ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~
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第九話
時間は進み……いよいよ授業参観なのだが……
「「「……………………」」」
おい、俺の目にはクレアとルビアの両親とグレイワースの婆さんがいるように見えるんだが?
「お、お母様っ!?」
「な、何でここにっ!?」
クレアとルビアも知らなかったのか二人が現れた事に驚いている。
「そそそ、それにグレイワースさんまで!?」
クレアはさらに婆さんが来ている事にも驚く。
大丈夫だ二人共。俺も顔や声に出さないだけで充分に驚いている。
「クレア、何をしているの?ちゃんと授業に集中するのよ」
「ルビアもだ。教師として責務を果たしなさい」
「「は、はい……」」
怒られてるし……まあ、仕方ないけど。
「イッセーよ、頑張れよ」
婆さん、何で来たんだよ……本当に……この分だと皆の親とか来てそうだな……フィアナは無理だろうが。フィアナはあんなんでも王女様だしな。
「そ、それでは授業を始める……」
そう言ってルビアが配ったのは……なぜか粘土である。
「諸君にはこれからこの粘土で脳に思い描いた物を作ってもらう。国境を越えた言語には物に示さないとわからない物もあるからな」
(ねぇよ!そんなんだったら身振り手振りでやった方がもっとわかるわ!)
思わずツッコミをしそうになったが何とかこらえる。
というかルビアがこんな事するなんて珍しい
「ちなみにこれは他の英語の先生から無理やり渡された物でな……別に私の意思ではない事を最初に言っておく」
(おい学園長!そんな先生がいるなんておかしいだろ!)
と、またもやツッコミしそうになったがそう思った所でこの学園の長はサーゼクスだった事を思い出してとりあえず監査を受けるべきと進言しておこうと思ったのだった。
『しかし、そんな風にされてもしっかりとやる相棒。さすがだな』
いや、やらねぇと……これは授業な訳だしな。
『それで?何を作るんだ、相棒?』
そこなんだよ……構想も何もないからな……。
とりあえず行き当たりばったりでやってみるしかないな……。
そう思って作っていたのだが……
『なあ、相棒……何であいつらの精霊達になっているんだ?』
そう、俺は気づけばクレア達の精霊を作っていた。
右からスカーレット、フェンリル、シムルグ、そしてゲオルギウスである。
ゲオルギウスがもの凄く場違いな感じになってるんだよな……。
「こ、これは……」
俺の作品を見たルビアが俺の顔を見る。
言いたい事はわかってる……だってどれも見たことあるっていうか皆が持っている精霊だもんな。
しかしこの中でいないのが一体だけ存在している。
そう、ルビアの契約精霊《レ-ヴァテイン》である。
しかしこれに関しては仕方ないと思う。だって普通の精霊じゃないしな。
授業参観が終わり……俺は婆さんの所に向かう。
「グレイワース」
「おや?何だ、イッセーよ。まるで居るはずのない存在を目の前にしたような顔をして」
「わかってるんだったら話は早い……精霊王達はこの事を知ってるのか?」
元素精霊界とこの世界を行き来するには相当な力が必要だ。
大体は精霊王に頼んで世界の扉を開けてもらうのだが……。
「ああ、知っているよ。大丈夫だ、私たちがこちらに来たのは観光目的だしな。その為に私が護衛としてこちらに一緒に来ているんだ」
どうやら観光が目的らしい。
あの人達が観光か……驚きの連続にしからない……いや、それはないな。
「それと三大勢力の会議とやらをするのだろう?それまではこちらにいるつもりだ」
「何でだ?」
「私は精霊王直々にあちらの世界の代表として選ばれてな。元素精霊界の代表として会議に出席してくれ、という事だ」
婆さんが代表か……確かに適任かもしれない。
「まあ、イッセーを弄る為、という目的もあるが」
「そんな事だろうと思いましたよっ!」
この人は本当に変わらねぇな!
