魔法科高校の有能な劣等生

前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい！ 

少年の記憶は消えた。
名前、家族、親戚、家柄、婚約者、魔法は少年の脳内から完全に消え去り無になった。
少年は記憶を犠牲にして助け出した少女の名前を知らない。
知っていた筈の少女の名前さえ少年の記憶から消えてしまった。

「目標確認」

魔法可変式ライフル LMGMPDのスコープから目標を捉える。
目標は15歳以下の少年、身長は平均的で髪は黒と青が混ざり合った日本人だ。

「距離、約6000ｍ。
誤差20ｍ以内」

標的の少年は公園のベンチに座り沈黙。

「標的識別 無月 零」

任務は使用 無月 零の排除。
魔法可変式ライフルLMGMPDを構え狙撃体制に移る。
魔法可変式ライフルは魔法師専用の対魔法師戦闘用のライフルで扱いがとても難しい。
反動が大きく魔法を使えない人間が使えば肩の骨が折れ二度と治らないだろう。

「secondcode」

魔法を発動した。
発動した魔法は硬化魔法。
対象の物体を固定してライフルの反動に耐えられるように体と足場を完璧に固定。
硬化魔法は自身を硬化する魔法でない。
硬化魔法とは自身と物体を定着する魔法だ。

「固定完了。
対象との誤差修正」

標的の少年　無月　零は完璧にロックオンされた。
トリガーを引けば確実に命中する。
標的の少年が狙撃に気付いても絶対に躱せない。

「チェックメイト」
狙撃者はトリガー引いた。
躱せない弾丸が魔法可変式ライフルから放たれた。
音速の速さで弾丸は標的の頭部を目指し進む。
　
「任務完了」

弾丸が対象に命中したか確認せずに男は振り向く。
理由は簡単だ。
絶対に避けられはいからだ。
音速の速さで放たれる弾丸を回避出来る訳が無い。

「thirdphase」

男は次の段階に進む。
任務は少年の確保、殺しても生かしても構わない。
詳しい内容は不明だが少年を連れ帰り引き渡せば任務は完璧に完了し金も手に入る。

「バーン！！！！！！！！！！！！！」

爆発音が響いた。
方角は標的 無月 零の死体が有る地点だ。
男は魔法可変式ライフルを構えスコープで状況を確認する。
だが、確認出来なかった。

「う、うわぁーーーー！？」

男の目に金属の塊が突き刺さる。
男は痛みに耐えられず叫び声を上ゲ子供も様にバタバタと暴れ回る。

「貴方ですか？
俺に攻撃したのは？」

男は慌てて声の方に向き見る。

「大丈夫ですか？
すいません、反射的に跳ね返して」

男は恐怖した。
目の前に居る少年は任務対象の少年 無月零だ。
魔法の力を失い記憶を失い全てを失った少年が目の前に居る。
魔法の力を完全に失った少年が何かを使って魔法可変式ライフルを弾丸を避け攻撃に転じてきた。

「あ、あの？」

男の意識は絶たれた。
原因は2つ、痛み。
そして対象の少年が目の前に現れた事だ。