「冥王来訪」の感想


 
コメント
技術開発は一旦停止すると大変ですね。 
作者からの返信
作者からの返信
 
>技術開発は一旦停止すると大変
 今回話題になったメッサーシュミット社だけではなく、戦後日本の航空機開発にも同様のことが言えますが、技術的な停滞を取り戻すのは容易ではありません。
YS-11、三菱重工のジェット機計画、MRJの失敗もその例に漏れません。

 西ドイツもそうですが、東ドイツもソ連によって厳しい産業制限がありました。
東ドイツには安価で良質な光学機器の技術があったのですが、許可されたのは双眼鏡のみで、潜望鏡や戦車の標準機の生産は厳しく制限されました。
一応、今も東ドイツの光学機器メーカーはシュナイダーやカールツアイスの子会社として安価なドイツ製光学機器を販売しています。


 現代ドイツの例ですが、統一後、大規模な国家事業をやめてしまったので、ベルリンのベルリン・ブランデンブルク国際空港の建設にはなんと20年以上かかりましたし、ドイツ海軍の新型フリゲート艦(駆逐艦より小型の艦艇で、快足を誇った帆船に由来する船種)バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート(125型フリゲート)も計画から建造まで15年の年月がかかりました。
15年かかって作った空港もフリゲート艦も居住性が非常に悪く、雨漏りや進水時に右舷に極端に傾くなど問題山積の状態で、運用が開始されました。
ドイツ海軍は結局、新型フリゲート艦を作り直す計画を今現在議会に提出中です。
 両者とも技術の伝承がうまくいかずに失敗した例として欧米のメディアでは盛んに酷評されました。
そう考えると、日本の公共事業も技術伝承という点では全くの無駄ではないのです。