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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―

作者:夕影
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第六十話

 
前書き



今回かなりぐだぐだかつ、展開変かもしれません…;;


それでもよければ見てやってください;;

 

 






「──話は聞かせてもらった。どうやら、余が意識がなかった間にそなた等には迷惑をかけたようだな。…すまなかった」


──あれから数日して、僕達が救出したウンディーネと暁の従者の二人は無事目を覚ましたという事を聞いた。
そして今、ホールにて僕達にそう言って頭を下げるのは水色に近い色をした髪をポニーテールにした剣士姿の女性…僕達が闘ったウンディーネであった。



「いえ…僕達は出来ることをしたまでですから…だからわざわざ頭を下げないでください」


「ふむ…そうか。すまかったな…あのジルディアのキバなるもの…警戒はしていたのだが、あれが現れたと同時に余の意識も無くなってしまってな…どうも、その時にあのジルディアに取り込まれてしまったようだ」


僕の言葉にウンディーネは頭を上げると、溜め息を一つ吐いて申し訳なさそうにそう言った。


「『現れたと同時に』かぁ…ジルディアの浸食も大分進んできてるみたいだね…」


「…うん。…それでウンディーネ…僕達はアナタをアナタの意思とはいえ関係無く此処に連れては来てしまったんだけど…アナタはこれからどうするんですか…?」


ウンディーネの話を聞き、大精霊すら簡単に浸食出来るようになったジルディアの力に僕の隣に立つカノンノが少し不安そうに言葉を出し、僕はそれに小さく頷いた後改めてウンディーネにそう聞いてみた。
僕の問いにウンディーネは「ふむ…」と呟き考える仕草を見せ、少しして今このホールにいるアンジュ、ヴォルト、メリア、カノンノ…そして僕を順番に見ると小さくコクリと頷いて口を開いた。


「…決めたぞ。そなた等が良ければ、余もこの船に居座らせてもらいたい」


「あら…此方としたら嬉しい限りだけれど…構わないの?」


「うむ。あの厄介なるキバがある以上、元の場所には戻れんし…かと言って他に宛がある訳でもない。そなた等には恩があるし…此方を余が手伝うには当然であろう?それに……」


ウンディーネの出した言葉にアンジュがそう確認するように問うと、ウンディーネはコクリと頷いてそう言っていくと不意に僕の方に向けて真っ直ぐと指を指し、言葉を続けた。



「余は…そなたとの再戦を所望する」


「…へ?…僕っ!?」


ウンディーネの出した一言に、指名された僕は一瞬理解できず、そして理解したと同時に思わず声を上げてしまった。
周りを見るとアンジュ達もウンディーネが僕を指名した事にそれぞれ少し驚いたような表情を見せていた。
そんな僕達にウンディーネは僕を指差したまま頷く、指した指を下げて腕を組み口を開いた。


「うむ。聞けば…余が正気ではなかった時、余はそなたを斬り伏せたと聞いた」


「う、うん…確かに僕はあの時、ウンディーネに斬られて負けちゃったけど…」


「余はそういうのは好かん。相手を負かしたとしても…それが自身の力では無いなら『勝った』という訳にはならん。ので…余とそなたが『全快』で闘えるようになった時には…余はそなたとの再戦の所望する」


腕を組んだまま僕を真っ直ぐと見て淡々とそう言っていくウンディーネに、僕は思わずなんとも言えない表情になってしまった。
うーん…まぁ…そういう事なら僕も喜んで再戦を受けるけど…。


「ふむ…いかんかな?」
 

「ぁ、いや…僕なんかでよければ喜んでだよ」


「うむ、そう言ってもらえてなによりだ。…よし、気に入った。そなた…衛司だったな。もしそなたとの再戦でそなたが勝った時は…余はそなたと契約を結ぶと約束しよう」


「えっ!?」

「…な、何を言っているのです、ウンディーネっ!?」


僕の返答を待つウンディーネに僕は小さく頷いて応えると、ウンディーネはクスリと笑った後小さく頷いてそう言ってきた。
ウンディーネのその言葉に僕達は再び驚いてしまうが…何故かヴォルトが一番驚いた様子で声を上げた。


