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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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本編
  二話~訓練

 
前書き
デバイス登場でーす

6/20改定を行いました。 

 
side シャーリィ


「………できたーぁ!」
「お疲れ様です、シャーリィ」


はやてさんの依頼で作った二つのデバイス。依頼された時点では『基本機能のみを完成させたら少し待ってて』といわれたので簡単な仕事かと思っていたら、
『二人の戦闘スタイルにできるだけ合わせたものをよろしく』といわれその作業に今の今まで追われていた、というわけだ。とはいえ、間に合わせでつけた機能なので、これからも定期的にアップグレードを行わなければならないのではあるが。


「私が届けてくるので、シャーリィは休んでいてくださいです」
「ありがとうございます、リイン曹長」


徹夜明けの私はひと眠りしに自室へ戻ることにした。




side なのは


リインから二人のためのデバイスを受け取り、朝の訓練に持って行く。
二人はすでに来ていて、一戦交えた後のようだ。


「士郎君、ランス君、おはよう」
「ああ、おはようなのは」
「おう、おはようさん」
「これ、ついさっき完成したばかりの二人のデバイス『ソードワーカー』と『レッドブランチ』だよ」


二人に大よその機能説明をする。まずは士郎君のソードワーカーから。


「士郎君ソードワーカーは昨日使っていた二本の剣を模した双剣型アームドデバイスで、ブレイドフォームとボウフォームの二種類あるからね。切り替えはフォームチェンジ、って命じてくれればOKだよ」
「なるほど、概ねは理解した」


次にランス君のレッドブランチ。


「ランス君のレッドブランチはゲイ・ボルグに似せた槍型アームドデバイスで、遠距離投擲ができるようにバリアジャケットへの転送式を組み込んであるから手元に戻したいときは転送式を起動させてね」
「ほう、中々にいい機能じゃねえか。ありがたくいただくぜ」


一通りの説明を終えたところで今日の予定の説明に入る。


「今日からは訓練ではこの子たちを使って空中戦闘訓練をメインでやっていってもらうよ。フェイトちゃんにも空いてるときはお願いしてあるから。基礎はスバルたちが来るまで私が教えるよ」
「まさか空中戦をすることになるとは思わなかったぞ……」
「面白そうじゃねえか、早速はじめようぜ」


やる気があるのはいいことなんだけど、バリアジャケットもなしに飛行するのはちょっと、いやかなり危ない。なのでバリアジャケットは装備してもらう。


「その前にバリアジャケットを展開してね」
「そのことだが、なのは。私たちサーヴァントには各々でランクは違うが対魔力がもともと備わっている。それに私たちの戦闘用の服は英霊としての物。防御面はおそらくバリアジャケットより優秀だ」
「そ、それならいいけど……」


その後、スバルたちが来るまでの三十分間空戦の基礎を覚えてもらった。
ランス君はすぐ慣れたみたいだけど、士郎君は少し時間がかかった。それでも、普通の人たちと比べると速いんだけどね。それと、毎日訓練終了後はシャーリーに預けてメンテナンスとアップグレードをしてもらうように指示した。今の状態だと性能としては最低クラスだし、それをシャーリーは良しとしないだろうしね………。




side ランス


実際にやってみると空中戦ってのは中々に難しい。何よりも、上下左右すべてからの攻撃の対応。こいつがなかなか難しい。だが、アーチャーの奴はそこまでデバイス使いこなしていねえからまだ脅威ではないが、こいつは慣れればかなり器用に使いこなすだろう。俺も負けてはいられねえ。こいつも早く愛槍(ゲイ・ボルグ)並みに使いこなしてやんねえとな。しかしだ。それとは別にこいつら異世界連中にかなりの情報を与えている。あいつ、少し人を信用しすぎだ。嬢ちゃんや坊主に「疑うことを覚えろ」とか言ってたやつにしては変だ。今夜あたりにでも話をしとかねえとな。




side ティアナ


士郎さんとランスさんもデバイスを使っての訓練をすることになった。初めて扱うのにあそこまで使いこなしているうえに、高ランク魔導士じゃないとできない飛行までこなしてるなんて、あの二人の才能がうらやましい。でも、私にはそんな才能はない。だったら、ただひたすらに努力するだけ―――!




