魔法科高校の有能な劣等生
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
零と風華
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメントを下さい
無月 零は凸凹に近い地面に倒れ込んでいた。
服は土まみれで少し破れ気味、息を切らし今にでも眠りそうな感じ。
「大丈夫かな?」
手に差し伸べ那覇は言う。
俺はその手を借り立ち上がるが今にでも意識が途切れそうな予感がした。
「相当、疲れているようだね。
少し私も大人気なかった」
「いえ、俺の実力不足がこの結果です。
次に手合わせする機会があれば絶対に勝ちます」
今の俺の実力では一条家当主、一条 那覇には敵わない。
魔法の的確さスピード、頭の切れ。
全てに置いて俺の数倍、いやそれ以上の実力差が有るのは歴然だ。
「次に手合わせか。
その時は私の負けかも知れないな」
何故か嬉しそうに言う。
次に手合わせと言ったが俺が勝てる見込みはほぼ無い。
勝算も勝つために必要な方程式も
「それにしても那覇殿のオリジナル魔法ガイアクロックは素晴らしい魔法です。
あんな魔法を御自分で創るなど俺には到底出来ません」
爆発地雷式永久魔法ガイアクロック
地面に魔法式を展開させ、それに触れた感知されたら爆発する仕組みの永久型魔法式
一度、発動したならば爆発するか発動した魔法師が解除しなければ永久に永遠に解かれる事は無い。
それが1つや2つなら俺でも対処出来たが一度に数え切れない程の魔法式を展開されては勝つ勝算は0だ。
「あれはとても危険な魔法でね。
殺傷ランクS、普通は使ってはいけない魔法だが君と手合わせしていると
口にするのが難しいがウズウズしたと言えば良いのかな?」
後半は何が言いたいのか解りかねないが殺傷ランクS?
そんな魔法を俺に使って来たのか?
下手をしなくても手加減しても死んでたと思うが?
「そんな魔法を俺に発動してきたのですか?」
「ああ、君の実力は素晴らしいからね。
少し君の潜在能力を確かめさせて貰った」
「俺にはそんな実力も潜在能力も有りませんよ」
実力、ジジ、無月閻魔、一条 那覇に比べれば俺は虫けら同然のカスキャラだ。
潜在能力なんて俺は自分を信じていないので
そんな嘘っぱちも信じないし考えられない。
「いや、君には素晴らしい力、魔法が有る。
私が使った魔法を打ち消し終盤ではガイアクロックを完璧に打ち消していた。
ま、確かに途中から私も少々、本気を出してガイアクロックを発動し過ぎたが、、、」
途中、那覇のオリジナル魔法ガイアクロックが爆発的に増大した。
終盤の序盤の頃はガイアクロックを打ち消す事になった成功したが途中からガイアクロックの魔法式は何倍にも増え相殺可能範囲を余裕で超えていた。
「そうだったんですか。
少し少し嬉しいです」
「嬉しい?」
「はい、那覇殿は俺みたいな存在に本気になってくれた。
それが嬉しくて」
ジジや父、無月閻魔は練習、演習、模擬戦だろうが俺には本気を出さない。
いや出さなくても俺に勝てる圧倒的自身が有るのだろう。
それだけジジと演習とは実力が離れ過ぎていると言う事だ。
だが、そんな俺に那覇は少しとはいえ本気を出してくれた。
それが俺にとってはとても嬉しかった。
「変わった少年だな零君は
私の娘とは、ま逆と言える存在だ」
「ま逆ですか?
俺と風華は?」
「おや?
もう名前で呼ぶ仲かい?」
那覇はとても興味津々そうな顔でコチラを見つめて来る。
風華の父上の前で名前で呼ぶのはもう少し先の方が良いだろう。
俺はそう思った。
「し、失礼しました」
「いやいや別に怒っている訳では無いんだ。
ただ少し意外と思ってね」
「意外ですか?」
俺はそんなに意外そうに見える人物なのだろうか?
よく人には見た目とギャップが違うと言われるが。
「風華は人と離すのが余り得意ではなくてね。
家では1人の時が多いんだ」
「俺と、同じです」
家では1人、それは当たり前に近い事だった。
人と話しても俺の正体を知っている人間は俺から離れ逃げようとする。
それが友達であっても、、、、、、、、、
「でも君と風華は何故か似ている。
見た目、性格、体格は違えど似ているんだ君達は」
那覇の言葉は理解出来た。
初めて俺と風華が会った時、何故か俺と何処か似ていると思った?
感覚、直感と言えるそれは確かに存在するのかも知れない。
「俺もそう思います」
俺は小さな声で言った。
その言葉は小さすぎて那覇の耳には聞こえていない筈なのに那覇の顔は笑っていた。
ページ上へ戻る