「冥王来訪」の感想


 
良い点
ミクが可愛く反応するのが良い。
 
コメント
マサキは妻に厳しいタイプか?と思いました。ドイツは貧しいのに軍事国家体制を作れたのですね。 
作者からの返信
作者からの返信
 
返信が遅くなり申し訳ありません。
ご感想ありがとうございます。

>美久
彼女は推論型AIという人間の反応を学習して自己成長をする電子頭脳を搭載したアンドロイドです。
OVA4巻での反応などを見るに、より人間的な反応を学習して、人間以上に人間らしい、女らしい反応をするのではないかという事を考えて、今回の話を作りました。


>妻に厳しいタイプ?
外国人と結婚した夫婦でもめるのが、文化の違いによる食事ですね。
有名なところでは、欧米人は山野に自生するゴボウを薬草にしますが、日本や韓国の様に食用にはしません。
後ほど詳しく話しますが、ドイツ人は経済的に豊かになった今日でも決まった物しか食べない習慣があるので、多種多様な食材を食べる現代日本人からすると献立に非常な不満を覚えるのです。

>ドイツは貧しい
今日の経済大国ドイツからすれば、貧しい国というと連想できませんが、少なくとも19世紀中ごろまでは貧しく、主要な輸出品は海外移民でした。
船に乗れる経済的余裕のある人間がアメリカに、貧しい農民などはロシアにという形で数百万人が移住しました。
アメリカでは全人口の15パーセントがドイツ系で、ロシアでは2パーセントほどの200万人に上ります。

ドイツは、北緯52度で、過酷な環境です

夏は17時間の日照時間で、乾燥した暑さが続き、寝不足になりやすく、年間降水量も少ないので夕立どころか、雨も降りません。
そのせいか、飲料水も少ないので、人々は生の水よりビールを飲みました。
今でもドイツでは、水よりビールの方が安いです。
また水は硬水なので、日本の軟水と比べるとすごい飲みづらい水です。
 降水量が少ないので、稲のような穀類は種類を選んだものしか育てられない土地でした。
(比較にいえば、化学肥料が登場する前のドイツの小麦収穫量は三倍で、一方の支那は40倍でした。いかに痩せていた土地であったか、わかります)
ジャガイモが17世紀以降入ってくるまでは、農民は、いつ焼いたかわからない硬いライムギの黒パンを削って、冬に入る前に燻製にした豚肉などを食べていました。
 ドイツ人がハムやソーセージを好む理由はそういう理由があるのです。


冬は、7時間ほどしか日照時間がない期間が長いため、くる病やうつ病などにかかりやすく、作物もあまり育ちません。
ですから小麦やライ麦などはそんなに取れず、マメ科の植物を食べ、夏に準備した豚肉や油漬けの魚をナイフで切って、手づかみで食べていました。
(フォークが庶民レベルで普及するのは19世紀後半)

 温かい食事を日に一食しかとらないのは、薪木の節約でした。
パンも三日に一回焼けばいい方で、一週間分をまとめて焼いていましたから、硬く刃物が通らないほど焼きしまっており、それを薄い豆のスープや油に浸して食べていました。

 森林におおわれている現在のドイツからすると不思議ですが、これは17世紀の30年戦争以降に植樹した森林です。
 参考までに、30年戦争当時のドイツは、村々は荒れ果て、山ははげ山で、食い詰めた農民が夜盗に化け、傭兵が集落や貴族の邸宅を荒らし、妻や娘を戦利品に奪い去るという地獄絵図を広げた世界でした。
 そういう国ですから9月までに冬を超える準備をしないと文字通り死ぬのです。
童話「ヘンゼルとグレーテル」は、18世紀まであった森に子供を捨ててくる習慣を今に伝える話です。
季節外れの寒波が来た秋口に、生活苦にあえぐ木こりの夫妻が子供を山に置いてくる口減らしの話で、ヘンゼルとグレーテルは幸運なことに助かりましたが、大部分の子供はそのまま森で朽ち果てたでしょう。

(ちなみにグレーテルは、元は、グレーテちゃんという意味のドイツ語で、マルガレーテの愛称です)


 ちなみにイタリアやスペインなどはそこまで冬や飢饉は厳しくありませんでした。
村の名主や地方の貴族が小麦を備蓄しておいて、飢饉時には開放するなどしていました。
また、対岸の北アフリカやトルコなどから金銭で購入するなどの方法もドイツよりずっと有利でした。


>軍事国家体制
 これに関しては、述べると非常に長い話になるので、あとで小説の中でプロシア王国の時代以降、ドイツが苦心して、連邦国家になり、近代化したのかの話をしましょう。


 長々と話しましたが、楽しんでいただいてもらった様で、幸いです。