転生とらぶる
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マクロスF
0710話
検査入院が終わって退院した翌日、俺の姿はS.M.Sの食堂にあった。勿論俺だけではなくミハエル、ルカ、アルトの3人もいる。オズマに関しては、現在報告書を作っていて色々と忙しいらしい。
……いや、俺もオズマの事は言えないんだけどな。何しろバジュラ艦に突入した張本人だから、アルトと俺はしっかりとその辺の報告書を書かないといけないし、ルカにしても捕まっていた時の記憶から俺達程では無いにしろ、別口で報告書を書かないといけないのは変わらない。
「で、俺が持ってきた所属不明機の右足について何か分かったか?」
レーズン入りのシットリとしたクッキーへと手を伸ばしながらルカに尋ねる。
所属不明機、それはバジュラ艦の中で遭遇したどこかVF-25に似た雰囲気を持ったVFの機体の一部だ。
まるでこっちの隙を狙うかのように攻撃してきたのに反撃をし、その結果右足をもぎ取る事に成功したのだが……ルカの返事は、小さく首を横に振るというものだった。
「駄目ですね。大雑把には調べられましたが、詳細に調べようとしたところで政府の人間が来て強制的に接収していきました」
「は? 政府の人間がか? 何だってそんな真似をするんだよ?」
フライドポテトへと伸ばしていた手を止めたアルトが、思わずといった感じで言葉を返すが……
「機密の一点張りで、事情に関しては全く説明せずに半ば強引に接収を……それもアクセル君が手に入れてくれた右足だけじゃなくて、アクセル君には説明しましたが、機体に残っていた映像データまで纏めて持っていかれました」
「となると、政府の方では何か知ってるんだろうな」
チーズケーキへとフォークを伸ばしつつ、ミハエルが呟く。
まぁ、そうだろうな。何も知らない状態で少しでも情報を得たいというのなら、VF-25を開発したL.A.Iで部品の解析をすれば何らかの情報を得る事は出来るのだから。それをしない時点で政府が何かを知っているのは明らかだろう。
その時、俺の脳裏を過ぎったのはあのキノコだった。
考え過ぎかとも思うのだが、どうしてもその可能性を否定出来ない。何でもかんでも都合の悪い事をあのキノコに押しつけるのはどうかと思うんだが……1番やりそうなのがあのキノコだってのも事実な訳で。
そんな風に思った時だった。
『うおおおおおおおおおっ!』
どこからともなく、そんな大声……否、歓声が聞こえてきたのは。
「何だ? 非常事態って感じではないようだが」
大声ではあるが、どちらかと言えば喜びの色が混じっている声だ。テロリストなり犯罪者なりが襲撃を掛けて来たとか、そういう問題では無いのだろう。
「何か嫌な予感がするんだけど……気のせいか?」
ミハエルが呟き、アルトがそれに同感だとでもいうように頷く。
唯一ルカだけは小首を傾げていたのだが。
その意見が正解だったというのは、次の瞬間に食堂に入ってきたオズマの言葉が証明する。
「おい、ミハエル、ルカ、アルト。お前達ちょっとどこかに隠れてろ」
本来であれば報告書を書いていて忙しい筈のオズマが、どこか焦ったような表情を浮かべながらそう声を掛けてくる。
にしても、この3人だけ? 俺はいいのか?
