「冥王来訪」の感想


 
コメント
レバノンの問題はパレスチナとかシリアとかイランではない、大レバノンこそ、1975年のレバノン内戦が爆発の根源です。 
作者からの返信
作者からの返信
 
 ご感想ありがとうございます。
>大レバノン
レバノン自体、フランスがシリアとトルコから切り離すまで、何の共通点のない地域でしたからね。
レバノン山岳地帯などは、オスマントルコから自治を認められた地方領主が治めていましたし、宗派も18近く分かれていて、非常に根深い対立を抱えてました。



>1975年のレバノン内戦
これもややこしい話で、最初、パレスチナゲリラを支援していたシリアは政治的立場を変えて、欧米よりになり、レバノン情勢に積極的に介入し、軍の進駐をするんですよ。
 このレバノン進駐には、米国の後押しもあったとされます。
シリア側は、イスラエルとの直接対決を避けるために、レバノン南部にいるPLOの過激派には行動してほしくなかった。
その為に、内密に米仏などの各国の了解を得て、軍の進駐を行ったという見解があります。
 
 

 『冥王来訪』作中でレバノンの経緯は、今思えば、いささか話を単純にしすぎたかなと思っております。
アルバート・ホーラーニーの『アラブの人々の歴史』(原著:"A History of the Arab Peoples")を読み返しながら、少し後悔しております。