転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
マクロスF
0708話
『ルカァァァァッ!』
アルトの叫びが通信越しに響いてくるが、今はそれどころでは無い。
「アルト、一旦退くぞ! あの艦からも無数のバジュラが出て来ている!」
『ルカを見捨てるってのかよ!』
「敵の数を見ろ! このまま向かっても多勢に無勢だ!」
ちっ、あのバジュラ艦を見た時にも思ったが、やはりVF-25Sの持っている武器では基本的に攻撃力不足だ。反応弾があればまだ何とかなるものを……あるいは、言ってもしょうがないが、ニーズヘッグがあればそれこそ1機でバジュラ共を殲滅出来るんだが。
『別に奴等を倒す必要は無いだろ! 中に侵入してルカを救助すればいいだけだ!』
その言葉と共に、バジュラ艦へと突っ込んでいくアルト。
だが、バジュラ艦からは無数の弾丸と大量のバジュラが放たれ続けており、俺はともかくこれが殆ど初陣に近いアルトの腕では……
そう、俺が思ったその時。
『うおおおおおおぉぉぉぉぉっ!』
アルトが雄叫びを上げつつ、バジュラ艦から無数に、それこそハリネズミの如く用意されている対空砲の弾丸を回避しつつバジュラ艦へと向かって突っ込んでいく。
「これは……さすがに予想外だったな。だが、これなら!」
どうやら俺はアルトの技量を見くびっていたらしい。俺の視線の先でファイターのままガンポッドを連射しているアルト機へと視線を向け、これならいけると判断してスラスターを全開にする。
『おいっ、アクセル! お前まで何を!』
「アルトをこのまま放っておく訳にはいかないだろ。それにあれだけの腕があればルカを救出するのもそう難しくは無い!」
『……くそっ! 俺もフォローするからとっととルカを助けてこい!』
ミハエルの声を聞きながら、無数のバジュラと弾丸が飛び交う中をガウォークで小刻みにスラスターを噴射させながらアルト機の後を追いかけていく。
前に立ち塞がる雑魚バジュラを邪魔だとばかりにビーム砲で撃ち抜いて爆散させ、あるいはガンポッドで無数の弾丸を放ちながらアルト機との距離を縮め……
「ちぃっ!」
アルト機の後ろからビームを放とうとしていた赤いバジュラへと、更にその背後からビーム砲を放ち、爆散。そのまま突っ込んでいってアルト機の隣へと並ぶ。
「アルトッ、後ろにも神経を行き渡らせろ!」
『わ、悪いっ!』
短く謝りながら、あるいは注意しながらも俺とアルトの機体は弾丸とバジュラが大量に飛び交う戦場を潜り抜けていく。時には機体を斜めに傾げてバジュラを回避し、あるいはガンポッドやビーム砲で行く手を遮るバジュラを撃破し、そうしてスラスターを全開にしながら突き進み、バジュラ艦の懐へと潜りこんでいく。
そんな中、ふとコックピット内に歌声が響いているのに気が付いた。
……何だ、これは?
ファイターのままバレルロール回転で前方の赤いバジュラのビームを回避しつつ、ビーム砲でバジュラを撃ちぬきながら微かな疑問を抱く。
通信? いや、違う。通信から聞こえて来るのはS.M.Sの戦況報告や指示のみであり、マクロス7のバサラみたいに歌を流しているような奴はいない。なら、どこから……前方に立ち塞がりかけていた雑魚バジュラをガンポッドで撃破し、ふと視線がコックピットの隅に引っかけられている存在に気が付く。シェリルの母親の形見、幸運のお守り……これから聞こえてきている?
一瞬疑問に思うが、そのイヤリングの……特に宝石の部分に当たる場所から歌が聞こえてきているのは間違い無い。ただし、その歌が聞こえているのは俺の機体内部のみで、通信機を通して他の機体には聞こえていないらしい。
しかも当然の如く聞こえて来る歌はシェリルの歌……いや、他の人物の歌も混ざっている?
くそっ、今はこのイヤリングについては後回しだ。とにかく、早いところルカの救出を……見えたっ!
