改正版 後悔先に立たず、後に立つべし
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38話
私達はダイテツ艦長の姿を求めて、まず、ブリッジ向かいましたが既に姿は無く、艦長室にいると聞いたので艦長室に向かいました。
艦長室に着くとイルム中尉が前に出て、スピーカーにて声を掛けます。
「ダイテツ艦長、お休みのところすいません。イルムガルト・カザハラが話があって来ました。よろしいでしょうか。」
『構わん。入れ。』
ダイテツ艦長からの許可をもらうとドアが開いて中に入ります。
「失礼しま、なんで親父が居るんだ!?」
「何だ、バカ息子居っちゃ悪いのか。」
「オレはなんでここにいるのかを聞いているだけだ!」
「全くそんな事もわからんのか。だから、お前はバカ息子なんだ。」
「なんだと!クソ親父!」
中に入るとカザハラ所長が中におり、直ぐにイルム中尉との口論になります。
ですが、こんな事に時間を掛けるわけにはいかないので直ぐに2人の口論を止めます。
「2人ともやめてください!親子の語らいは後にしてください!」
「どこを見れば親子の語らいになるんだ!」
「すいませんが、どう見ても親子の語らいにしか見えないんですよ。素直になれない親子の会話にしかね。」
「どこをどう見れば、そうなるんだ!」
「全くだ。」
変な所で息がぴったりな2人にタメ息をしたい気分を抑えつつ、本題に入る事にします。
「イルム中尉、ここに来た理由は父親と口論する為ですか。」
「確かに違うわな。」
「それに、この場にカザハラ所長が居る事については大体予想が付きます。」
「理由はなんなんだ。」
私は一呼吸おいて話し出します。
「カザハラ所長は私達の事をよく知っているという事ですよ。そして、ビアン博士についてもですよ。」
「なるほどね。そういう事か。」
「口に出す事も嫌ですが、私はあのビアン博士にロックオンされてしまいました。アイドネウス島での戦いでも私がビアン博士と戦う事になるでしょう。もっとも、相手もわかっているのでしょう。ウプウアウトの全てのバリアシステムを突破する事が可能なのはヴァルシオンとグランゾンだけだと。(グランゾンの方はマサキが相手してくれるでしょうが。)」
「フッ、あの機体は臆病なまでの防御システムに守られている。」
ライがそんな事を話してきますが、私自身が臆病者である事を自覚しているので気にしませんでしたがアーニャが少し表情に怒りが見えます。
「臆病者程長生きするものですよ。防御を軽んじて死にたくはありませんから。実際にクロスマッシャーの拡散したエネルギーで中破に追い込まれてしまいました。バリアシステムがなければ、死んでいたでしょう。」
「正論だな。」
「話を戻しますが、もしも、アイドネウス島でエルザムとも戦う事になると抑える人間が居なくなります。そのために、黒いガーリオンとエルザムの総合値を考えて、カザハラ所長には対抗できるであろう機体に覚えがあったんですよ。」
「あるのか!」
「あるにはありますが、問題もあります。」
「どんな問題だ?」
その質問に対して、カザハラ所長を見てしまいます。
カザハラ所長は私の視線を受けて、サッと顔を反らしましたが、その態度に私以外の人の視線が集中します。
「どうしたのだ。カザハラ所長?」
「いや、まあ、何でもない。」
「簡単ですよ。その問題にカザハラ所長も関わっているのですから。」
「は~~、親父がか!?」
「ええ、記憶にありませんか?三輪車か、自転車にロケットエンジンか何かを搭載した物を誕生日プレゼントにもらった事を。」
イルム中尉はもの凄く嫌そうな顔をして、私に訴えて来ます。
「嫌な事を思い出させるな!」
「それと同じような事をしたのですよ。私の予備機にする事を聞いた4人が中に乗っている人間の事を考えずに改造したのですから。ねぇ、セシルさん。」
今まで知らない顔をしていたセシルさんに話を振ります。
「わ、私は最初止めました!」
「最後の方はノリノリで改造してたとロイドから聞きましたが。」
「そ、それは・・・・・。」
「というわけです。」
「つまり、そのPTは・・・。」
「そうですよ。PT版、ロケットエンジン付きの自転車です。」
「ラ、ライ、悪い事は言わねぇ。ゲシュペンストの方を借りよう。」
「リュウセイ、悪いが黙ってくれ。それで、性能は?」
リュウセイの言葉を無視して、ライが性能を聞いて来ました。
