転生とらぶる
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マクロスF
0722話
「ねえ、アクセル。あれって……マクロス、よね?」
VF-25Sのモニタに映し出されているその映像を見ながらシェリルが尋ねてくる。
確かにあの肩から巨砲が伸びているような人型は、どう考えてもマクロスだ。これがあるいはOGs世界だったりしたら、何気にああいうタイプの機体とかが特機で出て来てもおかしくは……いや、おかしいか。戦艦級が人型になるというのは、さすがにOGs世界でも俺の知ってる限りでは無い。
じゃなくて、今は混乱している場合じゃない。それ以前にあれがマクロスだという事を考えれば、恐らく第117次大規模調査船団の旗艦、か?
となると、間違い無くあの艦の中にはバジュラについての情報が残っている筈だ。それも、バジュラを専門に調べていた者達の情報が。
……ただまぁ、10年近く前のバジュラについての研究だと考えれば、バジュラに襲われてその死骸を研究し、更には俺達が入手したバジュラの巣をも手に入れた今のフロンティア船団の方が進んでいるかもしれないけどな。それでも専門家の情報というのは侮れないものがある以上は確認しておくべきだ。
「ねえ、アクセル。どうしたの? 何かあのマクロスについて知ってるの?」
「……ああ」
正確に言えば、ここでシェリルにあの第117次大規模調査船団についての話をするのはS.M.S的にはやってはいけない事だろう。少なくても褒められた行為じゃないのは確実だ。だが、既にシェリルはあのマクロスをその目で確認してしまっている。となると、ここで隠し通してもいずれ知られてしまうのは確定している。
そして何よりも、あの艦の中を調査すると言えば絶対にここで大人しく待っている筈も無いからな。
考えを纏め、小さく溜息を吐いてから口を開く。
「恐らくだが、第117次大規模調査船団の旗艦だな」
「第117次大規模調査船団?」
「ああ。20年近く前にこのガリア4でバジュラについて調査をしていた集団だ。だが、10年程前にバジュラに襲われて全滅した」
正確にはランカが生き残っているので全滅ではないんだが、さすがにランカのプライベートは……いや、待て。
そこまで考えた時、ふと脳裏にこれまでの戦闘が過ぎる。
執拗にアルトを狙っていたバジュラ。だが、そのアルトはランカと共にいなかったか? もしかして、俺はとんでもない勘違いをしていたんじゃないか? つまり、バジュラが狙っていたのはアルトではなくランカ?
突飛な考えだというのは分かっている。だが、バジュラと何の接点が無かったアルトが狙われているよりは、第117次大規模調査船団の生き残りでもあるランカがバジュラに狙われていると考えた方が自然じゃないか?
「え? ここでバジュラに!?」
「ああ。恐らくあのマクロスはその第117次大規模調査船団が使っていた旗艦だろうな。つまり……」
「あの中にはバジュラの情報があるって事!?」
思わずといった様子で叫んだシェリルに頷く。
……いや、コックピットの前と後ろに別れているんだから頷いても分からないと気が付き、口を開く。
「俺の予想が正しければ確実にな。……そして、その予想は正しいと判明した」
マクロスの外壁にSDFN-4グローバルの刻印があるのを、モニタが映し出す。
オズマから以前聞いた通りだ。となるとこれで確定、か。
「じゃあ、本当にこのマクロスにはバジュラの……」
「そうだ。で、こんな物を見つけた以上は当然中の様子を探る必要がある訳だが……シェリル、お前はここで」
「待ってると、思うの?」
「……だよな」
一応、と思って言ってみたんだが、どうやらやはり一緒に来る気らしい。
「まぁ、実際にバジュラの研究をしていたとは言っても10年近く放置されていた艦なんだ。危険は無いだろうし……じゃ、一緒に行くか?」
「ええ、行きましょ。もしかしたら、バジュラの秘密に……ギャラクシー船団がこのガリア4にいるという話にも関係してくるかも」
「さすがにそれは無いだろ」
機体を旋回させて機首をマクロスの方へと向けながら、シェリルの言葉に返す。
ギャラクシー船団がバジュラに襲撃されたのは3ヶ月近くも前の話だ。さすがにオゴダイ達がこの星に来る前からあったマクロスを見つけられないのはともかく、ギャラクシー船団の生き残りがガリア4に来ていれば察知出来ないという事は無い筈だ。
もっとも、だからこそこのガリア4にギャラクシー船団の生き残りが潜んでいるという希望を捨てきれないのかもしれないが。