「オズマ隊長、一体何が?」
「シェリルだよ、シェリル。ったく、あのお嬢さんは不幸の女神か何かか!? 何だってわざわざS.M.Sに来るんだか。しかもマスコミを引っ張って」
「……はぁ!?」
予想外のオズマの言葉に、素っ頓狂な声を上げるアルト。それはそうだろう。S.M.Sと言えばフロンティア船団でもまだ実戦配備されていないVF-25を試験運用している部隊で、ある意味では機密情報の固まりだ。当然そこに所属しているパイロットに関しても同様であり、特にミハエル達はまだ学生という事もあって特に情報管理には気を使っている。
実際、その機密の面も関係してギリアムは戦死じゃなくて事故死扱いになった一面もある訳で。
「ほら、とにかくキャシーが時間を稼いでいる間に急げ!」
「ったく、しょうがないな。アルト、ルカ、行くぞ!」
「お、おう!」
「はい、分かりました!」
ミハエル達3人が急いで去って行くのを見ながら、俺もまた口を開く。
「で、俺はどうすればいいんだ?」
「出来ればお前も隠しておきたいところだが、全員が全員隠す訳にもいかないしな。それに、バジュラ艦に突入したパイロットを1人も出さない訳にはいかないし」
「……いいのか? それこそ、俺の秘密に関しては知られる訳にはいかないと思うんだが」
「何より、だ。シェリルがお前との面談を希望しているんだよ。さすがにそう言われれば隠す訳にもいかないだろ」
「あー……なるほど」
シェリルにしてみれば、自分が放送で訴えたようにギャラクシー船団から逃げ延びてきた戦艦2隻を救ったのだ。それも、ルカを救出するという理由はあれども、敵艦の中に突入までして。フロンティア政府としてもそういう事情があればシェリルやマスコミからの要望に応えない訳にはいかなかったのだろう。
……なるほど。もしかしてこの前見舞いに来た時に決めたとか何とか言ってたのはこの事だったのか? S.M.Sの他にどこかに行くような案があって、S.M.Sを選んだと。
「と言う訳でだ。シェリルとの対談やらインタビューやらをしないといけないから、しっかりとした格好をしてブリーフィングルームに来い」
「ブリーフィングルーム? このままここでとかじゃないのか?」
「フロンティア船団だけじゃなくて、ギャラクシーネットに流れるんだぞ? S.M.Sの社員として着崩した軍服やらなにやらで……ってのが許可出来る筈がないだろ。言っておくが、バジュラに関して知り得た情報やVF-25の情報、それとお前自身についての情報は絶対に洩らすなよ。何かあったら、機密ですで逃れろ」
難しい顔をしているオズマの言葉に、小さく頷く。
何だかんだで、ジェフリー共々色々と頭を悩ませているんだろうな。特に、俺の事情については絶対に漏らせないと判断するくらいには。
「それと、一応無いとは思うがブリーフィングルーム以外でマスコミの連中を見つけたらこっちに知らせろ。機密区画にあたるから自由に出入りは出来ないと前もって知らせてあるし、了解するといった文書に署名もしているが……何しろ、マスコミだからな。知る権利とやらを盾に、何をしてくるか全く分からん」
「了解」
どうやら、オズマとしてはマスコミはあまり好んではいないらしいな。
いや、それは俺もあまり変わらないが。知る権利云々で偏向された情報を垂れ流しにされたりしたら色々な意味で不味い。
「とにかく、宿舎で着替えてこい。急げよ、銀河の妖精をあまり待たせるとこっちの印象が悪くなるからな」
そんな風にオズマの声を聞きながら送り出され、俺は食堂を出て行くのだった。
「さて、こちらが今回のギャラクシー船団から逃げ延びてきた戦艦2隻を救った殊勲者であるアクセル・アルマー少尉とのことですが」
ブリーフィングルームの中で、俺とシェリルが向かい合っているとマスコミの1人がそう告げてくる。
どうやら普通のインタビューやら会見ではなく、対談という形にするらしい。
思わず目の前で外向け用の綺麗な笑顔を浮かべているシェリルへとジト目を向ける。
それに気が付いたのだろう。シェリルは一瞬だけしてやったりとした笑みを浮かべながらも、すぐにそれを消して口を開く。
「ええ、彼のような勇敢な兵士がいたからこそカイトスやダルフィムのような艦を無事に救助する事が出来ました。特に彼はバジュラの戦艦の攻撃を止めるといった英雄的な行動をしており、そのおかげで助かった人命を思うと感謝に堪えません」
「コホン」
シェリルの言葉を聞いていたキャサリン・グラスが、咳払いをする。
恐らく余計な事を言うなという合図なんだろうな。
「それです。バジュラの戦艦の中に突入したとか。アクセル少尉と言いましたよね。その時の事を詳しく聞かせて貰いたいのですが」
マスコミの中の1人が身を乗り出して問い掛けてくるが、それに首を横に振って応える。
「残念だが、その辺に関しては機密として答えるのを許されていない。どうしても聞きたいようであれば、既に詳しい映像データ等は政府に提出済みなのでそちらに問い合わせて欲しい」
まぁ、提出済みなのは映像データのみで報告書は出していないんだが。
「コホン」
再びの咳払い。政府に余計な仕事を回すなという牽制か? いや、けどこれに関しては機密である以上俺が答える事が出来ないのは事実だしな。
「では、次は私が質問をさせて貰います。S.M.Sで運用している機体は先行配備されている最新鋭機VF-25だとの話ですが、その乗り心地はどうでしたか?」
先程の記者とは別の男の質問。VF-25に関して聞いてくるとなると、軍事雑誌とかそっち系の記者か?
