「冥王来訪」の感想


 
コメント
雄渾さんにしてみえば、『BETA転生』をどう評しますが? 
作者からの返信
作者からの返信
 
 著者の鈴木颯手氏には悪いのですが、彼の性的嗜好が私には一切受けれることが出来ません。
BETA転生を読んでいると、どうも感性が合わないんですね。

18禁作品ではないので直接描写はありませんが、非常に性的で暴力的な作品です。
個人的に受け付けませんでした。

設定資料の読み込みの浅さや、人気を取るためのどぎつい展開、反抗的な態度を見せる女性キャラの排除などなど……

 一例を挙げれば、序盤でベアトリクスを雑に殺したのは、ベアトリクスの身持ちの固さを崩せないためでしょうね。
 ベアトリクスは、既に死んだユルゲンの事を常に心の奥底に擁き、彼が実現しようとしていた理想と信じている国家総動員体制を引くことを野望にする悪女キャラです。
 逆にいえば、ベアトリクスはユルゲンさえ、どうにかしてやれば暴走しないのですが、彼氏持ちというのはギャルゲーでとかく嫌われる存在です。
 原作小説を丹念に読む限りでは、ユルゲンはベアトリクスに好意を持っていますが、キス以上の関係には発展していません。
ですが、一部の二次創作や同人誌のせいで、レズビアンや性的に奔放な女と誤解され、その説が人口に膾炙されています。
第7巻でベアトリクスの事を、アクスマンが調略したいことをグレーテルに語る場面が出てきます。
この描写を見たとき、「おそらくベアトリクスは誰の手にも落ちていない」と直感しました。

 すでに以前の感想で述べましたが、アクスマンは基本的に非処女、とくに複数の男性と関係した女性を本心から嫌っています。
彼はいろいろと周囲の人に保護されて、性的被害にあっていないアイリスディーナも欲していました。

その証拠に、辱めを受け、売春を強要されているリィズに向かって次のような言葉で面罵するほどです。
「私は潔癖症でね……君など、汚(けが)らわしくてとても触れるものではない」
(『シュバルツェスマーケン REQUIEM -願い-』どうか、あの幸せな日々を、より引用)

以上の事から勘案すると、ベアトリクスはユルゲンと男女の関係にまで発展していないことは明白ですし、おそらくレズビアンでもないのは明らかでしょう。

 さて、このことは香月夕呼博士にも言えますね。
香月博士は、非常に劣情を誘うような衣服を着て、男に思わせぶりな言動をしていますが、これはオルタネイティヴの世界で考えれば、自分の進める第四計画の予算獲得のためにそういう言動をしている面もありましょう。
 また年上の頼れる男が好きという設定がありますから、本編中では明言されていませんが、父親との関係がうまくいかずに、愛情不足と言う事もありましょう。
年上好きの人間というのは往々にして、己の両親との関係がうまくいかなかったり、早くに死に別れたりするなどのケースが多いためです。
 ベアトリクスとアーベルの関係は、非常に悪いものでした。
ユルゲンが橋渡しをするのですが……
(私の二次創作では、その辺の部分を良い方向に変える様に大分考慮しました)

 香月博士を速攻で殺したのは、扱いづらい面もありましょうし、あと原作者の吉田社長の色の強いキャラクターだからでしょうね。
彼女の劇中の言動は、狂言回しであるだけではなく、吉田社長の分身の一つであると早くからファンの間で論議されてました。

政策研が吉田社長から別人に移った「ストライクフロンティア」時代には香月博士は麻薬づけにされ、廃人になり監禁されるシナリオもありました。
最後は鏡純夏の代わりに脳みそだけになるところで「ストライクフロンティア」が打ち切りになってしまったので、どうなったかは知りませんが……

 人間に偽装できるBETAになったのなら、無意味な世界征服などせずに、アイリスディーナやまりもちゃんを誘拐して、どこかの草庵にでも引っ込んでればいいのです。

 自分の下世話な感情を隠すために、延々と意味のない展開を繰り返して、悦に浸るのは、正視に耐えるえるものではございませんでした。

 私の作品も同様であるというのならばそれまでですが、とにかく感性の違いと申しましょうか、

 人間でない者が人間をというのも……正直虫唾(むしず)が走りましたし、洗脳調教のも大嫌いです。

いささか、少女趣味的と言われれば、それまでですが、男女の愛とは長い時間をかけてお互いの愛を確認するような展開が好みの私からすれば、一切受け入れられるものではありませんでした。


なお、『BETA転生』著者の鈴木颯手氏には、小生の愚論をご海容賜りますようお願い申し上げます。