「ジェイルとロイド、セシルさんが改造しているところにこれからの事で私達の本拠地に来ていたカザハラ所長が、ノリと勢いで予算とパイロットの事を無視して改造してくれたので性能は空戦に限定したらの話ですが、私のウプウアウトを超えますよ。その分、私やリュウセイなどの念動力者を除けば扱いずらい機体になっていますよ。それにパイロットの事を考えていませんから負担は大きいですよ。」
その事を話すとカザハラ所長が反論します。
「リミッターを外さなければ問題ないぞ。」
「そのリミッターですが、ジェイルが関わっているだけで信用できなくなるのは私だけではないはずですよ。外からのコマンドで解除されるとか。」
「あ~、それはありそうだな。実際にあの短期間でビルトラプターにあれだけの細工が出来たんだからな。」
「ジェイルさんの行動には困ったものです。」
そうセシルさんが言うとジェイルの事を知っている4人はタメ息をついてしまいます。
その後に、ライに話し掛けます。
「リュウセイを除けば、あの機体に乗るのはあなたになるのでしょうからどうしますか。」
「いいだろう。乗らせてもらう。」
「ラ、ライ!」
「リュウセイ!オレはあいつに負けるわけにはいかないんだ!」
その言葉を聞いた後にダイテツ艦長に視線を戻します。
「それならば、交渉しましょうか、ダイテツ艦長。」
「大体の事は聞いている。そちらの要求はなんだ。」
「そうですねぇ。オノデラ大尉からこちらの情報を聞いているでしょう。それらの情報を上に報告しないというのはどうでしょうか。」
「フム、カザハラ所長と事前に話をしていたが、やはり、こちらとして一番困るモノを要求してきたか。」
「当然でしょう。こちらとしては表舞台に立ちたくはないのですから。」
「確かにそうなのだろうが、いくら隠しても情報は洩れるものだ。」
「今の政府には漏らしたくないだけですよ。」
私の今の言葉にカザハラ所長以外は驚愕の表情でこちらを見てきます。
そして、ダイテツ艦長が代表して聞いて来ます。
「まさか、君達は彼らを排除するつもりかね?」
「それこそまさかですよ。(DC残党とエアロゲイターによって、今、世界を動かしているEOT議会の人間は死亡するはずですから。)」
「本当なんだな?」
「ええ、もちろんですよ。(まぁ、原作通りに行かなくても向かう先はエアロゲイターなので始末されるでしょうから。ただ、その場合シロガネが敵にまわるのが心配ですが、それだけでしょうし心配ありませんね。)」
「わかった。信じよう。だが、どういう意味で言ったのか教えて欲しいのだが。」
「あいにくと話すことは出来ませんよ。あなたは信用できても組織の一員ですからね。おいおいと私達の秘密は話せません。」
「まぁ、仕方があるまい。それで、先ほどの話に戻るのだが私も組織の一員だ。あのような重大な事を報告しないわけにはいかん。」
「それは当然でしょうね。あなたに対するリスクが高すぎますから。」
「だが、こちらの条件を飲んでもらえば、ワシが泥をかぶろう。」
「条件によりますね。」
「そう難しい事ではない。これからも、この世界の為に力を貸してほしい。」
その言葉を聞いた瞬間、私は嫌なニュアンスで受け取ってしまいそうになりました。
すなわち、これからも別世界の人間ではあるが力を貸してほしいと。
実際にここには、私達が別世界の人間である事を知っているカザハラ所長がいるので、ばれている可能性もあるので邪推してしまうのですが、今さらですので考えるのはやめました。
私かノルンがいなければ、次元間の移動はする事は出来ませんし、漏らしてしまった以上秘密は広がっていってしまうモノですから。
これからは、注意していつでもこの世界から離れることが出来る様にしないといけないようです。
「それは、私なりの方法でもよいのならいいでしょう。」
「それで構わんよ。」
「それで交渉成立という事で。(インスペクター事件にもかかわる必要が出てきましたね。その事を考えるとか、ブライアン・ミッドクリッドかウィザードと呼ばれているグライエン・グラスマンどちらかにつく必要がありますか。もともと、マオ・インダストリー社のある月をインスペクターに占領させるわけにはいかなくなりましたから今さらなんですが。)」
心の中で2人の事を考えます。
ブライアン・ミッドクリッド、このDC戦争とL5戦役が終われば、地球連邦の大統領となる男であり、かつてコロニーの独立自治権獲得運動を指導し、非暴力でコロニー独立を勝ち取った有能な政治家。かなりの切れ者なのですが、インスペクター相手にも交渉にて解決しようとしていました。