side 士郎


ランサーが難なくこなした飛行を行うにも時間を要した。私はやはり非才の身。


「すまないな、ワーカー。私が慣れるまで少しばかり酷使することになる。フルメンテはしてもらうようにするが、大丈夫か?」
[問題ありません]
「そうか。感謝する。しかし、ボウフォームはいいが、ブレイドフォームが少し扱いづらいな。鶴翼三連などはもちろん使えんからな………」


しかし、訓練後にまたひと仕事とは……マスターもなかなかにこき使ってくれるな。


「士郎ちゃ~ん。そこの野菜炒めお願いね~」
「終わったらこっちでコロッケあげといてね~」
「こっちの玉葱の仕込みもお願いね~」
「了解した」


今私は、厨房にておばちゃんたちと隊員の食事作りをしている。あっちへ行き、こっちへ行き、を繰り返して大量の料理を作っていく。ちなみに服装は六課の隊員制服の上に割烹着という色々と間違ってる気がする格好だ。


「お~、やってるなあ士郎」
「士郎君その格好似合うよ~」
「なのは、それ男の人が聞いてもうれしくないと思うよ………」


そんな私の姿をマスター、なのは、フェイトの三人が見に来たようだ。


「士郎ちゃん作業が早いからねぇ~。あたしたちも助かるよ。ありがとねはやてちゃん」
「士郎ちゃん………プッ」
「………聞こえているぞ、マスター」
「はやてちゃん、笑ったらだめだよ!とっても可愛いのに……」
「だからなのは、それ男の人にいうことじゃないよ……」


そんなこんなで昼が過ぎていく。しかし気になることが一つ。絶対にからかいに来るであろうと思っていたランサーが現れなかった。何かあったのだろうか………




……………………………………………………………………


その後の午後の訓練。スバル、ティアナ、エリオ、キャロの四人はなのはと、私たち二人はフェイトとやることになった。


「空戦での前衛は的を絞らせないように戦うのが基本。特にスピードタイプなら防御するような事態はない方が絶対にいいんだけど、空戦と地上戦は勝手が何もかも違うから、慣れるまで少し時間がかかるかな?」
「で、具体的に何をやるんだ?」


どうやらさっさと始めたいらしいランサーがフェイトを急かす。


「とりあえず二人とも攻撃面では私たちよりレベルが高いし、回避訓練をやったほうがいいね。私が攻撃するから、十分間避け続けてみて」
「避けるだけか?」


私の質問に対してフェイトが答える。


「撃ち落とすのは慣れてるでしょ?だからまずは避けるだけでやってみて」
「なんだ?避け切る自信がねえのか?」
「ふっ、そんなわけないだろう。十分間避け続けるなど簡単だ」
「言い切られた………。じゃあ、二人とも準備はいいね?それじゃ……いくよ!」




…………………………………………………………………………………


で、結果は………


「三発か。意外と食らっちまったな」
「貴様はまだいいだろうが。……私は五発も食らったぞ」
「………かなり本気でやったんだけど。私からこれしか食らわないならAランク魔導士の攻撃なら余裕で全弾回避できるよ……」
「基準がわかんねえな。フェイトよぉ。もちっとわかりやすく教えてくれ」


憔悴状態のフェイトに対してランサーは質問を投げかける。


「リミッター付きのなのはとやっても互角……っていえばわかる?」
「なるほど、フォワード四人をまとめて相手くらいはできる、という事か」
「明日からは二人で徹底的に模擬戦やるようにってはやてとなのはから言われてるから、よろしくね」


相手がランサーか。これは負けるわけにはいかんな。


「貴様とか……やってやろうではないか」
「弓兵ごときに近接戦で負けるかよ」
「あの~、二人ともその辺で………」


睨み合いを続けているとフェイトが見かねて仲裁に入る。


「しゃーねぇ、美人の頼みなら効くっきゃねーな」
「美人って?」


ほんとに何を言っているのかわからない、といった様子で首を傾げているフェイト。
まさか、素でやっているのか?


