「冥王来訪」の感想


 
コメント
雄渾さんは突っ込みすぎでした、あなたの言い方からみえば、吉宗綱紀社長は味方の権力闘争とは甘いや宇宙怪獣BETAが弱いを描きと愚かな監督ですが? 
作者からの返信
作者からの返信
 
>味方の権力闘争
これはやりすぎの節があります。
国家や人類の命運を決める選択を迫られる重大な局面で、体制に不満を持つ分子が武力闘争で混乱させる。
隠ぺいすべき情報が敵に持ち出され、主人公陣営が身動きができなくなる。
それによってBETAが活性化して、危機的な状況に落ちいる。

最初の作品とかはそれなりに納得しましたが、主だった脚本家や依頼された作家が去ったせいでしょう。

ご都合主義と称されるほどに主人公側に悪い展開が続き、シリーズ継続のために吉田社長の気まぐれで後出し設定を出されるので、読後感として、時間をかけたという達成感は得られるのですが、物語の中でのストレスが劇中で解決されない。
カタルシス(catharsis)が得られないのです。

あとは設定が緻密なようで、緻密ではないことですね。
多数の脚本家や作家がいる頃は誤差が目立たなかったのですが、彼らがいなくなった途端にその後差が目立つようになりましたね。
 ガンダムシリーズも一番最初の作品が深くて面白いですね。
後に有名になる脚本家たちが多数参加していて、細かい話も深みがありますので。
(もちろん、ZガンダムやZZの時も多数脚本家は参加していますが、冨野監督の影響力が強いものになっています)


火星に探査ロケットを1957年の段階で送れるほどのロケット技術が進んでいて、月に宇宙基地があるのに、電子部品の発達が遅れている世界。
 現実の兵器体系から浮き出ているようなロボット兵器に関しては、ロボット物としてご都合主義で構わないのですが、その運用が稚拙で、あまりにも損失が大きすぎる点。

柴犬の時点ならともかく、1990年代には米軍は空中発射型のデコイ「ADM-141」を実現しているはずです。
もっともマブラヴ世界はレバノン内戦が起きていないので、仮に米国企業が開発しても実戦配備まで非常に時間がかかるでしょうから遅れるとは思いますが、現実よりロケット技術が発達している世界でこういうものが出なかったのはおかしいだろうと思うわけです。



 立憲君主制の土台を壊し、将軍独裁を進めるクーデターを未然にわかっていながら止めない将軍・煌武院悠陽、部隊を引き締めるために神宮司少佐を殺した香月博士など。
(鎧衣課長クラスが知っていて止められなかった方が現実的です)

 狭霧大尉の理由などはさほど気になりませんでした。
だが国家の指導者が戦時でクーデターをやらせたらどうなるか、わかってないのかな。
悠陽は周囲のものに操られている人形だったのかなと、冷めた見方をしてしまいます。



 まあ、長々と述べてしまいましたが、多少の粗はファンは我慢できるものですよ。
ただマブラヴは後出しで言い訳みたいなものをされるので、集中して見ていた人間としては気持ちがめげてしまうのです。
思い入れが深いからこそ、その反動として不満が出てきてしまう面があります。