DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第7章:過去から未来への歴史
第17話:田舎に泊まろう
(気球)
シンSIDE
「ライアンどうするのかな?」
「さぁ……リュカさんの口車に乗せられて、王宮を飛び出すんじゃないッスか? アンタの言い方は妙に説得力があるから」
やはりリュカさんは面白半分でライアンさんを焚き付けたらしい。
バドランドでライアンさん等と別れてからシンシアと話したのだが、間違いなく彼はリュカさんに騙されてる。可哀想に……
「リュカさん……何でライアンさんを嗾けたんですか? 宮仕えだって良いじゃないですか……平穏を満喫してもらいましょうよ」
「シン君は何も解ってないな。王宮に居たってライアンさんに平穏は訪れない……」
リュカさんに文句を言ったのだが、ウルフさんが彼を庇う様に意見を言ってきた。
「それはリュカさんが言ってた、王族や貴族が平民から行き過ぎた搾取するからですか!?」
「違うね。彼は伝説の勇者と共に世界を平和にしちゃったんだ。これはプライドの高い貴族には耐えられない事なんだよ。自分より能力がある者が側に居るなんて事は……」
「解るかシン・シンシア。自分より目下……いや、そう思いたい存在が自分より上だと知ったらプライドの高い者がどうするか?」
「ど、どうするんですか……」
「簡単だよシン君。力で勝てないから精神的に追い込もうとするんだ。俺がそうだったよ……異世界からリュカさんに連れてこられ、重用されたからね。貴族が挙って嫌がらせをしてきたよ。リュカさんが助けてくれなければ自殺してたかもしれない」
そ、そんなに酷いのか!?
これも出任せじゃないのか? でもウルフさんが言ってる事だし……
本当にリュカさんはライアンさんの為にアドバイスをしたのだろうか?
「あぁ、でも安心してくれシン君。リュカさんは面白半分でライアンさんを嗾けたから! 真面目な人間をおちょくるのが大好きな人だからリュカさんは!」
……やっぱり最悪だな、この男。
シンSIDE END
(コーミズ村)
デスピーSIDE
「静かですねぇデスピサロさん」
「ああ、五月蠅い連中が全員籠もったからな」
マーニャ・ミネアの実家がある田舎町コーミズの土手で、夕日を眺めながらシンと他愛ない会話を楽しむ。
ライアンを可哀想な立場に追いやった後、我々は双子を送り届ける為この村まで来たのだが、今日はこの村で宿泊する事が決定した様だ。
と言うのも、村に着くなりミネアが発情しリュカを実家へ誘い出した。
『もう今日で最後なんですから、思い残す事がないくらい……ね♥』
『いや、でも……こんな村で頑張っちゃったら、五月蠅くて周りの人に迷惑かかっちゃうよ』
『それなら大丈夫。実家にはお父さんの残してくれた地下研究所があるから、大声を気にする必要ありません』
『じゃぁ……最後に頑張っちゃうかな!』
これがミネアとリュカの馬鹿会話だ。
だが、それだけで終わらないのが馬鹿共の集い……
参加しようとする馬鹿も居るから、騒動が広がる。
『ちょっと私も混ぜなさいよ! 姉を蔑ろにするなんて、とんでもない妹ね!』
と妹と張り合う姉が騒げば、
『だったら私も参加させろ! 私だってこの時代に残る者の一人なんだから、条件はお前等と同じだぞ!』
と真面目だったラピスが、色惚けた事を叫び出す。
『お前等調子乗るな! リュカは私の旦那なのよ……私が参加する事が大前提なのよ!』
いや違うだろ! この馬鹿げた騒ぎを終息させろよ……とツッコむのもアホらしく思えるビアンカの参加表明。
そしてワイワイガヤガヤと一軒の民家に姿を消して行く。
頭痛のする頭を押さえながら残された者達に視線を向けると……
『じゃぁ俺達はハバリアの宿屋で楽しむか』
『そうね……この村の宿屋よりかは防音性に安心できるでしょうからね』
『やぁねリューノさんてば……そんなに大きな声を出すつもりなの? ちょっと下品すぎますわよ』
『あ~らマリーさん、それは勘違いですわよ。大声を出すのはウルフ様……私達のテクで悶絶するウルフ様の事ですわよ! お~ほっほっほっほっ』
『それは失礼しましたわ。私達姫君が、大声を出すなんて有り得ませんものねぇ。お~っほっほっほっほっ!』
『十分大声出してんだろ……』
とウルフは言い残し、俺の前からルーラで飛んで行ってしまった。
勿論、彼女を二人連れ立って。
『わ、私達は……この村の宿屋で……問題ないよな? べ、別に……そう言う……事とか……ないし……なぁ、アロー?』
『え? ま、まぁ……そうだねリューラ……オイラ達は……まだ……だもんね』
『ま、まだって……やっぱりアローも……したい……の?』
『え!? い、いや……その……そりゃ……でも違うから! だってオイラ達はまだ子供だし……その……ねぇ?』
『やだ……アローの……えっち』
『ち、違うって……そんなんじゃ……なくて……ごめん』
そんな青酸っぱくイライラする会話をしながら、アローとリューラはお手々繋いで宿屋へと消えていった。
色惚け共を見ても苛つくが、青臭いガキを見ても苛つくのは何故だろう?