「………この場に君以外に女性がいるか?」
「ッ!!!!!えと、あの、その、あ、ありがと………」
「ヒューッ!照れる姿もいいねぇ、初々しい」
「も、もう!ランス!」


結局フェイトはランスを追いかけるも捕まえられず、後日偶然この近くにいたシャマルの口からこのことがはやてにばれて、いじられる羽目になるフェイトだった。




side ランス


夜、アーチャーを屋上に呼び出す。


「何か話でもあるのか?」
「ああ。お前、あっちで何があった?嬢ちゃんにはあれだけ隠してた情報を簡単に話しちまってよ。少しは疑うってことをしねえのかよ?」


少し強めの口調で言うも、アーチャーは大して気にした風でもなく微笑を浮かべながら答える。


「ああ、そのことか………。なぜだろうな、私もわからんが、彼女たちに隠し事をする気にならなかった、といったところかな。ああ、貴様の宝具に関して言えば、仕返しだぞ。それと、こちらからもひとつ聞きたい。なぜ私がエミヤシロウだと知っている?」
「こっちに来るときにお前の記憶が流れ込んできたんだよ」
「そうか。そういえば私もだな」


そう言って笑うアーチャー。今の顔はこいつがあの生け好かねぇ皮肉屋現実主義の弓兵だって知っているから驚いた。本当に坊主そっくりの笑顔だったから。


「変わるもんだな、ほんとによぉ」
「貴様もやることが言峰に近づいて行ってるぞ」
「嬢ちゃんならまだいいが言峰だと?」
「ああ。私をハメた後の笑顔とかそっくりだぞ?」
「くっ………、最悪だぜ、あいつと一緒にされるとはよ……」


そう言われて心底嫌な気分になる。


「で、その言峰と嬢ちゃんって誰や?」
「ああ、言峰は人を人とも思わない性格ド腐れ外道神父で、こいつの元マスター、嬢ちゃんというのは遠坂凛。別名赤い悪魔と呼ばれる……マスターみたいなことをする少女で私の元マスターだ」
「へぇー。でも神父が外道ってええんかな?その凛って子も私と気が合いそうやわ~」
「確かに話が合いそうだ………って、」
「ん?なんや?」


ちょっと待て。今俺はこいつと二人だけだったよな?
なぜ俺が返事をしていないのに会話が成り立っている?
その疑問は後ろを振り向くと解消された。


「なんでマスターがここにいる!!!」
「いや、面白そうやったから」
「……いつから居たんだ?」
「貴様の宝具が~ってとこや」


神出鬼没すぎだろ……。


「ほぼ最初からではないか………」
「で、ランス、アンタはまだうちらを信用してへんのやな。」


今までとは打って変わって真剣な表情でマスターが問いかけてくる。


「………ああ。アンタも俺らに隠してることがあんだろ?マスターよぉ」
「さすが、伝説の英雄、隠し事なんてできんってか。でも……これは教えられん。まだなのはちゃん達も知らんことやからな」
「そうか……いいさ。これ以上は聞かねえよ」


は少しの間マスターを見つめるとそう言って後ろを向いた。


「ランス!?」
「隠してることは大体わかる。この部隊の成り立ちのこと、だろ?」
「……そうや。ほんとにかなわんなあ。士郎もわかってたんか?」


隠してるつもりだったらしいこの部隊の成り立ちのこと。
組織にいる以上付きまとう権力争いを掻い潜る様にエリートだけを集めるなど普通は不可能。
ならばそれだけの秘密がある部隊である事などは容易に想像がつく。


「私はとっくに気づいていた。魔法の話をした時、部隊についての説明が簡潔すぎだ。ほかの部分を丁寧に話していたのに、そこだけ触れないのは明らかに秘密があるって言っているようなものだぞ」
「あちゃ~、やってもうたな。でも、これで信頼関係も築けるやろ?」


そう言ってマスターはニヤリ、という表現がぴったりな笑みを浮かべる。


「そうか、最初からそれが目的か。本当に凛みたいなことをするな、君は。ならば、令呪の使い方について、少し補足しておこう。基本的には私たちサーヴァントの支援のためにマスターが使うものだ。能力底上げ、遠距離召喚などのことが出来る」


興味がわいたのか、子供のように食いついてくる。


「遠距離召喚って、どんなや?」
「自分のもとに一瞬で来させたり、反対に指定場所まで一瞬で行かせることも可能だ」
「それはすごいなぁ、じゃ、さっそく女風呂に………」
「「令呪を遊びで使うなああああああああ!!!」」


