雲は遠くて
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31章 美女 と 野獣 (3)
31章 美女 と 野獣 (3)
「真央ちゃんは、タレントでも、じゅうぶん、やっていけるって、
感じじゃん。真央ちゃんの、その、みんなにうける、
おれも 羨ましくなる、美貌も 性格も、
才能なのかなあ」
「わたしだって、努力してるもん!」
蒼希(あおき)と真央の、言葉に、みんなでわらった。
「おれも、まあ、そんな真央ちゃんのお蔭で、
新井さんたちと、こうして、お近づきができたんだし、
運が開けてきたかもね。真央ちゃん、様様かな?」
4人は、目を見合わせると、声を上げて、わらった。
「楽しすぎて、わたし、酔ってきちゃったわ。
あまりお酒も、強くないのかしら」
真央の頬は、いくぶん、紅い。
店では、ステーキだけでなく、酒のつまみともなる、食欲の
増す、軽い料理のオードブル(前菜)も 充実している。
4人は、そんな料理で、ビールやワインを 味わう。
「そんなこというけど、真央ちゃんは、おれより、お酒
強そうだもんなあ。あっはっは」 と 蒼希(あおき)は わらう。
「真央さんは、芸能界のお仕事は楽しいですか?」
「はい。モリカワ・ミュージックは、とても良心的な
芸能プロダクションで、過度な仕事やスケジュールに
ならないように、いつも気を配ってくださっていて、
疲労とかで、体調を崩こともないんですよ。
所属のタレントやミュージシャンには、ちゃんと、
労働基準法を適用してくれているんです。
労働時間規制とかの保護を受けられているんです。
わたしも、モリカワさんとこだから、
楽しくやっていけているんだと思います」
「そうですか。うちの、エアナールも、モリカワさんから、
学ばなければいけないことが、いっぱいありそうですね。
うちの会社の10分の1くらいの売り上げだったもので、
ぼくは、最初、モリカワさんを、ちょっと、軽く
見ていたんです。ぼくの、思い上がりだったんですよね」
「そうなんですか。竜太郎さんって、素直なんですね!
大会社の副社長でいらっしゃるのに、
全然、フレンドリーで、親しみやすいですし。うふふ」
「そうですか。真央さんに、そんなふうに褒められると、
すごい、うれしいですよ。あっはっは。
でも、おれも、ちょっと前までは、簡単に、
偉ぶったりする、悪いヤツだったんですよ。
悪い癖で、天狗になるところがあるんです。
でも最近は、よく思うんですよ。おれみたいな、わがままな
人間ばかりがい多いから、地球の環境も悪くなるばかり
なんだろうって。あっはっは。
生き方や考え方とか、みんなして、変えないと、地球の
温暖化も 加速の 一途で、
このままじゃ、人類の未来も、どうなることやらってね。
先日の 関東平野の大雪にしても、あれは、地球の温暖化の
影響が原因で、大気中の水蒸気の量が増えて、
それが大雪や大雨となって、災害につながっているそうです。
テレビ見てたら、国立環境研究所とかの人が
解説してたんですけどね」
といって、竜太郎は、グラスのビールを飲み干した。
「地球や自然の環境を、これから先、みんなで、
よくしていくためには、みんな、それぞれに、
誰かに恋をして、誰かを愛して、いい恋愛を
していくことが大切なのかもしれませんよ」
幸平がそういうと、みんなは、わらった。
「恋愛か。確かに、幸平のいうように、恋愛は、
その人間の修行(しゅぎょう )になるかもしれない。
失恋しても、ストーカーになるヤツもいるけど」
「狂っているヤツは、いつの世も、きっと、いますよ。
恋愛力とは、その人の総合的な人間力のことだって、
いってますけどね、脳科学者の茂木健一郎さんは」
「幸平さんって、恋愛について、詳しいんですね。
わたしも、恋愛がヘタな人って、苦手です。
そういう人と、コミュニケーションとるの
難しい気がするもの」
「じゃあ、おれたちって、こうして、真央ちゃんと、
蒼希(あおき)さんと、ランチを楽しめているってことで、
恋愛力とか人間力とか、合格点なのかなあ」
「もちろんですよ。竜太郎さん!100点満点です!」
真央は、まぶしそうに、微笑む。
4人は、声をだして 楽しそうにわらった。
≪つづく≫ ーーー 31章 おわり ---
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