ルドガーinD×D
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第十一話:新しい後輩!!
授業参観も無事に終わり、静かになった放課後、俺たちは旧校舎のある一室に来ていた
「『keep out』ってもう一人の僧侶はそんなに危ないやつなんですか?」
部屋の扉に貼られた『keep out』 の文字にイッセーが若干、怯えながら部長に聞く
「彼自身はいい子よ、ただ、彼の神器が強すぎるの、しかも、それを使いこなせてないからこういった処置をするしかなかったの……」
そう言って悲しそうな顔をする部長
「まあ、それも今日でお終いです、コカビエルの一件で部長の評価が上がりましたのでこうして彼を出してあげられるのですし」
「そうね……朱乃、開けて頂戴」
「わかりました」
朱乃さんは扉にかかっていた術式を解き、ゆっくりと扉を開ける、そこには――
「いいいいやああああああっっっ!!!!??」
こちらを見て絶叫する、何故か段ボールに入ったこがらな金髪美少女がいた
これがいわゆる箱入り娘ってやつか……
「そんな……俺のダブル金髪美少女僧侶の夢が!!!??」
「…人の夢と書いて――」
「儚いと読む」
「ちくしょーっ!!!」
封じられていた僧侶ギャスパー・ヴラディは一見すれば絶世の美少女だ、しかし――
「なんで…なんで、部屋から出ないのに女装何てしてるんだよ!!?普通は誰かに見せるためにやるもんだろ!!!??」
そう、ギャスパーはれっきとした男だ、しかも女装癖の
「だ、だって女の子の服の方が可愛いんだもん!!!」
「だもん、なんて使うんじゃねーよ!!!事実を知らない奴が聞いたら危うく道を踏み外すとこだぞ!!!??」
それにしてもさっきからイッセーの奴凄いツッコミだな
よほど、ギャスパーが男だという事実が堪えたらしい
「ええい!!そんなに女装が好きなら堂々と外で見せてこい!!!行くぞ!!!」
「い、いやですううううっ!!!お外怖いですううううっ!!!??」
しかも、重度の引きこもりと来たか……これはいろいろと苦労しそうだな
「…ヘタレヴァンパイア」
「うわーん!!小猫ちゃんが苛めるううううっ!!!」
小猫ちゃんの辛辣な言葉がギャスパーを襲う、効果は抜群だ!!
という冗談は置いておいて、ギャスパーをこの部屋から
……いやまずは段ボールから出さないことには話が進まないな
「大丈夫ですわよ、ギャスパー君を傷つける人はここにはいませんわよ」
「そうよ、ギャスパー、一緒にお外に行きましょう?」
朱乃さんと部長が優しく外に連れ出そうと声をかけるが全く効果はない
「嫌です、嫌です、いやですううううっ!!!!」
突然ギャスパーの眼が輝き始めたと思ったらみんなの動きがピタリと止まってしまった
「これは…時を止めたのか」
クロノスと似たような能力か、まあ、流石に力の次元が違うけど
「ひっ!?ぼ、僕の能力が効かないんですか!!?」
「そうみたいだな、純粋に自分より強い奴は止めれないんだろ?」
「……あれ?何でギャスパーが消えて――ってみんな止まってる!!!??」
イッセーは動けるようになったのか、流石は赤龍帝と言ったところか
「イッセー、これはギャスパーの能力みたいだ」
「ん?ルドガーも動けるのか!?」
「ああ」
「それにしても……」
そう言って何やら考え込むイッセー、その様子をギャスパーが恐々と見ている
おおよそ、自分が拒絶されないか心配してるんだろうな、だがそんな心配は無用だ
なんせ、アイツは――
「これを使えばおっぱいが好きなだけ揉める!!?」
「魔人拳!!!」
「ごふっ!!?」
―底なしのエロだからな―
「あれ?いつの間に二人はそんなところに――ってどうしてイッセー君は気絶しているんだい?」
「気にするな、祐斗、ギャスパーの能力を悪用しようとしていたから、お灸を据えてやっただけだ」
「なるほど何となくわかったよ」
俺が祐斗と話している間にイッセーはアーシアの献身的な介護により復活していた
そしてそれと同時に何かを察した小猫ちゃんにボディブローを食らっていた
グッジョブだ、小猫ちゃん!!