チラリ、とお目付役に目を向けるが、咳払いは聞こえてこない。となると詳しい情報は無理だが、多少は答えてもいいって事なんだろう。
まぁ、バジュラと違ってある程度情報が公開されている機体だと考えれば、その程度のサービスは問題ないのか。後は、バジュラから目を逸らすという目的もあるのか?
ともあれ、こちらにしても踏み込んだ場所までは説明出来ないが。
「そうだな。俺が乗った他の機体としてはVF-171があるが、一般的に扱い易いと言われているVF-171と比べても操縦はしやすいと思う。それに関しては一般にも広がっているEX-ギアが理由なんだろうが、ガウォークとバトロイドの時にEX-ギアがこっちの手足の動きを感知して機体に反映してくれるというのは、1度慣れたら中々他の機体には戻れないだろうな」
「それはつまり、操縦自体の難易度が下がっていると思っても?」
「そうだな。ただし1つ注意して欲しいのが、操縦の難易度が下がったからと言っても機体の性能が初心者用だという訳じゃ無い事だ。使いこなせばこれまでに無い程の自由度を発揮してくれるだろう」
「ほう。性能自体もこれまでのVFとは一線を画していると聞いてますが?」
興味深そうに尋ねてくる記者に頷こうとして……どこか白けたような雰囲気は周囲を覆っているのを感じ取る。同時に、シェリルもまたジト目で俺の方へと視線を向けていた。
「あー、済まないが今回はVF-25についての話だけじゃないからこの辺で。えっと、それで?」
そこでようやく会話が本筋に戻ったのに安堵したのだろう。女の記者が手を挙げて質問してくる。
「その、シェリルさんとアクセルさんのやり取りを見てるとこれが初対面だとは思えないのですが。もしかして以前からのお知り合いですか?」
……鋭いな。その辺を匂わせるような言動をしたつもりは無いんだが、女の勘とかそっち系で嗅ぎ取ったのか?
「すいませんが、今回はあたしのプライベートな内容についての質問はお断りしています。カイトスとダルフィムの件に関する事のみでお願いします」
シェリルの言葉に、不満そうにしつつも小さく頭を下げてそれ以上の質問は口にしない女記者。
その様子にほっとしつつも、それ以降も細かな質問がされては答えていく。
バジュラとの戦い恐怖心を覚えなかったか、まだ15歳なのにS.M.Sで働いているのはどのような意図があっての事か、シェリルの歌は好きか……等々。それこそ細々とした俺の趣味でも暴き立てるかの如く。カイトスとダルフィムの件のみってのはどうなった。
ともあれ、そんな極めて面倒臭い記者会見、あるいはシェリルとの話し合いに関しても20分程経てば、さすがに話の種が切れてくるらしい。
もっとも、より正確にはシェリルがこれ以上の時間記者達に付き合う時間が無いというのが正しいのだろうが。
そして、最後の質問として指名された1人の記者が口を開く。
「現在ギャラクシー船団はまだ発見されていませんが、そうなると暫くフロンティア船団に逗留する事になります。その間、どのような事をして過ごす予定ですか?」
「そうね、あたしとしてはフロンティア船団には非常に感謝しています。ですが、それだけで済ませるつもりはありません」
「と言うと?」
「このS.M.Sという会社のパイロットは精鋭揃いと聞いています。その中にあたしが関わる事で、より良くギャラクシー船団に対しての援護になるかと」
「それは……もしかしてS.M.Sに入社してVFパイロットになると?」
「まさか。さすがに素人のあたしがそんな事をしても邪魔になるだけですし、入社するつもりはありません。ですが、それ以外でギャラクシー船団の手助けになるような事があるのなら、積極的に引き受けていきたいとは思います」
……おい、それは何だ。もしかして、これからも頻繁にS.M.Sに顔を出すって事なのか?
そんな俺の内心の疑問に、シェリルは一瞬だけこちらに流し目で視線を向け、ニヤリとした笑みを浮かべるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:660
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:641
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