トップ
暁について
ランキング
イラスト検索
よくある質問
各種マニュアル
45,942人
トップ
>>
Cor Leonisさんのプロフィール
>>
Cor Leonisさんのつぶやき
つぶやき
Cor Leonis
2015年 11月 15日 15時 10分
珍しく真面目に
なにやらSAO作者様たちの間で盗作に関する話題が挙がっているようですね。私も暁におけるSAO二次創作者の一人として、ちょっと真面目に書いてみようかなと思います。
さて。今騒動における一連の流れはざっと追ってきたつもりですが、その発端である某作品については、一切この場で触れることは致しません。私が意見を述べるのは、その後つぶやきで話題となっている「コピー・アンド・ペースト(以下コピペ)」、また「コピペしたものを改変し投稿するという執筆方法」の二点について。見たところ「いくら改変したってコピペはコピペ、盗作である」とか、「コピペを基にしていては、いつまでたっても文章力が向上しない」といった意見が多いですが、これは実際の法律上ではどうなのか、また「コピペでは文章力が上がらない」のは何故なのかという二つの観点から考察を行っていこうと思います。
と、その前に。私には「文章を簡潔にまとめて解りやすく伝える」という力が絶望的に欠落しております。長文となることがほぼ確定しておりますゆえ、苦手な方はご注意を。
では本題。まずは「コピペしたものを改変して投稿する行為」が、法律上著作権侵害に当たるのかについてです。
私が調べたところによると(注、私は弁護士でもなければ法学部等で法律を学んだわけでもない、ただのド素人です。よって解釈等の正確性については一切保証いたしません。ご了承ください)、コピペした後に改変する行為、つまり元の作品をアレンジして自分の作品として投稿することは、『翻案(ほんあん)――前人の行った事柄の大筋をまね、細かい点を変えて作り直すこと。特に、小説・戯曲などについていう。(広辞苑)』という言葉に当たるようです。
そしてこの翻案ですが、著作権法では「翻案権」という言葉で定義されており、こう記されています。『著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。(著作権法第二十七条)』
つまり、「翻案は著作権を保有している人しかやっちゃダメですよ」ということが、きっちり定められているわけですね。「コピペしたものを改変して投稿する」のは法律的にアウトということになります。
続いて、「コピペでは文章力が上がらない」のは本当なのか、また本当だとしたら何故なのかという点について。
ここからは私の主観に基づく持論になりますが、私はこの意見、正しいと思っています。というのも、コピペして自分の小説に使いたいと考える題材は、大抵自分が高く評価したものです。つまり、「この展開すごい!」とか、「この台詞かっこいい!」と思ったからコピペしたくなるわけです。大抵、それを自分の言葉に置き換え、展開に細工をします(法律的には、そうしたところで盗作に変わりはないのですが)。そしてその時問題となるのが、元の文章という「ハードル」なんですね。
文章を改変するとき、殆どの人はより良くしたいと考えるはずです。ですがそもそも元になった文章というのは、自分がコピペしてまで使いたかった、つまりそれほど素晴らしく、感銘を受けたもの。それを改変するということは、元々素晴らしい文章をより感動的に、よりダイナミックに描かなくてはなりません。そういう時、元になった文章というのは自分の頭の中で神様のような存在になっていて、どこをどう変えたとしても劣化にしか思えなくなってしまうんですね。そして実際、そうして改変した文章はイマイチな出来になりやすいです。
とまあ以上二点の理由から、私はコピペというものには反対の立場を取ります。が、かといって、完全に自分一人だけの力で文章力を向上させられる人なんて、ほんの一握りですし、技術を磨くには他者の模倣から入るのが一番です。でも小説の場合、ヘタにそれをやると盗作と言われてしまう……ではどうするか。私は、「文章を真似る」のではなく、「テクニックを真似る」のがいいと思います。
例えば、コピペしたいほど素晴らしい文章があったとしたら、まずはその文章の何が素晴らしいのか、分析にかけてみましょう。言葉の選び方なのか、文章のテンポなのか、表現技法の使い方なのか。あるいは、前後の文との関係性なんかも関わってくるかもしれません。自分がその文章を好きになった理由や素晴らしいと思った点を一つ一つ噛み砕き、それを技術、テクニックとして学ぶのです。そうして培った技術は最早あなただけのものですから、誰も文句は付けられません。
コピペをするのなら、「文章」ではなく「技術」を、「作品」ではなく「自分自身」に。そうすれば、書き方の幅が一段と広がっていくのではないでしょうか。
2015年 11月 15日 15時 10分