「それで部長ギャスパーの能力は結局何なんですか?」
「『停止世界の邪眼』といって自分の視界に入るものの時間を止めることが出来る能力よ」
「ううう……僕はこんなの欲しくなかったですううううっ!!!」
「ギャスパーはこの神器のせいで人間界では化け物としてヴァンパイアとしては純血でないという理由で差別されてきたの……」
ギャスパーにそんな過去があったのか
……こういう時にはどうすればいいか良く分からないけど
自分に出来ることをするのが一番だよな
「ギャスパー、一つ聞きたいことがあるんだが?」
「な、なんですか?」
「好きな食べ物はあるか?」
俺の言葉にポカンとするギャスパーだったが直ぐに気を取り戻し顔を赤らめながらも教えてくれた
「オ、オムレツ……ですう……」
「そうかオムレツか、ちょっと待っててくれ…部長、少し時間を下さい」
「ふふ、わかったわ」
「ルドガー、私の分も頼む」
「…私もお願いします」
ゼノヴィアに小猫ちゃん……何ちゃっかり注文してるんだ?
まあ、一人作るのも二人作るのも対して変わらないけど
「えっと…?」
「ふふ、ルドガー君は料理がとっても上手なんですよ」
「はい、私もあれぐらい上手になれたらなっていつも思ってるんですよ」
朱乃さんとアーシアの言葉に何だかプレッシャーがかかる……
自信はあるけど期待されるとなあ………
「そういえば、私もお腹が減ってきたわね」
「そういえば俺も……」
「僕も久しぶりにルドガー君が作るご飯が食べたいな」
部長の言葉にイッセーと祐斗も同調する
「ええと……俺のオムレツが食べたい人、挙手!!」
「「「「「「「はい!!!」」」」」」」
はい、はい、作りますよ、作ります!!え?怒ってるのかって?
嫌だな、俺の料理がみんなに認められて俺はむしろ嬉しいんだよ
いや、マジで……うん……
「お、美味しいですううううっ!!!」
「本当にそうよね、ルドガー、あなたグレモリー家専属の料理人にならない?」
「嬉しいですけど今のところその気はないです」
俺のトマト入りオムレツに舌鼓をうつ、みんな
ギャスパーも気に入ってくれたみたいで嬉しい限りだ、しっかり段ボールからも出てるしな
「今まで食べたオムレツの中で一番美味しいですううう、ルドガー先輩どうやったらこんなに美味しく作れるんですか?」
「何か隠し味でもあるのかい?」
どうやったら美味しく出来るか、か…まあ、答えは単純だな
「料理は愛情だ、愛情は最高の調味料になるからな」
すると何故か固まるみんな、え?何?
「…意外です、ルドガー先輩ってそんなことをいうんですね」
「素敵な答えですね、まるで恋する乙女のようですね」
「そう言うセリフは女の子に言って欲しいものだぜ」
何だよ、その反応!?
俺は料理を作るうえで最も大切なことを言っただけなのに!!!
くそ、こうなったらみんなが理解するまで語ってやろうじゃないか!!!
「いいか、みんな!!想像して見てくれ、自分の大切な誰か、その人が自分が疲れ果てて帰ってきたときに手にいっぱい切り傷や火傷を負いながらも笑顔で出してくれた料理が美味しくないはずがあるか?例えあちこち焦げていても、麺が伸びていても、それが美味しくないわけないだろ!!?」
そこでみんなの顔を見回すとみんな目に涙を溜めて思いをはせていた
「俺は今回ギャスパーが少しでも俺たちに慣れてくれるように願ってこの料理を作ったんだ、それが俺の新しい仲間への愛情だ!!!」
言いたいことを言い終えすっきりとした気分でいるとギャスパーが俺の隣に来た
「ルドガー先輩……先輩の愛情しっかりと僕は受け取りましたです!!!」
「ギャスパー……俺の気持がわかってくれたか?」
「はいですうううっ!!!先輩の僕への心遣い、しっかりと感じ取れました!!!」
「ギャスパー!!!」
「ルドガー先輩!!!」
「ギャスパアアッー!!!!」
「ルドガー先輩いいいっ!!!!」
お互いの友情を確かめる様に俺たちは名前を叫びながら固い抱擁を交わしたのだった
………後で冷静になって振り返るとかなり恥ずかしいことをしていたが
ギャスパーとの熱い友情が出来たので気にしないことに決めた
後書き
ルドガーさんとギャスパーの有効度UP!!!
オムレツ好きという設定はないけど、ルドガーさんにトマト入りオムレツを作らせたくて
オリジナル設定にさせてもらいました!!後悔はしてません(キリッ)
それではいつものごとく今回も読んでくださった方ありがとうございますm(__)m
これからも頑張って投稿させてもらいます!!
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