このマスターに遊ばれなくなる日は来るのだろうか……そう思ったサーヴァント二人であった。




side スバル


父さん、ギン姉、私たち四人が六課に来て1週間。一日遅れの士郎さんランスさんの二人は結構六課に馴染んでるみたいです。
ランスさんはフェイトさんに何かを言っては顔を赤くさせて、そのあと追いかけっこしてるか、どこかにフラフラ出歩いてるか、訓練してるか。
士郎さんは、厨房にいるか、八神部隊長にいじられてるか、訓練してるか。あっ、士郎さんは料理がすごくうまいから六課の食堂でも働いてるんだ。
士郎さんもランスさんも、女性隊員からの評判がいいそうです。あたしもいい人たちだと思う。でも、その話をしたとき少しだけなのはさんとフェイトさんが面白くなさそうだった。ティアに念話で聞いたら、
『あんたって鈍いわね~』といわれてしまった。なんでだろ?二人はわかりますか?
しばらくは24時間勤務なので帰れそうにないけど、帰るときはお土産をたくさん持っていきます。楽しみにしててください。
                           『スバル』



「よし、できた!送信っと!」



さぁーて、今日も一日、頑張るか~!




side はやて


………夢を見ていた。
ここは………お城?
最近知った一人の男性が、少年と戦っている。手に持つのは白黒二本の双剣。少年も同じものを持っている。


「おまえは……………して……か!」
「ああ………だ!正義の………になん………よかった!
き………………どうだ!!■■■■■■!それでも…………たになり……か!」
「なり………じゃ……い!な……だぁ!」


士郎の剣が砕かれ、少年の剣が士郎を刺す。


「俺の勝ちだ……アーチャー!」
「ああ。そして、私の敗北だ。」


しばらくそのままの体勢でいた二人。
しかし、唐突に士郎が動きだした。


「…………!!!伏せろ■■■■■■!」


士郎がそう言うと、無数の剣が上空から飛んできて、士郎を貫いていった。
そこで、情景が変わった。


気が付けば小部屋にいた。そこには椅子に縛られた少女、ランス、神父服(カソック)の男。ランスと彼が何かを話している。その時、神父が言う。


「自害しろ、ランサー」


すると急にランスが自分の槍を自身に突き刺す。
倒れるランス。神父は笑いながら部屋を出ていこうとする。が、ランスに槍で刺され倒れる。
ランスは少女の枷を取り、少女と話しながら空中に何かを書く。すると突然部屋に火が付く。
少女は部屋を出ようとし、立ち止まる。


「私、あなたのこと結構好きよ」
「へっ、そういうセリフはもちっと色気つけてから言いやがれ」


そういったランスを残し、少女は出て行った。
そこで夢は終わった。


「………あの夢、なんやったんやろうか」


気にはなったが、やることはまだまだある、夢の事は後回しや。




side 士郎


今日は訓練の最後に3チームで模擬戦をやることになった。チーム分けは



なのは

ティアナ


ヴィータ
スバル
キャロ


シグナム
ランス
エリオ


の編成だ。


私たちは遠距離主体チーム
ヴィータたちはキャロのサポートで強化した前衛による打撃主体チーム
ランスたちは近接戦でのリーチが長い武器で戦う戦士系チームだ。


なのは曰く『フォワードたちが多くを学べるチーム編成』だそうだ。


「それじゃ、いくよ。ルールは簡単。チーム内の誰か一人がバリアジャケットまで攻撃を通されたら負け。士郎君とランス君も今回はバリアジャケット展開してね。」
「ルールなら仕方がない。ソードワーカー、バリアジャケット、セット。」
[バリアジャケット構築完了]
「一丁やるかぁ!行くぜ相棒!」
[セットアップ]


私たち二人はこれが初めてのバリアジャケット姿。
が………



「「変化なしか?」」
「ううん、違うよ。細部のデザインとか色々と違うんだよ。」
「ほんとだー。なんか現代的になりましたね!」
「よし、じゃあはじめようか」


開戦の合図とともにチームごとにそれぞれ分散する。
私たちのチームはというと……ビルに陣取って作戦会議を行っている。


「私たちは中~遠距離型だからあまり近づかれないように戦おうか」
「このメンバーでは近距離戦でまともに戦えるのは私だけか」
「私はクロスレンジは得意じゃないし、ティアナのアンカーガンは近づかれたら反撃しづらいしね」


その最中、別のビルで動く影を発見。あれは……


「む、早速スバルとキャロを発見した」
「えっ………どこに?」
「1.5Kmほど離れたビルの7階だ」
「あ、ほんとだ。士郎君よく見つけたね~」


どうやらなのはも見つけられたようだ。しかし、ティアナはというと………


「二人ともなんで見えるんですか………」
「もともと目がいいのでね。2Km位までなら表情までわかる」
「目がいいってレベルじゃありませんよそれ……もはや超人です」


完全に呆れ返っているティアナ。しかし、なのははどうやって見ているのだ?