「アルト! 攻撃を合わせろ!」
『了解!』
歌の件については今は置いておき、前に立ち塞がるバジュラの壁とでも呼べる空間を抜き、最終的にはバジュラ艦の内側に入り込む事に成功する。同時に放たれる俺のビーム砲とアルト機のガンポッド。その着弾箇所が殆ど1ヶ所に集中し……次の瞬間、バジュラ艦の装甲が爆発、内部への道を切り開く事に成功する。
「行くぞ、続け!」
一瞬内部への突入を躊躇したアルト機を追い越すようにバジュラ艦の内部へと突入する。その内部は戦艦というよりはどこか生き物じみており、純粋に機械の戦艦という訳では無く、どちらかと言えばバジュラのような生体兵器に近い存在であるのは明らかだった。
『分かってるよ!』
一瞬自分が躊躇したのが許せなかったのか、アルトは強い口調でそう告げると俺のすぐ後から突入してくる。
『おい、これは……』
「取りあえずデータを取れるだけ取りながらルカを探すぞ」
生き物……というよりは、植物か何かで出来ているような感じか? とにかく、物陰になっている場所でバトロイドへと変形して一旦アルトとの通信を繋げる。
お互いが手にはガンポッドを持ち、いつでも放てるようにしながら音響データ等を使って艦内のデータを収集、通路の様子を調べていく。
「……よし、大まかな内部構造の把握は完了した。アルト、そっちにデータを送るぞ」
『は? もうかよ? こっちはまだ7割程度だぞ?』
「S型はある意味で通常型の上位機種みたいなものだからな。積んでいるコンピュータもより性能が高いんだよ」
特に俺が乗っているS型は、俺の反応速度に対応出来るように、シミュレーターで取ったデータを基にしてかなりチューンされているしな。
「それと、念の為だ。バジュラ艦の構成物質を幾つか確保しておくぞ」
『あ、ああ、分かった。すぐにやる』
アサルトナイフにピンポイントバリアを纏わせて壁を切り裂き、その構成物質を確保する。本当はもっと詳細なデータ取りをしたいところだが……
「うん?」
『どうした!? 何かあったのか!?』
「いや、何でも無い」
先程までイヤリングから聞こえていたような気がする、シェリルの歌。それがいつの間にか聞こえなくなっているにことに気が付いたが……今はそれどころじゃない。とにかく、ルカの救助を優先しないとな。
「艦内構造は大体分かった。この通路を真っ直ぐ進めばルカの機体反応がある場所まで辿り着くはずだ。行くぞ!」
『了解!』
その声と共に、より高速で移動出来るファイターへと変形し、隠れていた場所から飛び出し……すぐに違和感に気が付く。
『おい、アクセル。敵艦の中に突入したのに出迎えが全く無いってのはあり得るのか?』
どこか不審そうなアルトの声。そう、本来であれば自分達の艦内に敵対勢力の機体が2機侵入したのだから、盛大な出迎えがあってもいい筈なのだ。勿論この状況はこっちとしては大助かりなのだが、あからさまに怪し過ぎる。
そんな俺とアルトの不審は、そこから更に1分程進んだ時に解明される。
そう、バジュラの残骸――あるいは死骸――が大量に通路に落ちているという状況で。
『これは……同士討ちか?』
アルトの疑問ももっともではある。確かにS.M.Sの中で艦の中に突入したのは俺達だけである以上、そう考えてもおかしくは無い。だが……
「違う、壁を良く見てみろ。銃弾の跡が大量に残っている。バジュラ同士が銃弾で撃ち合う……というのは艦内である以上はちょっと考えられないだろうな」
『おい、ちょっと待て。それはつまり……』
「ああ。恐らくだが、俺達以外にもこの艦に突入した奴がいるぞ。しかも、俺達よりも早くな」
更に言えば、その誰かさんは恐らくS.M.Sの所属ではない。可能性としては、新統合軍の特殊部隊ってところか? 基本的にVFパイロットの腕は悪い新統合軍だが、中には腕がいいのもいるのだろう。オズマだって元々は新統合軍のパイロットだったんだから。そんな一握りの凄腕パイロットが特殊部隊として活動しており、未知の敵でもあるバジュラの情報を求めて……あるいは、それ以外の何かを求めて俺達より先んじたという可能性は無くも無い。だが……
「とにかく、先に侵入した奴の狙いが何なのかは分からないが、俺達にしてみれば囮として使える分却って好都合だ。早くルカの所に向かうぞ。この先をもう少し行った場所にルカの機体の反応はある」
『あ、ああ。分かった。確かにそうだな。俺達の目的はルカを助けだす事だしな』
欲を言えば、このバジュラの死骸は空間倉庫に回収しておきたいところだが、さすがにルカとバジュラの死骸のどちらを選ぶかと言えば前者だ。あるいは、ここでアルトと2手に別れるか? ……いや、この状況で戦力の分散は絶対に避けるべきだろう。特にアルトは今日が事実上の初陣だしな。
一瞬の迷いを捨て去り、バジュラ艦の通路の中を進んで行く。
そのまま数十秒、ファイター状態のまま通路の中を飛んでいくとやがて広いホールのような場所へと到着する。
