美しき異形達
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第十九話 友人と仲間その五
「絶対に」
「うん、それは間違いないよ」
「あんなのを造る技術と設備がないと」
「相当な規模の相手だね」
「そうですよね、それでお金も」
そうしたものを用意出来かつ維持出来るだけの費用もだ。
「必要ですね」
「何事もお金がないとね」
智和も向日葵の言葉に答えた。
「出来ないよ」
「現実として、ですね」
「そう、それも相当なね」
「そんなお金あるってなると」
それこそとだ、向日葵は腕を組んで考えて述べた。
「国家単位ですか」
「それも大国だね」
技術と設備、その二つを支える予算。その三つを全て用意出来る規模となると国家でも、だというのである。
「相当な」
「そうですね」
「そう、あんな怪人を何人もだからね」
「相当な大国ですね」
「そうなると」
今地球にある国家でもだった、それこそ。
「アメリカとか中国とか」
「日本もですか?」
「まあ我が国もね」
日本もだというのだった。
「入るかな」
「そうですよね」
「あとはロシアとか」
「限られた国々だけですね」
「うん、ただね」
国家を話に出した、しかしここでだった。
智和は深く考える顔になってだ、一同に言った。
「国家がしていることにしては」
「アメリカや中国が?」
「日本が?」
「もっと広範囲にかつさらに極秘に研究や実験をするよね」
「そうですね、私達にぶつけてばかりで」
「そんなことはしませんね」
「彼等が何故君達を執拗に狙うのか」
六人を見て言う、だが話には姉妹も入れている。
「国家が行うにしてはおかしいよね」
「連中が何故私達だけを狙うのか」
菊が考える顔で述べた。
「そこも大きな謎ですね」
「君達が国家機密で漏洩させてはいけなくて」
智和はここでこうも考えて言った。
「隠蔽させる為に消そうとしている」
「それで怪人を差し向けているんでしょうか」
菊は首を右に傾げさせてこうも言った。
「そうした理由で」
「そうも考えたけれどそれも」
「怪人を差し向ける理由がないですよね」
「毒なり何なりを使えるからね」
智和は暗殺という選択肢を出した。
「国家単位の組織なら殺し屋を雇う位は何でもないよ」
「ですよね」
忍の家の娘だからだ、菊もこのことはすぐにわかった。
「そっちの方がずっと簡単ですよ」
「そう、怪人を送るよりもね」
「私達が幾ら力を持っていても」
「人間だよ」
人間なら、というのだ。
「殺し方は幾らでもあるよ」
「毒なり、ですね」
「君達に毒への耐性があるかどうかわからないにしても」
「毒なら、ですね」
「あれだけの怪人を作られて出せるだけの予算があるのなら」
それならばだとだ、智和は考えながら述べた。
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