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鎧虫戦記-バグレイダース-

作者:
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第3話 日本刀は大体1kg以上あることを頭に入れておこう

 
前書き
どうも蛹です。 
人類の希望"鎧人"、ついに現る! (あれ、これ前にも書いたような‥‥?)
はたしてその戦闘力とは?いかに! (あれ、これも‥‥‥‥?)

‥‥‥第3話 始まります!!
  

 
『‥‥‥何だ?‥‥‥オレはどうなったんだ? 

 ‥‥‥わからない‥‥‥‥でも‥‥‥‥‥‥
 
 力が‥‥‥‥‥‥‥‥力が溢れてくる!!!』




弟は、うしろへ後ずさりした。

「な‥‥なんで‥‥何でこんなトコに"鎧人"がいるんだよ‥‥‥!」

更にうしろへ後ずさりした。

「15年前‥‥‥死んだんじゃなかったのかよ‥‥‥!!」

オレにはアイツが何を言っているのか全く分からなかった。
しかし、少なくともオレについて言われていることだけはわかった。
‥‥ていうかガイトってどう書くんだ?

オレは足元に転がっていた"日本刀"を拾い上げた。

弟はアスラに向かい叫んだ。

「いや‥‥違う!コイツは"鎧人"じゃあない!
 ‥‥ビビらせやがって‥‥この偽者がぁぁぁぁぁ!! 」

弟は右の拳を突き出した!しかしその拳は‥‥。

 ポロ ポロ ポトポトポト 

指、手の平、と1関節ごとにバラバラになって足元に散らばった。

「ぎ‥‥ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

無論、オレが斬ったのである。奴が見えず気付かないほどのスピードで。
一瞬のうちに、華麗に、繊細に‥‥‥。

「オ‥‥オレの‥‥オレの腕えぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁ!!」

コイツはもはやオレの敵ではなくなっていた。
オレは刀を一度鞘の中に納めた。

「ひっ‥‥ひいぃぃぃぃぃぃ!ゆ‥‥許しでくだざいぃぃぃぃぃぃぃ!!」

もう弟は見るに堪えない顔になっていた。 アスラは再び柄を掴んだ。
オレの最も得意な居合切りの構えに入った。

「まっ‥‥待ってッ!!」

マリーは叫んだ。

「アスラ‥‥‥‥‥許してあげて‥‥‥今のアスラ‥‥‥‥怖いよぉ‥‥ 
 ‥‥‥‥うぅ‥‥ぐすっ‥‥‥」

マリーは泣いていた。 オレは思わず顔を逸らした。
そして構えを解いてしまった。

その隙を、弟は見逃さなかった。
弟はオレに飛びかかってきた。

「油断したなぁ!今度こそ死ねぇぇぁぁぁぁぁ!!」

オレは三度柄を掴んだ。 
 
そして鞘から刀を引き抜いた。

弟には見えていた。弧を描きつつ首へと流れゆく白刃が。
鳥が羽を休められるほどゆっくりと。しかし弟は、体の異変に気付いた。

『体が‥‥‥‥‥動かない!?‥‥‥これが死ぬ直前ってヤツか‥‥‥‥』

そしてその白刃は――――――――――


  ザクッッッ!!


―――――――弟の首をはね飛ばした。
首はそのまま瓦礫の中へ飛び込んで行った。

オレの全身がほんの少し光った気がした。
すると、いつの間にか元の姿に戻っていった。

そのままオレはその場に倒れこんでしまった‥‥‥‥らしい。
(ここまでの記憶があやふやでよく覚えていない)



    **********

 