「ふむ?何か問題でもあるか、ヴォルト」


「問題大有りですっ!あなたも主の『状態』が見えているのでしょう!主の体では今、私一人との契約が限界なのです…アナタが入る所などありませんっ!」


「うむ、知っておる。だから余はその衛司の『状態』が『全快』の時に、再戦を所望すると言っているのだ。その時ならば、余のスペースもあるであろう…?」


「っ…そ、それは…」


小さく首を傾げるウンディーネにヴォルトが珍しく声を上げて抗議をする。そんなヴォルトにウンディーネはコクリと頷きそう淡々と言っていき、ヴォルトはそれに口ごもった。
というか…ウンディーネの言った『全快』ってそういう事だったのか…。


「そもそも…何故余が衛司と契約を結ぶ事にそこまで抗議する?気に入った者と契約するのは、精霊として当然であろう…何か悪いか?」


「そ、それは……あ、主は…主は…っ」


彼女にしては珍しいまでの否定的な様子に僕はヴォルトを見ていると、ウンディーネもその事が気になったらしくそう問いただした。ヴォルトはその言葉に口ごもりながら僕の方を見る。
そのヴォルトの様子に僕や今この場にいる皆がヴォルトを見て、ヴォルトはその事に少し俯くと少しして直ぐに真っ直ぐと顔を上げて口を開いた。



「あ、主は…主は私の…私だけの主なのです…っ!他人に譲る気などありませんっ!…主っ!」


「へ…ヴォルとぉっ!?」


「あっ!?」


「…む…っ!」


「あらあら…」


「ほぅ…」


真っ直ぐとウンディーネを見てそう言った直後、ヴォルトが僕を呼び見ると…突然ヴォルトが僕に向かって跳び…その…口付けをされた。
突然のソレに僕は対応できず口付けをされ…見える限りカノンノとメリアの表情が変わり、アンジュは何か微笑ましいものを見るような表情を、ウンディーネは珍しいものを見るような表情で僕達の事を見ていた。
えっ…あれ…本当にどういう事っ!?

混乱したままでいると少ししてヴォルトは僕から唇を離しジッと僕を見ると静かに口を開いた。


「んっ…主…突然申し訳ありません…ですが…これが私の…主への気持ちです」


「ヴォ…ヴォルト…」


「主…主は…私だけの大切な主なのです…っ!他の契約など…私は認めませんから…っ!」


真っ直ぐを僕を見たままヴォルトはそう言い、一度ウンディーネを睨むとそのまま僕の中へと消えていった。本当に突然だったその一部始終に周りは静まり…僕は自然と先程の感触が残っている自分の唇へと触れた。
へ…僕…いつ間にヴォルトにそんな風に想われてたんだろう…。


「…フフ…ハハハっ!いやいや面白いものが見れた。余はますます気に入ったぞ、衛司よ。フフ…これは余も負けてはおられんな。衛司よ…再戦の時、楽しみに待っておるぞ。それでは…アンジュよ、船の中を案内してもらえぬか?」


「あら、そうね…それじゃ、此処は残りの三人で『ゆっくり』と話し合ってもらいましょうか」


ウンディーネとアンジュがそう言い、ホールから出て行くと同時に…僕は思い出すように…思い出してしまったようにカノンノとメリアの二人を見た。



「ふふーん…衛司…ちょっと『お話し』しよっか♪」


「…えー…いー…じー…♪」


清々しいまでに…笑顔の二人がそこにいた。
うん…死んだな、これ。


「えっと…お二人とも…これは僕にも上手く理解出来ていなくてですね…」


「うん、衛司の言いたい事は分かるから…とりあえずちょっとそこ座ろうか♪」


「…衛司…大丈夫…痛くはない…♪」


「……はい…」


──この後、僕は小一時間彼女達と話し合う事になった。
…人間、笑顔がいちばん恐いんだね。



───────────────────




──小一時間後…僕はようやく彼女二人からの笑顔の『お話し』から解放された。
笑顔って安心する以外に恐怖も感じるものなんだ、と改めて知った小一時間であった。
『お話し』して分かった事だけど…カノンノとメリアの二人はヴォルトの気持ちの事は薄々わかっていたらしい。改めて…言われたり、行動されたりしてようやく気付く僕は本当に…鈍感なんだなー、と認識した。