確かに、武力のみで解決する事は出来ないとは思うのですが、作中のインスペクター達はメキボス以外はこちらの事を下等な存在と見下しているので、インスペクター事件の時点で交渉する事はどうしても不可能に感じてしまいます。
もっとも、これは原作知識を基にしており、この世界でも適応されるとは言えず、ブライアン・ミッドクリッドはその事を知らないのですが。
もう1人はグライエン・グラスマン、優れた根回しの手腕と冷厳な風貌からウィザードとあだ名されるタカ派の政治家でブライアンのイージス計画に対し、「地球に必要なのはイージスの盾ではなくハルパーの鎌」と唱え、異星人との徹底抗戦を訴えて、後に軍のタカ派を操ってクーデターを起こし、地球連邦の大統領に就任した人物です。
彼自身、地球を愛しており、守りたかったのでしょうが武力のみでは解決できない事は確かです。
2人を足して、割ると丁度いいように感じます。
どちらにしろ、2人のどちらかと交渉して月にAIを積んだ量産型ゲシュペンストMk-Ⅱと量産型アシュセイバー部隊を展開する必要があります。
理由は月のマオ・インダストリー社が占領された為にイスルギ重工が独り勝ちをする事を防ぐためなのです。
私はマオ・インダストリー社に力を貸している為にそのような事態は防ぐ必要があるためです。
しかし、この世界に来てから交渉ばかりしているように思います。
しかも、交渉する相手が大物になっていくのはなぜでしょうか。
これから交渉する人物に憂鬱な思いを抱えながら、遠い未来も事よりも目先の明日のことを考えないといけません。
まずは、リュウセイとライにコクチョウに来てもらい、リュウセイには飛行データをライには私の予備機であるPTを渡す必要がありますね。
「それでは、リュウセイとライにコクチョウまで来ていただく事になります。」
「ライはわかるのだが、リュウセイはなぜなのだ。」
「今度の作戦の為にビルトラプターの飛行データが、欲しいそうなのでそれを渡す為ですよ。」
「わかった。許可しよう。」
「ちょっと待ってくれないか。オレも行かせてもらおう。」
「イルム中尉、なぜなんですか。」
「ちょっとした、興味の為だ。」
そんな事を言っていますが、イルム中尉の目的はこちらについて探るつもりなのでしょう。
まぁ,私達の正体に気が付くのは平行世界を渡っているギリアム少佐ぐらいなモノでしょう。
それ以外ならシャドウミラーぐらいでしょうか。
油断は禁物なのですが、そういえば、ギリアム少佐の問題もありましたか。
前途多難ですね。
・・・・・あってから考えますか。
それより、イルム中尉に答えないといけませんね。
「いいですよ。特に見られても困るモノはありませんから。」
「じゃあ、お邪魔するぞ。」
「では、ダイテツ艦長。失礼しました。」
「ちょっと待ってくれんか。」
背を向けて退室しようとするとダイテツ艦長が私達に声を掛けてきました。
そのために振り向くとダイテツ艦長が深々と頭を下げていました。
「ヴァルシオン戦の時は君の元に援護に行くのが遅れてすまなかった。ワシの落ち度だ。」
その様子に驚きつつも私は答えました。
「気にしないでください。客観的に見て互角に見えたのは仕方ありませんから。ライの元に先に援護に出すのは仕方ありませんよ。それでは失礼します。」
そう言って、艦長室より退室しました。
他のメンバーもそれぞれが挨拶して退室していきました。
まさか、謝罪されるとは思わなかったのでその事に驚きつつもコクチョウに戻るべく格納庫に向かいました。
それにしても、新たに出来た問題はどうしましょうか。
後書き
名前:天王寺 戒
LV:15
PP:130
格闘:186
射撃:154
技量:159
防御:186
回避:199
命中:200
SP:136
性格:冷静(超強気)
エースボーナス:???
成長タイプ:格闘・特殊
空:A
陸:A
海:B
宇:A
精神:偵察 1~
幸運 40
直感 20
??
??
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スキル:※エヴォリュダー(勇者LV9&底力LV9&戦意高揚)
※サイコドライバーLV3(念動力LV10&SP回復&予知)
※完全記憶能力
精神耐性
???
???
GP:169800
秘密基地(197/201)
撃墜数:20
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