魔法科高校の有能な劣等生
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過去剥奪編
少年の記憶
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい!!
何故、俺は何の違和感も感じず魔法を発動出来たのだろう?
そもそも何故、俺は魔法を知っているのだろう?
何故、俺は魔法を発動して弾丸を跳ね返したのだろう?
何故、俺は魔法が使えるのだろう?
「記憶を失っても魔法の知識は覚えている。
だが、自身は魔法の知識を全否定」
陽気な医者は俺の答えた答えを口で復唱し少し長めの髪を整え悩む。
俺の顔を何度か見て考え込んだり黙ったり手に持ったタブレット端末を凝視して俺と見比べたり。
「君の記憶を失った原因を君は知らない?」
「知りません。
いえ、覚えていません」
記憶を失った原因を俺は知らないが聞く話に寄れば1人の少女を助ける為に禁断の魔法を発動。
成功したが代償に俺の記憶の大半の消し去った。
記憶を失う前の俺なら記憶を失っても1人の少女を助ける為ならと言うかも知れないが記憶を失った俺から言えば偽善としか思えない行動だ。
「でも、君は現に魔法を使って自身の身を守った。
記憶の大半を失ったと言っても知識が少し残っているのかな?」
しみじみと医者は俺の顔を見る。
影の話から俺の面倒を見てくれる先生は優秀と聞いていたが聞き違いだろか?
普通に見れば変人にしか思えない。
「君の魔法が君の記憶の大半をサイオンに変換。
変換された記憶は魔法式に組み込まれ増幅、魔法は少女の身体を包み救った」
「俺が、、、記憶を犠牲にして女の子を救った」
考えても考えても俺が少女を助ける理由がハッキリしない。
記憶を失う前の俺が少女を助け救ったが代償が俺の記憶と名前を奪った。
「救った女の子は無事なんですよね?」
俺の記憶を代償に救った少女。
何故、俺の記憶を犠牲に少女の命が救われたのか知らないが無事なのか元気なのか知りたい。
俺の記憶を犠牲に少女は救われたんだ。
無事で元気で明るくいて欲しい。
「君のお蔭でね。
怪我も軽傷だし自宅で看病されてるみたい」
「そうですか」
何故か物凄く安心した。
記憶を失い助けた少女の名前も姿も思い出せないのに。
「でも君の方が重症だよ。
運ばれて来た時は意識不明で全身に傷や怪我を負っていて」
「す、すいません」
「ま、怪我は完治したし健康だけど。
問題は君の記憶だね」
深刻な顔で医者は俺の頭を見詰めた。
怪我は完治しても記憶が戻らなければ意味が無いと医者は考えているのだろう。
俺も出来れば記憶を取り戻したい。
「君の記憶を取り戻す方法を色々と考えたんだが。
君は自身の記憶を魔法式に組み込んで発動した」
「はい。
覚えてませんけど」
「なら逆を考えて」
逆?
俺の記憶は魔法式に構築され消えた。
それの逆を考えると。
「君は記憶を元に魔法式を構築したんだ。
なら君の消えた記憶を辿り魔法式を復元出来れば記憶は元に戻る」
考えもしなかった答えが医者の口から出た。
只の変人かと思ったが撤回しよう。
少し変な医者に俺の脳内で格上げだ。
「と、言いたいけど無理だね」
「え、無理?」
「記憶を失う前の君が何系統の魔法を発動したのか解らない限り無理だね。
影君に君が女の子を助ける時、何の魔法を発動したのか聞いてみたけど返答が解らないと返ってきた」
医者は更に悩み頭を働かせる。
俺は記憶を失っているので過去を思い出す事は出来ない。
よって自分自身の記憶を復元する考えも思い付かない。
「自身の記憶をサイオン変換して魔法式に組み込む魔法なんて聞いた事も無いけど。
魔法式に記憶を組み込んだなら君の頭、脳から記憶と言う情報が抜き出されている。
でも脳から完全に記憶を取り除くのは不可能と考えて君の脳の頭の奥に記憶が、、、、、、」
途中で医者の口が止まった。
「あれ?」
動きが完全に止まっている?
俺は医者の目の前で手を振るが無視。
「考え過ぎて頭の思考回路以外の回路を全部切ってるだけだ気にするな」
「あ、影」
影は俺の頭に軽くチョップ。
そして隣に有る椅子に座り込む。
「調子はどうだ?
体調とか気分とか?」
「大丈夫だよ。
記憶以外ね」
身体の調子、気分は悪くない。
記憶を失う前の俺の気分、体調は知らないが今の俺から見たら万全だ。
「ならOK。
お前の記憶は俺が何とかしてやる気にするな」
記憶を失う前の友達 影。
記憶を失い戸惑う俺を助け面倒を見てくれている。
俺が記憶を失っていても先に進めているのは影のお蔭だ。
「お前の記憶を取り戻し風香ちゃんを助け出す」
「風香?」
「お前の婚約者」
「えええええええええええええええええ!!!!???」
こ、こ、こ、こ、婚約者!?
初耳、記憶を失っているので初耳で当然だが記憶を失う前の俺は何者なのか?
て、俺の年は何歳だ!?
「お、お、俺、何歳?」
「今は12歳だ」
思考が纏まらない。
考えが纏まらない。
記憶を失う前の俺は何者なんだ?
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