「冥王来訪」の感想


 
コメント
>東独も一人の自由業者を殺して面子をつぶすより、海外に放り出した方が都合が良かったですからね。

BETA戦争のおかげで、SEDが国に対する支配は徐々に弱くなってきたとも言えるが、名ばかりの戦時体制はまだ存在なので、アクスマンのような陽奉陰違する役人できだと自分の利益を追求するために反ユダヤ政策を利用したナチスドイツの役人たちのようなことと同じです。 
作者からの返信
作者からの返信
 
 そもそもBETA戦争初期の時点で、シュタージはKGB工作員に、交通事故を装って、ミルケ長官を暗殺される大失態を受けてますからね。
(原作第6巻参照)
 ソ連国籍を持っていてKGBの教育を受けたマックス・ヴォルフとか、シュタージにはKGBとツーカーの人物がいて、この大失態ですよ。
 あるいは、ユーリ・アンドロポフがシュタージを見限って、内部工作をしたのか。
(私はこの説を支持しています)

 ミルケは、元犯罪者で低学歴だったため、シュタージの幹部将校からは見下げた態度をとられていましたが、彼らを黙らせる実力は持っていました。
個人的な醜聞を集める部署を指揮し、実力部隊のフェリックス・ジェルジンスキー警備連隊を自由にできる立場でした。
 ただ史実でもアンドロポフに頭が上がらなかったですから、シュタージの失策を攻められて、KGBスパイのシュミットに処刑されたとの見方も出来ます。
 そうすると中央偵察管理局のヴォルフも逮捕されたり、処刑されたのかもしれません。
花形部署の中央偵察管理局から、アクスマンが国境警備隊に左遷されるなど、懲罰人事があったとも見て取れます。
 ただ、中央偵察総局は、大卒者で締められ、学位のない者はシュタージ法科大学校で論文を書いて学士号や博士号を授与されるのが一般的でした。
ヴォルフ、ゴロトコフスキなどの幹部は、ミルケ手づからが指導教官となって、博士号を授与しています。

 女性で、なおかつ何の学位も経験もないベアトリクスが少佐になったのは、幹部子女という特権もありましょうが、シュタージの内部がぐじゃぐじゃだったのもあるでしょう。
シュタージでは、3年で中尉から中佐になった例もあるので、ありえなくはないですが、その場合はシュタージ大学の出身者か、他省庁からの出向をしている特務将校の場合がほとんどでした。
 ベア様は国防軍から出向している特務将校だったのかな?
でも第8局にいたので、生え抜きのシュタージ職員だったのでしょうけど……
航空要員がなんで捜査官にという疑問が残りますが、BETA戦争初期の東独はスターリン時代顔負けの大粛清でもしていたのでしょうか。
 柴犬世界の東独は、史実より人口が150万人も少ないですからね……
インテリゲンチャやシュタージの幹部、党の重要人物が脱走するのが続発していたのかな?
真面目に考察すると、末期ソ連や今の北鮮よりヤバい状態だったのではと思います。


追記:人口の件は原作の第7巻を見て確認してきました。
1500万人の難民が5年間で流入して、そこから1500万人が脱出し、1983年の段階で1500万人だそうです。
 2015年のドイツは人口8500万人に対して、難民が80万人来て、行政機能がストップしました。
1500万のソ連・東欧系の難民が来たら、1700万人強の東独の経済や社会は崩壊しますね。
 シュタージや内務省も粛清どころじゃなくて、国外出国させるので大忙しでしょう。
比較的罪の軽い犯罪者は野放しで、軍も警察も通常業務放り出して難民の監視に手を焼いていると思いますよ。
 これじゃあソ連への反抗心も起こるわけだわ……