じた。F棟建築工事の資材置き場から多数の鉄棒を持ち出し、戦闘ロボットやアンドロイドに持たせる。ケイラちゃんには念のため日持ちする日持ちするお弁当を大量に作るよう指示する。
「ボス、戦闘アンドロイドを増やすなら、カーソン研究室の特殊部隊アンドロイドがお勧めです」
俺の製作したアフリカ系海兵隊鬼軍曹のレグロンに聞いたら、変わりもののカーソンのアンドロイドを推薦してくれた。あいつのアンドロイドを勝手に動かしたら、後でどんな復讐をされるかわかったものではない。だが、許可を取ろうにも連絡不能だし、生きているかも分からないから勝手に動かす。
特殊工作部隊仕様の戦闘アンドロイド・グレーブスは、完全手作り戦闘アンドロイドである。ここまで規格部品を使わないのは、完全にカーソンの趣味だ。
しかも破壊工作をするためにグレーブスは外見を変身可能であり、サラリーマン偽装型の慶太やOL偽装型の幸子を開発した山田研究室の面々がその存在を知ったら、発狂してしまうかもしれない。
俺は恐る恐るグレーブスを稼働させた。カーソンの奴が秘密のトラップコードを持っている可能性もある。つーか、なんでそんな危険なもんを俺は稼働させたんだ。最近、自分の行動に疑問を抱くことが増えてきた。まあ、それもリアル・ゾンビ世界の弊害だ。
ここにもS3型を改良した戦闘アンドロイドが何体かあったが、そのまま放置する。カーソンのアンドロイドを稼働させるよりは、最上階の教授共の戦闘アンドロイドを稼働させた方が効率的かつ気分が良い。
そんなわけで、俺はB棟6Fにいる。ちまちまと無難な人型戦闘アンドロイドのS3シリーズを稼働させていく。その数が十ニ体になったところで、犬型や猫型、羊型戦闘アンドロイドなどに視線を向ける。
稼働させるかちょっと悩んでから、ハスキー犬型戦闘アンドロイドのガルムとゴルムの二体及びハヤブサ型戦闘アンドロイドのハヤとブサの二羽を稼働させた。名前を自分でつけたくなる愛らしい戦闘アンドロイドだったが、教授共と講師達の製作である以上、やっぱりこのままの名前にしておく。
つーか、そろそろ自分のアンドロイドの数が把握出来なくなったので戦闘アンドロイドだけでも整理しよう。
まずは、中央制御人口知能のアバターでスーツ姿の黒髪美女キャリーとセーラー服の金髪美少女レイア。
俺が製作したアフリカ系鬼軍曹レグロンと西欧系鬼軍曹マイルズ。
スパルタ兵のレムルスとロムス。サラリーマン慶太とOL幸子。カール大佐、グスタフ少佐、マルク少佐。
特殊工作兵グレーブス。
きちんとした名前持ち人型戦闘アンドロイドはこの十ニ体となる。
これに四等兵一号から十号の十体とそしてS3シリーズの戦闘アンドロイド三十ニ体の小計四十ニ体を加わえて、人型戦闘アンドロイドは五十四体だ。
他に員数外としてハスキー犬のガルムとゴルム。ハヤブサのハヤとブサがいる。
戦闘ロボットは金属マネキンの人型タイプM-27型が五十四体。ずんぐり低慎重型が百体居る。
ああ、あと警備員仕様の拳銃二十丁と催涙銃ニ丁なんかもある。
改めて考えまでもなく国家規模としては誤差みたいなものだが、俺を守る戦力としては過剰なほどだ。ほんと武装強盗団なんかがいなければ何も問題なかったが愚痴を言っても始まらない。
とにかく遠征部隊と居残り部隊を決めよう。車は社用車とF棟建設工事車両を使う。
一号車はワンボックス……サラリーマン慶太、四等兵一号、S3戦闘アンドロイド四体。
ニ号車は軽トラック……スパルタ兵レムルス。四等兵ニ号、S3二体。ハヤブサのブサ。
三号車は乗用車……四等兵三号、S3三体。
四号車はワンボックス……俺、キャリー、レグロン、マイルズ、カール大佐。四等兵四号、衛生兵一号。ハスキー犬ガルム。(かなり狭い)
五号車、乗用車……四等兵五号、S3三体。
六号車、四トントラック。グスタフ少佐。四等兵六号、S3ニ体。幌の中に服を着た金属マネキン(M-27)十ニ体。
七号車、三トンロングユニック……四等兵七号、S3三体、衛生兵ニ号。技術チーフZ。汎用作業アンドロイド十ニ体。
八号車乗用車……四等兵八号、S3三体、特殊工作兵グレーブス。
キャリー、レグロン、マイルズ、レムルス、慶太、カール大佐、グスタフ少佐、グレーブス。
四等兵八体、S3シリーズ二十体。金属マネキン十ニ体。
これが遠征部隊の戦闘部隊だ。指揮序列は俺、キャリー、レグロン、大佐、マイルズ、少佐だが、基本指示は大佐に一任した。それと拳銃は全ネーム持ちと遠征に参加する四等兵に持たせ、俺は警棒だけを腰にさす。
本拠地には戦闘ロボットが百四十体とS3戦闘アンドロイドが十二体が残る。これをレイアとマルク少佐、ロムス、幸子、四等兵九号、十号が指揮すれば、留守番くらい軽くこなすだろう。
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