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ペルなの

作者:御門
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番外編:ブラザーズのおつかい

 
前書き
繋ぎとして昔練習で書いて存在を忘れてた短編をどうぞ。時間軸的にはスカウトの少し後辺りです。 

 
『ヒホー!ここじゃないホー!』

『いやこの辺りの筈ホー!オイラの第六感がそう告げてるホー!』

『何が第六感だホー!適当にプカプカ浮いてただけヒホー!』

『適当じゃないホー!このランタンが照らす道こそがオイラの輝かしいロードとなるホー!』

『ヒホー、何かそう聞くとカッコいいホー』

『そうだホー?オイラがエースの称号を抱く日も近いホー!』

『ランタンがエースとかホーwww』

『おい、ちょっと顔貸せホー』

『派生や亜種のいないランタンが上等だヒホー。UFOキャッチャーの商品どころかガンナーの帽子アクセにもなれないランタンがオイラに勝てると思ってるなら、その幻想をぶち壊してやるホー!』

『火炎弱点が出来るもんならやってるホー。最近全く陽の目を見ないジャックリパーポジションに送ってやるホー!』

『なら行くホー!』

『来いホー!』

『『デュエルホー!』』




「アレは、何をしてるのかしらね……」

「何かのカードゲームみたいですけど?」

「アレって無海さんの使い魔ですよね。シグナム副隊長諸とも全員を一斉に転倒させた」

「あの戦いを見てなかった人は無事だったらしいから、ヴィータ副隊長は視覚を媒介にした呪いの一種じゃないかとか言ってたよね。あの時はホントに驚いたなぁ」

「それよりも今は通路を占領して通れないのが問題よ。また突然転ばされたりしないわよね?」

「大丈夫じゃない?やたらリアクション激しくカードゲームしてるし」

「……それが何の根拠になるのよ」

「取り敢えず話し掛けてみましょう。主の無海さんは優しい人ですし、きっと使い魔の子たちも優しいですよ」

「うん。このまま立ち往生してる訳にもいきませんし」

「……そうね。最後等辺に出てきた死神みたいのと違って弱そうな感じだし、取り敢えず当たって砕けてみましょうか」




「このターンで決めるホー!《シュタイン》と《キョンシー》を融☆合!《冥界龍 ドラゴネクロ》だホー!強いホー!」

「《融合解除》ヒホー」

「ホー!?何で入ってるホー!」

「怨むならストラクチャーを怨むホーwww」

「ちょっといいかしら」

「「ヒホ?」」

「なんか見たことがある気がしなくもない気がするのが四人居るホー」

「これはきっとアレだホー。四天王的なのだホー」

「ヒホッ!?ビシャモンテン達と同じホー!」

「きっと刹那五月雨撃とか使うんだホー!」

「強いホー!怖いホー!」

「シテンノー、って何かな?」

「多分、四人組の何かだとは思うけど…」

「違う違う。あたし達はその、シテンノー?とかじゃ……」

「こうなったら先手必勝だホー!殺るホー!」

「そうだホー!マスターのお使い達成のためにも負けられないホー!」

「ちょっ!?」

「マハフブホー!」「マハラギホー!」

「うわあぁっ!?……あれ?」

「えっと、何か相殺したみたいですけど……」

「何してるホー!マハフブが無駄撃ちになったホー!」

「ヒホー!!こっちのセリフだホー!もっと考えて撃つホー!」


「やるホー?」

「上等ヒホー。返り討ちにしてやるホー」

「「デュエ……」」

「ちょっと待ちなさい!!」

「「ヒホ?」」

「アンタ達、こんな狭い場所でカードなんて広げて邪魔なのよ!そういうことをするならもっと広いスペースのある所でしなさい!」

「おぉ、流石はティア。相手が雪ダルマとカボチャお化けでもハッキリ言うね!」

「うるさい!」

「ヒホ~。でもオイラ達はマスターからのお使いがあるホー」

「そうだホー。お使いを達成しないとマスターに合わせる顔が無いホー」

「そのお使いって何なんですか?」

「マスターが『初恋ジュース~極東スペシャルブレンド~』を飲みたいって言ってたんだホー」

「この近くの自販機に置いてたはずだから探してるんだホー」

「…………アレを?」

「知ってるんですか?ティアナさん」

「……まぁ、ね。結構有名なのでね。飲んだらトラウマになるとか、発狂するとか、人害が好飲する謎の液体だとか、飲むと三日三晩眠れなくなるやら色んな話があるけど管理局発足以来延々と自販機のラインナップに残り続けてる謎のジュースよ」

「そこらの栄養ドリンクとかエナジードリンクなんて裸足で逃げ出すぐらい栄養とか満点みたいなんだけど、とても不味いらしいだよね」

「はぁ、そうなんですか」

「ホントにあんなのを買う気?無海さんの事を思うんなら止めといた方がいいと思うけど」

「それはダメだホー。マスターが買ってくる様に言ってたんだホー」

「そうだホー。飲んだら勇気が限界突破しそうとか言ってたんだホー」

「確かに勇気は上がりそうだけど……」

「……まぁいいわ。そこまで言うなら現物を持ち帰って無海さんに伝えて。ソレは興味本意で手を出していい物質では無いって。これを約束出来るなら自販機の場所を教えてあげるわ」

「ティア!?」

「ヒホー!わかったホー!」

「マスターにはそう伝えるヒホー!」

「そう。自販機はあっちの通路の突き当たりを右に曲がった階段付近の自販機に必ず一本は置かれてるわ」

「ありがとヒホー!」

「早速行くホー」

「ああっ!……ティア、教えて良かったの?」

「ただの興味本意ならプルタブを開けた時点でゴミ箱に放り込むわよ。あの使い魔供を放置も出来ないし、一応は死にはしないんだし、本気で飲みたいならしょうがないわ。それになのはさん達に一報入れとけばなのはさん達が止めてくれるわよ」

「そっか、ならなのはさんに連絡するね!」

「あっ、じゃあボクはフェイトさんに連絡しますね」

「私は部隊長に入れるからキャロはシャマルさんに連絡して」

「わかりました」

















その後、彼女は『初恋ジュース~極東スペシャルブレンド~』初の完飲者として管理局内通信のインタビューにてこう語ったという。


『友人が創ったお弁当に比べれば普通に食べ物の範疇でしたね。味覚に乗る時点ではまだまだ、口に入れた瞬間に意識がシャットアウトされて初めて友人のお弁当と肩を並べて同じステージで語れます。初恋ジュースは確かにインパクトのあるドリンクでしたが、ただそこにあるだけで周囲に呪いを振り撒いたりはしない真っ当な清涼飲料水ですよ』



 
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