「アルト、ルカの反応はあそこからだ。ここからはすぐに対応出来るようにバトロイドで行くぞ」
『分かってる!』
アルトの声を聞きつつ、機体をバトロイドへと変形。そのままゆっくりと周囲を警戒しながらホールの中へと入ると……
『ルカ!?』
アルトの驚愕の声が通信越しに聞こえて来る。だが、それも無理は無い。ホールの中で見たのは、まるで木の根に絡まったかのようなガウォーク状態のRVF-25だったのだから。
『……生きてるみたいだ。良かった……』
その木の根に絡まっている状態のコックピットを見て安堵の息を吐くアルト。だが……
「アルト、退けぇっ!」
木の根に潜むように存在していたVFを発見し、ガンポッドの銃口を向ける。
『アクセル!?』
「どうやら俺達よりも先にこの艦に突入した奴は恥ずかしがり屋らしいな。そこにいる奴、出てこい!」
赤紫色の機体色をしたVF。どことなくVF-25に似た雰囲気を持っているその敵へと告げるが……
「ちぃっ!」
向こうが何かを答えるよりも前に、艦内に入った敵を迎撃しようというのだろう。至る場所から雑魚バジュラが沸いて出て来て、俺とアルトへと襲い掛かって来る。あの怪しいVFにも襲い掛かればいいものを……
「こっちだけに向かって来るか!」
バトロイド状態のまま機体を反転、ガンポッドと肩から伸びているビーム砲を連射して次々に現れるバジュラを片端から片付けていく。
だが、その時……再びコックピット内にシェリルのものと思われる歌が鳴り響く。また歌だと? 先程聞いた時はシェリル以外の声も聞こえたが、今回は完全にシェリルのみだ。何だってこんなにいきなり……
「邪魔だぁっ!」
素早くホール内を動き回るバジュラを相手にするには、ビーム砲やガンポッドよりも小回りの利くアサルトナイフの方がいい。特にEX-ギアのおかげで半ばこっちの動きをトレースできるというのも魅力だ。
「アルト、バジュラ共は俺が引きつける。お前はルカを……させるかっ!」
何故かアルトへと狙いを付けた所属不明のVFに向かい、ビーム砲を連射。そのままの状態で突撃してきたバジュラの動きを回避し、擦れ違い様に首を切断する。
『ルカ、起きろルカ! くそっ、しょうがない!』
バジュラの胴体へとアサルトナイフを突き刺し、そのまま勢いよく斬り裂いた動きの流れのままに所属不明のVF目掛けてビーム砲を連射し、牽制しつつ背後へと一瞬だけ視線を向ける。するとそこではガンポッドでルカの機体を絡め取っている根を破壊しているアルト機の姿があった。
シェリルの歌を聴きながらの戦闘、ある意味ではマクロス世界っぽいと言えばそれらしいのだろうが、今はそれどころではなかった。
こちらへと襲い掛かって来るバジュラの迎撃、隙あらば俺やアルト機に攻撃を加えようとしている所属不明のVFへの牽制、こちらを無視してアルト機へと突撃していこうとしているバジュラの処理。その3つを同時にこなしながらも、ついでとばかりに所属不明VFのデータを可能な限り取る。
このデータ取りに関しては、VF-25の上位機種であるS型であるからこそ処理出来た事だろう。
そんな状態の、ある意味で均衡とも呼べる時間が数十秒程続き……
『アクセル、こっちは何とか……うおっ!』
アルトの通信が聞こえた瞬間、こっちのビーム砲での牽制を無視して持っていたガンポッドをアルト機へと向かって放つ所属不明機。そのまま更に追撃を加えようとして……
「させるかよっ!」
こちらに突っ込んで来た雑魚バジュラを左手で握ったピンポイントバリアで覆ったアサルトナイフで刺し、右手のガンポッドと背負ったビーム砲を発射。所属不明機の右足に命中してバランスを崩し……次の瞬間には瞬時にファイターへと変形して何故か開いたバジュラ艦……いや、最初に出て来た時のビームを撃つつもりか!? くそっ、とにかくこの場所にいる訳にはっ!
そんな俺の一瞬の隙を付き、強引に変形した所属不明機はさっさと展開したバジュラ艦の中から逃げ出していく。右足を破壊されて、よく変形を……いや、今はそれどころじゃない。
咄嗟に漂っている所属不明機の右足を掴み、アルトへと通信。
「アルト、行くぞ!」
『ああ、分かってる!』
アルトも短く返事をし、ルカ機を捕まえたままバジュラ艦を脱出し……次の瞬間にはマクロス・クォーターが人型へと変形して突っ込んで来て、大きく開いたバジュラ艦の口にマクロスキャノンを突き入れる。そしてビームが発射される前にマクロスキャノンが放たれ……次の瞬間、バジュラ艦は内部から爆散して、宇宙空間にその残骸を散らばらせる。
同時に、まるでそれが合図であったかのようにバジュラは撤退を開始し、俺達は何とか初期の目標であるカイトスとダルフィムという2隻の戦艦の救助に成功するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:660
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:641
ページ上へ戻る