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仮面ライダー龍騎【13 people of another】

作者:Миса
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Part One.
First chapter.
  第6話




「あ、教室に忘れ物してきた!」
「わかった。ここで待ってるね」
「うん、ごめんね。すぐに取ってくるから!」

とある高校、女子生徒が薄暗くなった廊下を歩いていた。

「暗いなぁ……なんで暗い学校ってこんなに怖いんだろ……」

女子生徒は自分の教室に入り忘れていたノートを机の中から取り出した。

「あった。
さっさと帰ろっと……」

女子生徒はまたもと来た道を戻る。

「ごめん!待った……って、あれ?いない……ねぇ!どこに行ったの!?……おかしいな…?」

女子生徒が辺りを見渡しても誰もどこにもいない。
するとそこに教師と思われる男がやって来た。

「あ、先生!」
「どうしたんだ?」
内海(うつみ)さんを見ませんでしたか?」
「内海?さっき来た時は、ここにいたが……」
「じゃ、どこに行ったんだろう……?」
「それより、塚原…お前は早く帰れ」

男性教師は腕時計を見ながら女子生徒にそう言う。

「え、なんでですか?」
「もう暗いし。最近、行方不明事件が多発しているだろう?内海には俺が言っておくから、早く帰りなさい」
「でも……」
「……わかった、もう少しだけここで待ってろ」
「はい」



───…



「『女子生徒行方不明、同じ犯人か……』」
「そう、お兄ちゃん、芳樹くんお願い!トワコを探すの手伝って!」

亮平と芳樹は目の前の女子生徒、亮平の妹である塚原歩美(あゆみ)を見てため息をついた。

「あ、なんでため息!?」
「歩美、こういうのは警察に任せたほうが……」
「嫌よ!あの時の責任は私にもあるの、私も探す!」
「歩美ちゃんさ、それならなんで俺らを巻き込むんだよ……」
「女の子一人にそんな危険なことさせられるの!?」
「お前は女じゃないだろ……」
「この馬鹿兄貴!!」

するとインターホンの音が玄関から聞こえてきた。誰か来たようだ。

「はーい……」
「お前が出るのかよ!」

歩美は立ち上がろうとした芳樹よりも早く玄関へ向かった。扉を開けると帽子を深くかぶった少年が立っていた。

「………亮平さん、いますか?」
「あ、ごめんなさい。今立て込んでて……後にしてもらえます?」
「えっと……読川が来たと伝えてくれれば…」
「あの、だから今立てんでいて!」
「いや、俺は……」
「しつこいなぁ!」
「お、ナナじゃん!」

歩美が振り返るとそこに芳樹が立っていた。歩美を押しのけると芳樹は帽子の少年、ナナを家に招き入れる。

「待ってたぞ!今日はすき焼きだからな、思いっきり食えよ!」
「でも、二人って学生ですよね。大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈夫!今日は特別な日だからな!」

芳樹は特に歩美を気にかけることもなくナナを部屋の奥へ案内する。
歩美が部屋へ戻るとさっそくすき焼きの準備を始める三人の姿が……。

「……………え?」

そのあまりの手際の良さに歩美は呆然とした。



───…



「つまり、妹さんは友達の内海トワコさんを探したいわけですか……」
「そう!あんた、この二人に何か言ってあげてよ!全然協力してくれないんだもん!」
「だって、この行方不明事件……探してやりたいのは山々なんだが、手掛かり一切なしだしよ」
「正直、俺たちじゃどうする事もできないし、警察に任せたほうが、絶対にいい」

グツグツと煮えたぎる鍋を囲んで四人は例の行方不明事件の事について話し出した。

「ってか、歩美。飯の時にそんな話しをするな」
「いいでしょ、別に!お兄ちゃんは他人事だと思って……」
「手伝ってって言われても、お前と違ってまだ俺は夏休みに入っていないんだ!」
「………じゃあ、俺が行きましょうか?」

三人は今だに帽子をかぶっているナナを見た。
ナナは新しい卵を解くと鍋の肉を取る。

「ほら、俺も学校無いですし……亮平さんのお礼も兼ねて……」
「ついて来てくれるの!?」

一番最初に反応したのは歩美だった。
歩美はナナの手をガシリとつかむ。

「男はこうでなくっちゃ!
あ、そうだ……まだ自己紹介がまだだったわね!
私は塚原歩美、さっきも言ったけどこの愚兄貴の妹よ。歳は18!」
「……読川ナナです。歳は17……えっと、お兄さんにはお世話になってます」
「私より年下?年上かと思ってた!読川くん、背が高いのね……!」

