雲は遠くて
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21章 G ‐ ガールズ の レコーディング (3)
21章 G ‐ ガールズ の レコーディング (3)
島津楽器店の、ビルの7階にある、
レコーディング・スタジオ・レオの、
コントロール・ルームに、みんなは集まった。
「あと、Runaway girl (逃亡する少女)で、アルバムも
完成するのね!うれしくなっちゃうわ!」
そういって、テンション(精神的な緊張)も 高いのは、
ドラムスの菊山香織である。
彼女は、どこか、G ‐ ガールズの 雰囲気を
盛り上げる ムード・メーカー のような、個性だった。
そんな菊山香織に、みんなはわらった。
アルバムは、全10曲で、下記のタイトルである。
1.Blowing in the sea breeze
(海風に吹かれて)
2.Furt by love
(愛は傷つきやすいから)
3.Sing a song of love
(愛の歌をうたう)
4.keep on dancing
(踊り続けてください)
5.Like the stars glitter
(星の輝きのように)
6.I believe love and live
(愛を信じて生きてゆく)
7.Don’t touch me anymore
(もう私にはさわらないで)
8.If I can live with you
(あなたと生きてゆければ)
9.Don’t wake up from my dream
(夢でもいいから覚めないで)
10.Runaway girl
(逃亡する少女)
コントロール・ルームは、天井も、3mと高く、
20人くらいは、ソファーでくつろげる、
約50帖の広さであった。
レコーディングのための、司令室として、
コントロール・ルームでは、
トラッキング から マスタリング までの作業をこなし、
最高の クォリティー(品質)の作品を 創造できた。
レコーディングにおける、各チャンネルのことを、
トラック(track)というが、
そのトラック(track)で、複数の音を録音して、
サウンドを 構築していく 作業を、
トラッキング(tracking)という。
マスタリングは、曲の音質や音量の、多少のバラツキを、
整えたり、曲の合間を 調整したり、
国際標準レコーディングコード(ISRC)などの情報を、
電子的に記録して、商品として、安全であるという
チェックをすることなどの作業をいう。
「Runaway girl (逃亡する少女)は・・・、
ギターとピアノの、
ソロのフレーズ(楽曲の、旋律の ひと区切り)が、
すごっく、いいよね!
印象が、すごく、甘美というか、ヒットするかもよ!」
どことなく、洗練された 紳士の風格の、
島津悠太が、
G ‐ ガールズのメンバーの全員に、そういって、わらった。
「悠太さんって、のせるのが、上手なんだもの!
でも、わたしたち、悠太さんのおかげで、自信を持って、
ここまで 来れたの かもしれないな」
そういうのは、バンド・リーダーの清原美樹だ。
「ここまで来れたのは、きみたちの強烈な個性のパワーが
あったからだよ。君たちの魅力で、ぼくも楽しかったもの!
きみたちは、ロックンロールの、天使のようだよ」
そういうと、悠太は、やさしく、微笑んだ。
「うわー、うれしいわ!」
「うん、とても、感激しちゃう!」
と、声を大きくして、G ‐ ガールズの、5人の、
菊山香織、大沢詩織(おおさわしおり )、
平沢奈美、清原美樹、
水島麻衣たちは、大歓びする。
「おれも、来年は、アルバムを制作したいと思うので、
そのときは、ぜひ、悠太さんに、お願いしたいです」
美樹のとなりにすわる、松下陽斗が、
島津悠太にそういった。
「陽斗さん、こちらこそ、よろしくお願います!
きっと、コンサートでの録音でも、スタジオ・ライブでも、
どちらにしても、すばらしい出来になりますよ。
ぜひ お任せください!」
≪つづく≫
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