と、その時に校庭の一角が騒がしい事に気がついた。
「あれ?何か騒がしいな」
「どうせなら行ってみたらどうだ?私は折角だからこの学園を探検してみるよ」
そう言ってグレイワースの婆さんはさっさと行ってしまった。
「はぁ……行ってみるか……」
俺はそう思い、その場所へと向かう。
その場所に到着してみると……そこではなぜか撮影会が行われていた。
「オラオラ!天下の往来で撮影会たーいいご身分だぜ!ほらほら、解散解散!今日は公開授業の日なんだぜ!撮影会なら秋葉原にでも行ってやってくれ!こんなところで騒ぎを作るな!」
そう言って撮影会を中断させているのは匙だ。
そして撮影をしていた男たちが次々と解散していき……中で撮影対象になった女性と目があった。
「「あ」」
その人は……俺のよく知っている人だった。
「イッセー君だ~~~~~♪♪♪」
そう言って俺に抱きついてくる女性。
「ちょ、ちょっと!?ここは学校ですよ!?」
「匙、言っても仕方ありませんよ……お姉様」
「あ、ソーナちゃん♪」
と、ソーナ会長がやってきた。
「お、お姉様!?って事は……魔王様!?」
と、匙はようやく気づいたようだ。
「お姉様、イッセー君が迷惑がってますよ?それに魔王様なんですからもう少し威厳を持ってください」
「だって、これが私だもん♪」
横チョキをしながらソーナ会長にそう言うセラフォルーさん。
「はぁ……いいですよ、ソーナ会長。慣れっこですから」
「申し訳ありません、イッセー君」
本当に申し訳なさそうに頭を下げるソーナ会長。
本当に……今の魔王様は公私共に自由過ぎると思うんだよね……。
「とりあえず離れてくださいセラフォルーさん」
「い~や~だ~♪」
はぁ……ホント、どうしてこんなにフリーダムなんだろうな……。
???SIDE
「ん?電話か……はい、もしもし?ああ、イッセーか。久しぶりやな」
「……ほぅほぅ……って、は!?お、おいちょい待て!何でそんなのに俺が選ばれるんや!」
「……あの世界の事を知ってるから!?だからって今からこっちに来い言うんか!?」
「ああ、もうわかったわ!今から行くから遅れるのは覚悟しとけよ!」
そんな電話が来た所為で俺のこれからの計画が全部台無しや……。
「はぁ……ほんなら行くか……駒王学園に」
イッセーの為やしな。
SIDE OUT
そして夜中となり……俺たちは旧校舎に来ていた。
俺たちというのは俺、クレア、ルビア、リンスレット、エリス、フィアナ、アーシア、ゼノヴィア、そしてグレイワースである。
皆のご両親は満足したのか笑顔で元素精霊界に帰っていった。
ただ一人、エリスのお父さんであるシグナスさんだけは「エリスを泣かせたら許さんぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」って言いながら引きずられていった。
泣かせるって……俺がそんなに鬼畜に見えるのかね、あの人には。
「さて、入るか」
そう言って俺らは旧校舎へと足を踏み入れる。
旧校舎の中の広い一室の中で会議は行われる。
三人は部屋に入ると円状の形でサーゼクスさんとセラフォルーさん、アザゼルさん、ミカエルさん、ガブリエルさんが座っていて、サーゼクスさんとセラフォルーさんの後ろにグレモリー眷属とシトリー眷属が待機しておりミカエルさんとガブリエルさんの後ろにイリナが待機しており、アザゼルさんの隣にヴァーリが座っていた。
イリナ……お前、大変だな。ついこの前戻ってまたこっちに帰ってきて……苦労人なのかな?
「さて、それじゃイッセーはそこの席に座ってくれ」
俺は指定された席に座り、その後ろに置いてある席に皆が座る。
「さて、それでは集まったところで話しを始める前に言っておこう……ここにいる者達は全員が神の不在を認知しているということでいいかい?」
俺達を含めるその場にいる全員が無言でサーゼクスさんの問いに肯定すると、サーゼクスさんは話し続けた。
それから3つの勢力による会談が始まった。
各陣営のトップがそれぞれの勢力の意見を一人ずつ話していき、そしてそれを他の陣営は黙って聞いておくっていうのが暗黙だ。
そしてサーゼクスさんは悪魔の未来について熱弁し、そしてそれは戦争と隣り合わせで生きていれば叶わないと説く。
ミカエルさんはいかにして人々を導くか、神がいない世界でどのように平和を掲げるかを説き、そしてアザゼルさんはわざと空気を読んでいないような発言をして俺達を凍りつかせる。
この人は本当に変わらないんだもんな。
「ではリアス、こちらは大体のことを話し終えたからそろそろ今回の事件についての説明をしてもらえるか?」
「はい、ルシファーさま」
そう言ってリアス先輩は説明していく。
まあ、俺からも補足もいらない説明だったな。
ていうか、時々こちらを睨んでくるのは何でなんだ?
「これで私からの報告は以上です……そして私から皆さんに聞きたい事があります」
そう言ってリアス先輩は俺を見る。
「彼……兵藤一誠は何者なのですか?明らかに一般人の域を越えていますし彼を取り巻いている彼女達の力も神器ではない……一体、どういう事なのですか?」
まあ、聞かれるとは思っていたが……そこまで単刀直入に聞いてくるとは……。
「まあ、聞かれるとは思ってはいたがな……」
アザゼルさんは髪をがしがしと掻きながらそう言う。
「そうですね。まあ、私たちも最初は誰なのかと思った位ですし」
ミカエルさんもそう言う。
「グレイワースさん、説明お願いします」
「わかった。いいだろう」
そう言ってグレイワースさんは立ち上がる。
「それでは、説明させていただこう……この世界と隣り合うように存在する世界、元素精霊界の事と私達の事を……」
後書き
さて、???SIDEとして出てきた人物…皆さん心当たりはあるでしょうか?落第騎士の英雄潭を見ている方ならばわかるあの方の力を持った人です。
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