ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第四幕その五
「その先生よりもですか」
「高い人がいます」
「日本人で」
「いや、イギリスにいてもです」
先生の祖国にいてもというのです。
「日本人はあまり変わらなくなっています」
「背がですね」
「そうです、特に特撮ものですが」
「特撮に出ている人は皆多いですね」
「そうですね、かなり」
相当にというのです、特撮に出ている人達は、
「大きいですね、驚く位に」
「特撮ものはどうしても」
「出ている人の背がですね」
「多くなります」
「その方が見栄えがいいからですね」
「そうです、だからです」
特撮ものでは背の高い役者さんが多くなるのです。先生は日本に来てこのこともわかったのです。そうしてでした。
先生はお蕎麦を食べてです、こうも言いました。
「三杯なら」
「大丈夫ですね」
「はい、食べられます」
「私もです、実はおうどんだけでなく」
「お蕎麦もですね」
「はい、大好物です」
「美味しいですよね」
「そうですね、とても」
加藤さんはお蕎麦を食べてです、そして。
天麩羅も食べてです、その天麩羅についても言いました。
「この組み合わせがです」
「お蕎麦と天麩羅の」
「これが最高だと思います」
「恐ろしい位合いますよね」
「全く以て」
そこまでだというのです。
「私もお蕎麦の中では」
「この天ぷらそばがですね」
「一番好きです」
「僕もですね」
「先生もですね」
「この組み合わせは最高ですから」
天麩羅と蕎麦、この二つはというのです。
「天ざるもいいですよね」
「あっ、おわかりですね」
「お蕎麦がですね」
「はい、それが」
まさにと言うのでした。
「おわかりですね」
「通ではないと思いますが」
「いえいえ、先生も隅に置けません」
「僕もお蕎麦についてですか」
「わかっておられます」
そうだというのです。
「お見事です」
「だといいのですが」
こう応えてからです、先生はこうも言いました。
「お蕎麦も深い食べものですよね」
「特に東京ではそう言われますね」
「日本の首都である」
「先生は東京に行かれたことは」
「いえ、それがです」
「まだですか」
「残念ながら」
先生はまだ日本の東の方には行っていません、西の方だけなのです。
「行きたいと思っていますが」
「そうですか、では機会があれば」
「東京にもですね」
「関東にも行かれて下さい」
「いい場所なのですね」
「そうです、それでお蕎麦は」
そのお蕎麦のお話をです、加藤さんは先生にお話するのでした。
「東京だとかなりうるさくて」
「通の人が多いのですね」
「凄いですよ、東京のお蕎麦は」
「この松山よりもですか」
「松山なんて比べものにもなりません」
「では大阪以上に」
「大阪はうどんなのです」
先生がこれまで行った日本の街で一番大きなこの街は、というのです。
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