デスピーSIDE END
(コーミズ村)
アローSIDE
リュカさんは怖い。
何が怖いって、色々だ……
昨晩はコーミズ村の宿屋に宿泊したのだが、個室があるわけじゃないので大部屋で雑魚寝状態だった。
リュカさん関連とアニキ関連は各々別の場所で寝る(多分寝てない)事になり、この宿屋にはオイラ・リューラ・デスピー・ロザリー・シン・シンシアの6名で宿泊。
皆、疲れていたのか……横になって直ぐに寝息が聞こえてきた。
戦闘はしてないけど共に戦った仲間との別れで、それなりに気を遣ったのだろうか?
まぁ他の奴等はどうでも良いんだけどね。
問題なのはオイラの横で静かに寝息を立ててるリューラの事なのだ。
何が問題かって……可愛すぎますよ!
起きてる時も可愛いし、笑ってる時など最高に可愛いが、寝顔も可愛すぎてオイラの心は興奮状態!
人間になってまだ日が浅く、よく解らない衝動が身体を駆ける時がある。
特に寝る前……ベッドに入りリューラの事を思いだしてる時などに訪れる。
そうするとなかなか寝付けなくなり、翌日の旅に支障があると思い、以前アニキに相談した事があるんだ。
そうしたら『あぁ……それは性欲だ。リューラとエロ事をしたくて、お前の“エノキ”が“シメジ”まで膨らんで、欲求を満たさないと落ち着かなくなるんだ』と教えてくれた。
確かに、リューラの可愛い寝顔を見てたらオイラの○○○が膨らみ、どうにも落ち着かなくなっている。
勿論アニキからは対処法を教わっており、何時もの様に個室で宿泊していれば対応する事も出来るのだが……現状では不可能に近い。
だって、その対処法が……
『オナ○ーしろ! 本当は目的の女とセッ○スするのが一番なのだが、お前等、そこまでの関係になってないんだろ? だとすると一方的に性欲解消を強請れば、リューラの性格からして激怒するだろう。だからお前は人知れずオナれ! 人に見られると恥ずかしい事だから、誰も居ない場所で励めよ』
と言うわけで……
オイラは夜中の宿屋を抜け出して、人気のなさそうな場所を探す。
幸か不幸かこの村は田舎なので、村民は早々に就寝……民家も疎らで誰にも見られない茂みが多数あった。
狐の時にはこんな衝動は訪れなかった。
交尾は子作りの為であり、発情期という名のサイクルが巡ってきて事をなすのだ。
だが人間は常時発情しており、その切っ掛けがあると発散せねば苦しくなる。
何時もリューラの事を考えながら励んでおり、時折だが彼女の名を口走る事もある。
アニキも言ってたが、確かに恥ずかしい……
誰にも見られたくないのは事実である。特にリューラには……
しかしオイラは浅はかだった……
「あ、ごめんアロー……急に宿屋から居なくなるから、心配になって……ごめん……」
「リュ、リューラ!?」
宿屋を静かに抜け出したつもりだったのだが、歴戦の戦士であるリューラには簡単に察知され、オイラは後を付けられたみたいだ……
そしてまさに励んでる最中に……しかも彼女の名を呟いたタイミングで、こんな恥ずかしい姿を目撃されてしまった!
「あ……ち、違うんだ。違うんだリューラ……その……これは……」
「い、良いの……大丈夫だよアロー。解ってるから……アローだって男の子だもんね……私だって解ってるから……」
下半身丸出しで○○○を握り締めてるオイラを見て、優しく微笑むリューラは理解してる事を懸命に伝えてくる。つーか、いっそ激怒された方が気分的に助かった。
もう何の言い訳も出来ない……股間以外が全て収縮していく……
だが……流石はリュカさんの血を引いてる娘なのか、情けない姿のオイラに近付き目線の高さを合わせると、突然顔を近づけ唇を合わせてきた!?
何だか解らない……何だか解らないけど、その柔らかい感触にオイラは我を忘れて沈み込む。
そして、そのままオイラ達は……
「あれ、お前……リューラとシたの?」
「な、な、な、何のことでしゅか!!!!!」
翌朝、合流したリュカさんに挨拶した途端浴びせられた一言に、動揺を隠しきれず他の人達にまで知られてしまう。
「ば、ばかアロー! そ、そんなに慌てないでよ……は、恥ずかしい……よ……」
「ち、違うよリューラ! オイラには何のことだか……」
「あぁ悪りぃ悪りぃ(笑)」
リュカさんは怖い。
何が怖いって、何時もと同じようにしてるのに、簡単にバレてしまう察知の良さ。
笑いながら謝ってるが、事の重大さを意識してるのだろうか?
それとも、娘に手を出しちゃった野郎への報復行為なのだろうか?
だが、どんな事はもうどうでも良い。
何故ならオイラは……リュカ家の一員に入ったのだから。
アローSIDE END
後書き
リューラとアローの○○○シーンが想像できない。
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