仮想空間の歌う少年
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
3ー3発目
前書き
今回はショート。
それでも問題無いぜ!という方はどうぞ!
「佳…?」
佳に助けてもらい、家まで送ってもらった。 (なんかおんぶのまま)だけど佳の様子がおかしい。家に着くまでも。「ああ。」とか「そうだね。」何て言う短い言葉しか話さない。
「ああ…詩乃。大丈夫。」
どうみても大丈夫じゃない。今の佳の目は光がない…まるで死んだ魚の様な目だ。
「大丈夫…じゃないでしょ!」
私がそう叫ぶが佳はフラフラとしてベッドに座ると私を見てこう言った。
「大丈夫…」
「え?」
「大丈夫だよ?別に?詩乃を困らす奴なんてみんな僕がどうにかするからさ。」
声は静かだった。いつもの綺麗な澄んだ声だけど私の目を見る佳の目はまだ死んだ魚のような目だ。そしてさらにこんな質問をしてきた。
「ねえ。仮にも『人生リセットボタン』があったとしたら…詩乃はどこをやり直しする?」
「えっ?」
突然の佳の質問にポカーンとする。だけど佳は口だけの笑顔で。
「僕はね。あの場面をやり直すよ。詩乃を何としてでも。あの郵便局からなんとしてでも連れ出す。だから…?僕は?俺は?なんとしてでも…ははは!」
「け…い…?」
突然佳は笑いだす。
「なんで気づかなかったんだろう!僕は!そうだよ!やり直せばいいんだ!ははは!そうすれば詩乃は幸せだ!」
壊れたピエロの人形の様に笑う佳に私はいてもたってもいられず私は叫んで、抱きしめた。
「佳!戻ってきて‼︎」
…?
「…詩乃?なんで俺に抱きついてるの?」
あれ?なんで俺は詩乃の部屋にいるんだ?
確かあの不良から詩乃を助けて…
みると詩乃が泣いていた。
「わ、わわ!詩乃なんで泣いてるの!」
「…け、い…なんだよね?」
「はあ?」
そうすると詩乃が服の袖で涙をふくと。
「良かった…」
その後。適当にお互いの冷蔵庫から残ってる物を持ってきてそれを合わせて適当に調理して一緒に食べる。
途中、詩乃が「大丈夫?」ってよく聞いてくるけど。なんなんだ?
部屋に戻る時も心配そうな表情だし…。
部屋に戻ると。メールが一件届いていた。
「差し出し人は…父さん?」
どうやら病院に来いということらしい。とりあえず「了解。」と送った後風呂に入るとベッドに横になった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日。病院に行くと診察室に通された。そこには父さんがいた。険しい顔でいきなりこう言った。
「なあ、佳。お前昨日何してた?」
「…?昨日?ゲームして、不良から詩乃助けて。詩乃と一緒に飯食って、自分の部屋に戻って寝た。」
「そうか…なら、朝田さん助けた後と飯食うまでの間の時間覚えてるか?」
間?あれ?えっと…
「覚えてない…?なんで…?」
「そうか…もういいぞ。」
父さんは依然。険しい顔でこう言った。
「時間ないから単刀直入に言うぞ。…また違う人格が出てきてるぞ。」
「え…?でも…?」
父さんは腕を組んで話し始めた。
「ああ。…あの事件の前まで『僕』という人格がお前として生活してたが…SAOに囚われてた時に人格が融合してなんとか『雪宮佳』として戻ってきた。
…だがその人格がまた出始めている。」
「なんで⁉︎」
おちゃらけられない現実を突きつけられ。だが父さんは椅子から立つと
「お前…まだ郵便局のあの事件ひきづってるのか?」
そう言うと父さんは診察室から出て行った。
後書き
大人になりたくないですね!
でも誰でも大人にならなきゃいけないのが人間なのです。
スノー君…雪宮佳にはこの壁にぶち当たってもらいましょう!
次回もよろしくお願いします!
ページ上へ戻る