「本当に自然に溶け込んでいるっていうか、朽ちてるっていうか……微妙なところね」
次第に近づいて来るマクロスを眺めながらシェリルが呟く。
この10年近くの間に埋没したのだろう。外壁には苔が無数に生えており、同時にガリア4に生えている植物の蔦が全体に絡みつくように伸びている。マクロスの周囲には延々とジャングルが広がっているのがあの惨状の原因だと思う。正直な話、このままだといずれ完全に自然に侵食されてマクロスが崩れ去るのも時間の問題だろう。
あの時、グレイスの口車に乗ってシェリルを連れてこなければ良かったんだろうけどな。俺1人なら、それこそ何があっても生き延びるのはそう難しく無いが……それこそマクロスの中を調べている時に崩落したりしたら、シェリルを庇うのは非常に難しい。
いや、ここまで来てしまった以上はもう何を言ってもしょうがない、か。
「よし、シェリル。マクロスの中に入るぞ。この有様だから、武器で破壊して中に突入するというのは避けたい」
「ええ、分かったわ。お願い、行ってちょうだい」
シェリルからの返事を聞き、そのままVFのカタパルトと思しき両肩から伸びている場所からマクロスの中へと入っていく。
この10年近くに間に、大分植物に侵食されているのだろう。マクロスの内部も至る所に蔦が絡まっており、床も歩きにくくなっている。俺達はVFで来たからまだいいものの、もし生身で来ていれば恐らく進むのにかなり手間取っただろう。
「ね、アクセル。あれって研究所か何かじゃない?」
マクロスの市街地の中、大通りと思しき場所をガウォークのままゆっくりと進んでいると、やがてドーム状の建築物が見えてくる。
確かにこうして見ると何らかの研究所にしか見えないな。
「さすがに中にまでVFでは進めないから、俺は降りていくが……お前はどうする?」
「何よ、聞くまでもないでしょ」
「……だよな」
EX-ギア程に高性能ではないといっても、シェリルの来ているパワードスーツもそれなりの性能を持っているのだから、そう言っても無理は無い。
一応ある程度の操縦が出来る以上、出来れば機体を守って貰いたかったのだけど。
まぁ、機体に関してはEX-ギア側からある程度の遠隔操作も出来るんだし、無理を言う必要は無いか。
「なら行くぞ。……ただし、俺の言う事にはきちんと従うようにな」
「分かってるわよ。素人のあたしがプロのアクセルの足を引っ張るような真似はしないから安心して」
「足を引っ張る云々を心配するのなら、ここにいてくれるのは一番いいんだが」
「それは嫌」
きっぱりと断るシェリルだった。
まぁ、半ば予想出来ていたんだけどな。
「しょうがない。じゃあ、俺から離れるなよ」
「分かったわ」
そう言い、VF-25Sのコックピットから念の為に備え付けられている銃を取り出してから降りて、研究所の中へと入っていく。
その研究所の中も、さすがに10年近くそのままだった影響もあるのだろう。埃を被り、苔の類が至る場所で繁殖し、あるいは蔦によって覆われている。
これが、もし普通の研究所のようにロックされていれば、埃はともかく蔦の類は繁殖しなかったのだろうが……恐らくこのマクロスがバジュラの攻撃を受けた時、研究者達はロックの事を考えているような余裕は無かったんだろう。
もっとも、もしロックされていれば俺達が研究所の中に入る時にレーザー機銃辺りで強引に破壊しなければならなかったのだから、文句を言う筋合いではないんだが。
「さて、まずはコンピュータからのデータを引き出してみるか。シェリルは周辺を警戒しててくれ」
「了解」
シェリルからの短い返事を聞き、EX-ギアからコネクトを伸ばして研究所のコンピュータと接続する。マクロスの規格としては特に変更もなかったらしく、普通に接続する事が出来た。出来たんだが……
「データが、一切残っていない?」
そう、コンピュータの中には一切のデータが残っていなかったのだ。それこそ、綺麗さっぱりと。ここまで来れば、バジュラの襲撃でどうこうといった訳では無く、明らかに意図的なものだろう。その証拠に、コンピュータのアクセス履歴はつい最近のものなのだから。
どうなっている? オゴダイは特に何も言ってなかったということは、奴ではない。いや、待てよ? ならオゴダイでないとすれば、残るのはテムジンか? あの反乱が計画的なものであったのだとしたら、裏で操っていた可能性が高いのがグレイス。推測に推測を重ねたような、ある種の思い込みとしか言えない予想ではあるが……もしそれが当たっているとすれば、このマクロスのデータを消したのはグレイスという事になるのか?