ナナは困ったように眉を顰めたが歩美はナナの手を離そうとしない。

「じゃあ、さっそく明日行こう!」
「待てよ、明日はナナを俺らの大学のオープンキャンパスに連れて行くって決めてんだよ!」
「オープンキャンパスなんていつでもいいじゃない!今はこれの方が先!」

ナナは芳樹と歩美に腕を掴まれ引っ張られる。

「お前ら、ナナくんが嫌がってるだろ。手を離してやれ!」

亮平の制止の言葉で二人はナナを離した。
ナナは少し痛そうに腕をさする。

「ナナ、本当にいいのか?」
「大丈夫です。もしもの時は、ちゃんと連絡しますから……」
「……わかった。わがままな奴だけど、歩美を頼むよ」
「はい」



───…



「ここが、歩美さんの学校ですか……」
「そう、私はテニス部なんだけどさ……その部活の帰りに忘れ物したから取りに教室に行ってたの。テニス部の部室、その教室で……」

歩美は校舎に入ろうと足を進めようとするがナナはそれをさりげなく拒否した。

「どうしたの?」
「……あの、歩美さんが女子校に通ってるなんて、知らなくて……」

確かに、さっきから部活がある生徒たちは皆女子だ。校門に入る時、男であるナナが気になるのかチラチラと見る女子生徒の目線がナナにとって辛かった。

「大丈夫!私といれば、そんな帽子かぶってても不審者とはおもわれないから!」
「ふ、不審者って……」
「そんなにずっと帽子かぶってると禿げるよ?」
「禿げません」

歩美に半分引きずられる形でナナは校舎の中へ消えて行ってしまった。

「ここが、テニス部の部室よ!」

歩美に連れて来られたのは運動場に一番でやすくなっている一階の教室だった。
しかし、そこにはもちろんテニス部員の生徒がいる。

「歩美、誰その子!」

誰かがそう言うとナナはあっという間に女子生徒に囲まれてしまった。

「あら、意外とイケメン」
「本当だ、歩美のカレシ?」
「違うわよ。ちょっと捜査を手伝ってくれる子!」
「捜査って……警察に任せればいいのに……」

歩美達の会話にナナは着いて行こうとも思わなかった。
しかし、ここまで来たのだからとりあえず内海トワコの事について聞いておこうと、意を決してある意味ミラーモンスターよりも恐ろしい女子生徒(モンスター)に話しかけた。

「あの、内海さんは誰かに恨みを売っていた事はなかったですか?」
「ううん、あの子とっても良い子だからそんな事は全然なかったわよ」
「まあ部活が違うし、他でどういうことしてたかわからないけど」
「内海さん、部活違うんですか?」

その言葉に周りの女子生徒は頷く。
聞いていなかったナナは少し歩美を睨むが、当の本人は全く反省していないようだ。

「内海さんは何部なんですか?」
「トワコは卓球部よ。部室は体育館にあるの」
「帰りが似たような時間だから、よく一緒に帰ってるわ」
「……歩美さん、その卓球部に話しを聞くことってできますか?」
「トワコが消えちゃって、卓球部は一時部活動停止なの。誰も来てないわ」

そこまで歩美が答えると一人の女子生徒が勢い良くドアをスライドさせる。

「せ、先生が来た!」
「まずい、読川くん隠れて!!」
「どこに!?」
「とりあえず、誰も使ってないロッカーの中に隠しましょ!」

ナナは部室らしく置いてあるロッカーの中に押し込められた。誰も使ってないようだが、少し狭い。
どうやら来たのはこの部活の顧問らしい。
顧問と思われる女子教師は何かの説明を終えそのまま部室を後にした。

「………………やっぱり、入っちゃダメなんじゃないですか……」
「し、仕方ないでしょう!」

歩美はナナを内海が消えた場所へと案内する。
ちょうど校舎からは死角になっていて、あの教室から見ることはできないようだ。

「それじゃ、私は部活があるから!」
「え?」
「何かわかったら教えてよね!」

スタコラと歩美はナナから遠ざかる。
そんな歩美を見てナナは眉にシワを寄せた。

キィーン…

ナナはハッと目を開き後ろを振り向く。
そこにはカーブミラーがあり、なんとそこからミラーモンスターが現れた。
ミラーモンスターはナナに襲い掛かる……!
ナナはモンスターからの攻撃をかわした。カーブミラーに入って行ったモンスターを追いかけようとナナは王蛇に変身するために、カードデッキを取り出す。

「……変身!」

カーブミラーにデッキを向け、王蛇に変身したナナはそのままミラーワールドへと入って行った。



──────────



キィィイン!!

