ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第四幕その六
「あそこは」
「うどんですか」
「そうです、日本は西の方がうどんで」
「東が蕎麦ですか」
「おうどんとお蕎麦で分かれています」
「そうだったのですか」
先生がはじめて知ったことです、何と日本は東と西でその違いがあるというので、おうどんとお蕎麦で。
「西ではおうどんをよく食べるのですね」
「この松山にしても」
「西だからですね」
「丁度隣に讃岐うどんもありますし」
「あれは有名ですね」
「美味しいですよ、確かに」
松山の人の加藤さんも認める程です。
「コシがあって」
「よく讃岐うどんのお店がありますが」
「神戸にもですね」
「かなり多いです」
「はい、それで楽しませてもらっていますが」
その讃岐うどんもだというのです。
「そのことを見てもですね」
「西はおうどんです」
日本では、というのです。
「東はお蕎麦で」
「文化圏の様なものですか」
「まさに文化圏です」
それに他ならないというのです。
「うどん文化圏、蕎麦文化圏とです」
「そうした言葉もあるのですか」
「そうです、日本では」
「それはまた面白いですね」
「イギリスではそうしたことは」
「そうしたことはないですね」
先生はイギリスのことを思いだしながら加藤さんに答えました。
「特に」
「そうですか」
「麺類、ヌードルはイギリスにも入っています」
「それにパスタもですね」
「あることはあるのですが」
それでもだというのです。
「そこまで、麺類を主に何を食べるかで文化圏があるということは」
「イギリスではありませんね」
「そうです、ありません」
こう加藤さんにお話します。
「そうしたことは」
「イギリスは四つの地域に分かれていますが」
ここで加藤さんが挙げる地域はといいますと。
「イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドですね」
「その四つです」
かつてはアイルランド全てがイギリスという国に入っていました。
「イギリスは」
「そうですね」
「しかしそうした文化圏というものは」
「ないのですね」
「まして日本人の場合は同じ民族の間で、ですよね」
「そうですね、我が国にはアイヌ民族もいますし在日韓国人もいますが」
それでもだとです、加藤さんは先生に答えました。
「アイヌ民族は北海道ですから」
「そこが違いますね」
「沖縄の人も違う民族だと言われることがありますが」
沖縄の人を琉球民族とするか大和民族とするかで議論があることもです、加藤さんは先生にこれとなくお話しました。
「ですが基本沖縄で」
「日本本土のお話ではないですね」
「はい、在日の人はまた別で」
「あくまで同じ民族の間でのお話ですね」
そのうどん、蕎麦の文化圏のお話はというのです。
「そうですね」
「そうです、大和民族の間のお話です」
「そうしたことはです」
「イギリスではないですね」
「イギリスは四つの民族から成ります」
先生はイギリスについてこう言いました。
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