そんな風に考えていた、その時。
「ちょ、ちょっとアクセル。あれ!」
シェリルの、半ば悲鳴に近い声で我に返り、咄嗟に銃口をシェリルの指差している方へと向ける。
だが、そこに動く影は無い。その代わりとでも言うようにそこにあったのは、培養ポッドのような装置の中に入れられている異形の姿だった。
「バジュラ、か?」
その培養ポッドはかなり小さく、当然その中に入っているバジュラも、俺が幾度となく戦ってきた機動兵隊バジュラ、あるいは重兵隊バジュラとは比べものにならない程に小さい。戦艦であるナイト級バジュラに至っては言うに及ばずだ。
だが、バジュラが昆虫のような性格を持つ生体兵器である以上、当然生まれた時からあの大きさな訳はない。幼生体とでも表現すべき形態はある筈だ。そして、恐らくこれがそれなのだろう。
尚、バジュラの種別についてはガリア4に来る前にオズマから聞かされた種別だ。ハンマーヘッドシャークのような頭部をしているのが一番数が多い、機動兵隊バジュラで、赤くて重量子ビームを放つのが重兵隊バジュラ。バジュラ艦がナイト級と言うらしい。
「ここは予想通りにバジュラに関する研究をしていた研究所らしいな」
バジュラの幼生体の標本に驚き、思わず後ろに下がったシェリルを庇うように前に出ながらそう呟く。
取りあえず、この標本は入手しておきたい。だが、空間倉庫に入れるのをシェリルに見せる訳にもいかないしな。
「そうね、でもこの調査船団がバジュラを研究していたんだとしたら、それ程おかしな話でも……あら?」
不意に、不思議そうな声を口に出すシェリル。その視線の先には写真立てのようなものが……おい、これ。
思わずその写真立てへと視線を向ける。そこに映っているのは夫婦と思われる若い男女と、その子供。それはおかしな話では無い。ただ、決して見間違えてはならないのは……
「ランカちゃん?」
シェリルが、思わずといった様子でそう呟く。
そう。写真に写っているのは、随分と幼いが間違い無くランカだった。
幸いと言うべきか、不幸にもと言うべきか、今のランカは年齢に比べても酷く幼い。それ故に写真のランカと今のランカが繋がったと考えれば、ランカにとっては嬉しく無いんだろうが。
「え? なんでランカちゃんの写真がここに?」
混乱したように、写真と俺を見比べるシェリル。色々と収穫はあったが……この場をどうしたらいいんだろうな。
俺が何も言わないのに業を煮やしたのか、写真へとそっと手を伸ばすシェリルだが……その指先が写真立てへと触れた瞬間、中の写真諸共に写真立ては砕ける。
いや、写真だと思っていた物も砕けたところをみると、これは写真立てじゃなくて、いわゆるデータを映し出すフォトフレームのようなものだったのか。
「あ……」
自分が触れた事でフォトフレームが砕けたのに驚いたのか、シェリルが思わずといった風に声を出す。
だが、すぐに我に返った様に俺の方へと視線を向けて口を開く。
「ねえ、今の……ランカちゃん、だったわよね?」
「そうだな」
「何でって聞いてもいい?」
「……そうだな、ここまで巻き込まれた以上、シェリルにとっても他人事じゃないか」
呟き、第117次大規模調査船団唯一の生き残りがランカである事を説明する。もっとも、さすがにその後遺症とも呼ぶべき記憶障害についてはプライベートだろうから口にしなかったが。
「……そう。ランカちゃんがこの船の……」
「あの写真から見ても、恐らくここはランカに関係ある人物の研究室なんだろうな」
多分、父親か母親といったところだろう。
それを聞き、肩を落とすシェリル。
ランカの実の両親が映っていると思われるフォトフレームを壊してしまった事を気にしているのだろう。
「とにかく悩むのは後だ。どうしても気になるんなら、フロンティア船団に戻ってからランカに謝るといい。……いや、今のランカは昔の記憶を失っているんだったか。なら義兄のオズマ辺りに話してみるといいかもな」
「え、ええ。そうね。そうさせてもらうわ」
「よし、ならこの話は取りあえずここで終わりだ。今はまずバジュラ関係の情報収集を最優先にしよう」
「……そうね」
俺の言葉に頷き、2手に別れてバジュラについての情報が無いかどうかを探していると……
「アクセル! ちょっとこっちに来て!」
その声に、シェリルの声がした方へと向かうと、そこには地下へと続く穴が開けられ、研究所のケーブルがその先へと続いていたのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:735
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:656
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