 ーとある星のとある場所ー
ドアを開け、1人の"衛兵"が部屋に入ってきた。

「現刻《ゲンコク》将軍!」

"衛兵"の声を聞いてベットから2mを超える40代程の大男が起き上った。

「なんだ騒々しい」
「また無意識に"超技術《オーバースキル》"を使っていたのですか?
 ひどくうなされていたようですが‥‥‥」
「‥‥‥‥‥まあな」
 

現刻と呼ばれた男は近くの窓を開いた。
外から涼しい風が流れ込んできた。
空に上った美しい月を見ながら、現刻はつぶやいた。

「ついに現れたか‥‥"鎧人"‥‥‥!」

それが聞こえた"衛兵"は現刻に訊いた。

「何か仰いましたか? 将軍?」
「‥‥‥いや‥‥‥‥何も‥‥‥‥」

そう言って現刻はまたベットに潜り込んで行った。



    **********



 ーアメリカー
 
アスラは目を開いた。そこには青い空が広がっていた。

『どうして外で寝てるんだっけ‥‥?』

先程までの記憶が浮かび上がって来ると
急いで体を起き上げた。

「痛ッッ!!」

アスラの身体に激痛が走った。
おそらく蹴られた時にやられたものだろう。
つまり、これがあるということは‥‥‥‥‥

「夢じゃなかったのか‥‥‥ハッ!迅!!」

ゆっくりと立ち上がり辺りを見回すと
瓦礫の山の隣に迅とマリーがいた。
すぐに駆け寄ってみると
マリーは座り込んで泣きじゃくっていた。 

「アスラ‥‥‥迅さんが‥‥‥迅さんが死んじゃった‥‥‥‥グスッ」

アスラは座り込んだ。この現実を理解できずにいた。

「そんな‥‥迅‥‥‥オレに戦い方をもっと
 教えてくれるんじゃなかったのかよ!
 なぁおいッ!‥‥‥‥‥迅!!‥‥‥‥迅‥‥‥」

アスラは涙を止めることが出来なかった。

「うぅ‥‥うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うわああああぁぁぁん!迅さぁ~~~~~~~ん!!」

2人は大声で泣き出した。
それを聞いたホークアイが2人の元へ走ってきた。

「何泣いてんだよ二人とも」

ホークアイは冷静に言った。

「何って‥‥‥迅が死んじまったんだぞ!‥‥クソォ‥‥‥」
「いや、迅さんは生きてるよ」
「‥‥‥‥‥‥え?」

2人は顔を見合わせた。そして、下を向いた。
よく見るとわずかながら呼吸をしていた。
‥‥‥‥それはいびきのようにも聞こえた。

「オレも最初見たときは死んでるかと思ったよ。でもよく見たらさ、寝てんじゃん。
 ていうか、心臓動いてないかとかちゃんと調べたのか?」

改めてアスラは迅の胸に耳を押し当てた。 
トクン トクンと弱いがきちんと脈を打っていた。
マリーもそれを確認した。2人は泣きながら揃って言った。

「良かったぁぁ~~~~~~~~~~~~~ッ!!!」


"侵略虫"は人間の状態でも全ての能力において常人を上回っており
普通なら即死の一撃を喰らっても、しばらくは活動することが可能で
適切な治療を施せば、自然治癒で体を再構築出来る程の再生能力を持っている。
迅の場合は、包帯やガーゼで脇腹の衛生状態を保てば、数日あれば
深々と空いた穴は完全に塞がるだろう。
しかし、カナブン兄弟(仮称)の様に誰が見ても治療不可能な傷は
再生できず死んでしまう。



    **********



 ー壊れたアジト(現在修復中)ー

「迅さぁ~~~~~~~ん!」

 ダダダダッ!
 
クレアはベットの迅の元へすごいスピードで駆け寄った。

「大丈夫なの!?お腹血まみれだけど!!?」

天井からハロルドは作業を中断してクレアへ言った。

「大丈夫だよ。ぐっすり寝てる。でも早く治療しないと‥‥」

クレアは治療道具のたくさん入った箱をベット横のタンスから取り出した。

「私が元医者ってこと、忘れてないわよね?」
 
ハロルドは笑顔で作業に戻って行った。



    **********



 ーアジト 別室ー 

「何で調べなかったんだよッ!!」
 
アスラはマリーに向かって叫んだ。
マリーは半泣きで答えた。

「だって‥‥お腹に穴が空いてたんだもん‥‥」
「いや でも生きてるかちゃんと確認しないと(オレもしてなかったけど‥‥)」
「その時 頭が真っ白になってたから‥‥ごめん‥‥‥グスッ」

マリーは泣きじゃくり始めた。

「い、いやっ別に怒ってるわけじゃないんだけどよっ!」

アスラが焦って弁解を始めた。

「バカップルかよ‥‥‥‥」

部屋のドアにもたれかかりながらホークアイはつぶやいた。

「‥‥あーあ‥‥‥オレも彼女欲しいな‥‥‥‥」
  
ホークアイは羨ましそうに2人のイチャイチャぶりを眺め続けていた。 
 

 
後書き
いかがでしたか2人のイチャイチャぶり‥‥じゃなくて"鎧人"の戦闘力は?
2人はとってもラブラブです。こっちが少しムカつくぐらいに‥‥‥‥
 
現刻とは誰なのか? "超技術(オーバースキル)"とは何なのか? 
"鎧人"の事を何故カナブン弟は知っていたのか?
謎がてんこ盛りの第3話。それらはいつか分かります!!

次回 第4話 旅行に行くなら暑い国と寒い国、どっち派? お楽しみに! 
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