結局…彼女達の『お話し』の結果、カノンノとメリアは皆ちゃんと平等に想うことに、ヴォルトは暇なときに愛でてくれればいい、という事に決定した。
うん…皆がそれで納得してくれるなら僕はいいんだけど…もしこれにゆくゆくはあのウンディーネが混ざってしまうと考えると…なんだか不安になってきた。


さて…一応先程までの事をまとめて見たけど…今、僕はというと…。



「「──本当に…申し訳なかった」」


…僕達が助けた暁の従者の二人に頭を下げられていた。うん…今日はよく他人に頭を下げられるなー…。
聞いた話だが…この二人があのシフノ湧泉洞で倒れていたのは、どうやらこのアドリビトムに接触したかったらしく、アドリビトムと連絡を取っている村に向かう途中、シフノ湧泉洞でのキバの出現に巻き込まれてしまったかららしい。
そして、この二人がアドリビトムに接触したかった訳は…今僕達が探しているウズマキフスベのドクメント…それが残っているかもしれない切り株を僕達に届ける為だったとか。

「お、お二人とも…とりあえず頭を上げてください」


「いえ…これは私達が君にあったらまずするべき事だと決めていた事なんです」


「…我々は君が言っていた通り…最低な人間であった。自らで何かしようとも考えず…結局生まれたばかりであったラザリスに…我々は頼り、力を自分の良いように扱ってしまっていた」


僕の言葉に頭を下げたままそう言っていく暁の従者の二人。しばらくして二人は顔を上げると真っ直ぐと僕を見た。


「あの時はまだ混乱していたが…あの君の言葉で…我々も生き方を変えようと決めました。もう…誰かや何かに頼るのではなく、自分達で世界を守ろう、と」


「なにより…私達が一番恨んでいたウリズン帝国が変わり…まさか我々にも謝罪をしてきたのです。それで私達が変わらなければ…私達は本当に、ただの最低な人間ですから」


「…そうですか。…うん…やっぱり…人は変われるんですね」


真っ直ぐと僕を見たままそう言葉を出す二人。その表情は以前見たものとは全く違い…本当に変わったんだと認識できた。
そんな二人の姿を見て自然と僕がそう言葉を出すと…二人は頷いて僕に右手を差し出してきた。


「これは一つお願いなのですが…我々と握手をしてもらっても構わないでしょうか?」


「え…?」


「これも以前から決めていた事なんです。我々が変われるようになったきっかけはアドリビトムの皆さんや君の言葉なのです。だから…我々の出来る、一つの感謝の証です」


「…はい…っ!」


僕を見たまま慣れていないのか少し照れ臭そうにそう言って笑ってみせる暁の従者の二人。その二人の言葉と姿に僕も笑って頷くと伸ばされたその手を握った。


──人は変われる。なにがあろうと、変えていくことは必ず出来る。
その事を…僕は二人の手を握りながら改めて思った。





 
 

 
後書き




──以上、第六十話、如何だったでしょうか?


うん、こんな内容でゴメン←


【ウンディーネ】
色々考えた結果、ウンディーネの性格や口調はこんな感じになりました。
清々しい程にバトルマニアですね、本当にありがとうございます←

因みにウンディーネさんの容姿は某リリカルな魔法少女のバトルマニア騎士さんの水色バージョンと考えてもらえればいいかと←


【ヴォルト】
気付いたらなんか指が動いてた←
当初はただの主従関係と考えてたんですが…なにがどうしてこうなったし←


とりあえず衛司、爆発な☆←←



【暁の従者二人】
特に書くこと無し←


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