「私はいいがなのは、君はなぜ見えるのだ?」
「私遠距離砲撃型魔導士だからあのくらいの距離ならおおよそなら何があるか位はわかるよ。それに、レイジングハートもいるしね」
「なるほどな………」
「あの~?攻撃、しないんですか?」


ティアナが一人、会話から置いて行かれていた。


「そうだな、素早く片付けよう。ワーカー、ボウフォーム」
[フォルムチェンジ。ボウフォーム]


フォームチェンジをしたソードワーカーは使い慣れたものに似た、しかし少し機械的な感じのする洋弓に変化する。


「では、一撃で仕留めて見せよう」


魔力によって編まれた弓を番え、放つ。しかしスバルに直撃する前に何者かによって阻まれた。




side ヴィータ


突如として嫌な予感がした。あたしの勘では狙われんのはスバルだ。
そしてスバルのほうを見れば後方から魔力矢が飛んできていた。
間一髪弾くことに成功。


「あぶねーぇ、間に合ったな」
「ヴィ、ヴィータ副隊長!?いったい何が………?」
「おまえは狙われてたんだ。あの矢……シグナムじゃあねえな。あいつか」


あいつのデバイスはまだ調整段階のはず……それでこの精度か、むちゃくちゃいい腕してんじゃねーかよ!
久しぶりに燃えてきたぜ!




side 士郎


「む、防がれたか。ヴィータだな、あれは」
「ヴィータちゃんだね」
「ならばこれでどうだ?」


今度は3発の矢を同時に番える。
するとティアナが聞いてきた。


「あの~もしかしてそれ……撃つんですか?」
「何を当たり前の事を聞くんだ君は?」
「私が言いたいのは3発も同時に打てるのかってことなんですけど……」
「それぐらいは造作もないさ。まあ見ているがいい。敵はおそらくこちらに向かってきているだろう。追撃は任せるぞ、なのは、ティアナ」


3発の矢を放ち、そのうちの2発がスバルを襲う。1発はヴィータが、もう1発はスバルが撃墜する。
狙い通りに最後の1発は二人の後ろにいたキャロの背後へと迫る。
だが、それは意外な人物によって阻まれた。




side ランス


一番小さいやつに迫っていたあいつの矢を叩き落とす。


「背後にも気は配っとくもんだぜ?お三方よぉ」
「てめぇ、なんで助けた?」


ヴィータのやつが聞いてくる。


「んなもん、お前とやり合いてえからに決まってんだろ?シグナムとは同じチームだから戦えねえからな。で、次に強そうなお前とやり合おう、ってこった」
「あいつからの攻撃はどうする気だ?」
「あっちにはシグナムが行った。あいつ相手にこっちに気を配る暇あると思うか?」


そう言われ考え込むヴィータだが、すぐに答えは出たのか不敵な笑みを浮かべ、答える。


「ねえな」
「だろ?じゃあ、さっさとはじめようせ!!」
「ああ。鉄槌の騎士ヴィータと鉄の伯爵グラーフアイゼン、行くぜ!」




side シグナム


最初の狙撃であたりをつけ、向かったビルにエミヤはいた。


「良い腕だな。エミヤ」


私の声に反応した奴は数本の矢を放ってくる。私はすべて叩き落とした。


「何、君の今の芸当に比べれば大したことはしていない。で、君が用があるのは私か?」
「ああ。お前ほどの手練れなら騎士としてはぜひ剣を交えたい」
「騎士………か」


騎士に何か思い入れでもあるのだろうか。しばらく考えたあと、


「いいだろう。その勝負、受けて立つ。ワーカー、ブレイドフォーム。」
[フォルムチェンジ。ブレイドフォーム]


奴の手には白い剣と黒い剣が一つずつ。この男も中々楽しませてくれそうだそう思いながら剣を構えた。 
 

 
後書き
ようやく二話投稿です

士郎とランスのバリアジャケットはEXTRAの赤アーチャーと青ランサーのデザインと思ってください。


2/18 文章を少々変更しました。 
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