王蛇はモンスターと戦闘をしていた。
歩美の話しで何と無くモンスターの仕業だと勘付いていた王蛇だったが、今ので全ての謎が解けた……。

「……行方不明事件は、お前の仕業か」

『Sword Vent』

【ベノサーベル 3000AP】を召喚した。
ベノサーベルを構えた王蛇はモンスターに攻撃を繰り出す。

「やぁぁぁあ!!」

しかし、意外にもこのモンスターは早くなかなか捉えることが出来ない。
王蛇はそのままモンスターに一撃を貰う。

「くっ!油断した……っ!」

王蛇はカードを取り出そうとデッキに手を伸ばした時、後ろで何かが弾ける音がした。
振り返るとそこには緑のライダー、ゾルダが銃を構えてモンスターを射撃していた。

「どうした、王蛇!お前が倒れるなんて、らしくないぞ!」
「ちょっとしか会ってないくせに、何言ってんだよ」

『Shoot Vent』

ゾルダは【ギガキャノン 3000AP】を召喚し、モンスターに向かって攻撃をする。
モンスターはギガキャノンのあまりの威力に吹き飛ばされる。そのまま逃げようとするモンスターだったが、後ろから忍び寄る影がモンスターを襲う。

『Final Vent』

王蛇は【ベノクラッシュ 6000AP】を発動しモンスターを撃退する。
モンスターとの静かに戦いが終わったが、二人はミラーワールドから出なかった。
それどころか二人は武器を構え、戦い始めた。



───…



「令子、頼むついて来てくれ」
「嫌です。油島さん一人で行って来てください」

「OREジャーナル」にて、油島と彼の後輩の桃井(ももい)令子(れいこ)は言い争いをしていた。

「……何かあったんですか?」

城戸はそんな先輩二人を見て「OREジャーナル」の社長兼編集長の大久保(おおくぼ)大介(だいすけ)に質問する。

「それがな。油島の奴、北岡秀一の取材に行くんだが……令子がいたほうが北岡秀一の機嫌がよくなるから、連れて行こうとしてるんだよ」

大久保は肩を叩きながらそう答える。
城戸は「へぇー」と頷きながら未だに言い争う二人を見た。

「私は今、この『連続行方不明事件』を担当してるんです!北岡さんの件は油島さんの担当でしょ?」
「俺、あの人苦手なんだよ。なんなら交代してくれ頼むから」

油島はめんどくさそうに頬をかく。
すると、『連続行方不明事件』の言葉に城戸が反応した。

「……あ、そういえば……塚原の妹の友達も行方不明になってるんだっけ?」
「塚原?」
「俺の高校時代の後輩です。最近また連絡取り始めて……あ、油島さんまだ読川家にいるんですか?」
「まだいるぞ。家に帰る気はさらさら無さそうだ」
「なら、これ渡しておいてください」

話しについて来れていない令子を置いて城戸は油島にノートを渡す。

「なんだコレ」
「読川に頼まれてて……「別の料理を作ってみたいからレシピを教えてくれ」って……」
「それで最近やたらとお前のことを聞いてきていたのか……」

ノートを受け取った油島はそのノートをカバンの中にしまう。

「ねぇ、その塚原って人の妹さんの学校ってどこ?」
「あー…あそこですよ、最近行方不明者が出た女子校。本人は相当なショック受けてるそうで、取材とかNGにしてるって後輩が言ってました」
「だから、その情報始めて聞いたのね……」
「あ、取材はしないであげてくださいよ。まだ立ち直ってないみたいなんで……」



───…



ナナはミラーワールドから帰ってきていた。
途中までゾルダと戦っていたのだが、ナナのほうがミラーワールドへ入っていた時間が長いため時間切れとなってしまったのだ。

「あの人、本気(マジ)なんだもんな…怖ぇよ……」

ブツクサと呟きながらナナは校舎からの死角の原因である大きな木のそばに腰を掛ける。

「ちょっと、そこのあなた!」
「?」

ナナは横からの声を聞き、そちらを見る。
そこにはスーツを着た女性が立っていた。






 
 

 
後書き
令子さんの口調がよくわからない。
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