「IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」の感想

still
still
 
良い点
アイスココアさんが格好よすぎて。
なんかもう、お見事!としか言い様ないですね。
ラインハルトを嫌いな訳じゃないのに、なんなんだろうこの爽快感…。

感想欄でSEKKYOUとかDANZAIって言ってるのを見かけましたけど、私的にはココア閣下のは別物じゃないかなぁと思います。
自分の感情や価値観、正義感でSEKKYOUとかDANZAIしてるんじゃなくて、相手の失点を「どこを焦点に据えて」「どんな態度で」「どんな言葉で責めれば一番ダメージが大きいか」全部計算づくでやってそう。
DANZAIっていうより断罪ショーでしょう。
当事者や観衆のみならず読者すら味方につけるココア閣下の役者っぷり半端ない。

さすがだなって思うのは、相手を追い詰める時に事実と正論しか使わない事ですね。
事実だから相手は否定できないし、正論だから説得力があって周囲の共感や賛同を得られやすいし、嘘や欺瞞がないから真実が明るみに出ての逆転劇!なんて展開が起こり得ない。
そして、「事実のひとつ」を「唯一の真実」だと思わせる思考誘導、相手が悪だと周囲に(場合によっては当人にすらも)認識させる手腕が、ほんと鮮やか!ずっとココア閣下のターン!
亡命編で言ってた「口喧嘩なら誰にも負けない」は伊達じゃないですね。
弁護士とか宗教家とか政治家とかになったら大成功しそう(笑)

エルウィン・ヨーゼフ陛下が可愛い。
あと、すごく聡明に見えます。
----以下、つらつらと妄想綴ってます。長文すみません。不愉快な方は飛ばしてください。
新無優宮を破壊され反逆者に捕まり銃で脅されて、祖父の暗殺の真実を知り人間不信になって……って、普通の六歳児ならとてもじゃないけど受け止めきれないでしょう。
暴れたり逃避したり癇癪起こしたりせずに、懸命に自分の立場を、状況を理解しようとする姿にはすごく好感抱きます。
こうなると登場時の癇癪はなんだったんだって感じですが、幼帝の状況を思うに、回りにろくな大人がいなかったんじゃないかなと思ったり…。甘やかすだけの乳母、権威を利用しようとする表面上は傅く臣下…まともに向き合ってくれる相手がいない故の不満の爆発だったりしたら納得です。
ココアさんに懐いた理由も。
ココアさんの幼帝への誠実に見える態度ってパフォーマンスもあるだろうけど、たぶん、演技だけじゃないですよね。
勝手な妄想ですけど、私的には、最後の温情かな、と思ったり。
皇帝に祭り上げられた以上、死ぬか奪われるかしない限り、その立場からは逃れられない。逃げられないならせめて、利用されるだけの一生じゃなく、どう生きるか自分で選べるように知識と情報を与えた、みたいな。
面倒見る気はさらさらなくて、知識と情報は与えたんだから、この後どう生きるかはお前の勝手で、お前の責任だ、っていう良く言うと個人を尊重した、悪く言うと突き放した態度。
ただ、利用する気はなかったわけだから、求められれば嘘偽りなく真摯で誠実に対応したんだろうな、と。
子供って向けられる感情に敏感だし、そういう誠実さを感じ取ったのかな、と。
初対面で散々脅したし、ココアさん当人はなつかれたのは想定外でしょう(笑)
あ、感想欄で出てた生存本能で懐いたってのもなるほどって思いました。ストックホルム症候群か。

 
コメント
ベルセルクシリーズ、本当に面白いです。
毎度毎度続きが気になりすぎて、日参どころかネット繋げている間は時参しちゃってます。
最新話が上がってすぐに結構な数の感想が上がる事から、時参状態になってるのは私だけじゃないはず(笑)
最近は更新が早くてとても嬉しいです。
無理せず、作者様のペースで執筆頑張ってください。

次シリーズ、主人公がエーリカたんなら女大公編がとても気になります。
女で皇帝の孫なら戦場に出られないだろうし、政略・謀略中心ですよね?
暗躍するのか、表立って活躍するのか、皇位を巡って争う立場になるわけだけど門閥貴族たちとの関係は?ラインハルト・艦隊司令官達との関係は?…いろいろと妄想が止まりません。
ラインハルトの可愛げのない臣下編も気になります。
ラインハルトに協力して貴族を潰すのはエーリッヒの当初の目標ですし、一度くらい、その願いが叶った姿を見てみたいです。
部下の部下編も、他の話とは立場が逆になるわけだから、艦隊司令官達の態度が今まで見たことない感じになりそうで気になります。
ミュラーが上官とか、なにその絶大な安心感(笑)
ロイエンタールは…どこかのエーリッヒが悪夢で見てましたよね。ああならないことを祈ります(-人-;)
フェザーン編は話の想像がさっぱりできなくて、これまた気になる。
個人的には上げた順で気になってますが、結局どれも気になってるので新シリーズ連載、何が来ても万々歳です!
楽しみにしていますね。