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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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第四話

あれから毎日イリナ達は夜中に出て行っては今回の犯人を探しているらしい。

まあ、俺たちも少しは手伝いたいのだが……イリナ達がそれを拒否している為、俺たちは小規模にやるしかない。

そして昼間は学園で生活を送るという毎日を送っている。

今日も今日で生徒会に来ている。むろん、手伝いにだ。

「いつもすいません、イッセー君」

「いいですよ、アーシアの日本語講座も兼ねてますし」

「すいません、イッセーさん……」

「いいよ、アーシアは日本に不慣れなんだし」

俺はしょんぼりとしているアーシアの頭を安心させるように撫でる。

「それと……その……イッセーさんは悪魔の事などを、ご存知なのですか?」

すると支取先輩はそう気まずそうに言った。

「か、会長!?い、いきなり何を言い出すんですか!?」

匙も戸惑っている。まあ、そうだろうな。自分達の事をいきなり知っているか、なんて聞いているんだから。

「ええ、ご存知ですよ……この生徒会の事もね」

「「「「「「っ!?」」」」」」

その場にいる生徒会メンバー全員の顔に緊張が走るのがわかった。

「大丈夫ですよ。生徒会のメンバー全員が悪魔だって事は結構前から知ってますし……知ってるからって何か態度に変化はありましたか?」

「そ、それは……」

「俺はあなた方が悪魔だと知ってもそれが?って感じなんですよ」

「い、イッセー……」

匙は俺を見て何かを思うような瞳をしている。

「だから、何か遠慮するような事はしないでくださいね……さっ、仕事始めましょう」

俺はそう言って仕事を再開する。

「ありがとうございます、イッセーさん……」

そう言ったソーナ先輩の顔には笑顔があった。



その日はそんなに仕事がなかったのですぐに家に帰ろうとしたのだが……

「えぇ~……迷える子羊に恵みの手を~」

「どうか、天にかわって哀れな私達に救いの手をぉぉぉ!!」

俺の目の前では……文字通り募金活動のようなものが行われていた。

「おい、イリナ……」

「あ、イッセー君、私達に救いの手を…痛いっ!?」

俺は手を伸ばしてきたイリナの頭を軽くこづく。

「何するの、イッセー君!?」

「アホか、お前は!?あんなに注意してたのに何でこんな事をしているんだ!?」

「すまん、イッセー。止められなかった……」

「いいさ、ゼノヴィア。全部こいつが悪いんだから」

「イッセー君がひどい!?」

イリナよ、今回に関しては全面的にお前が悪いんだからな?

「はぁ……とりあえず帰るぞ?今日の飯当番は確か……ルビア、だったよな?」

「はい、確かそうでしたよ?」

「果てしなく不安なんだが……」

ルビアはお嬢様育ち故に料理などを人並みにしかやったことがない。そこまでなら何も不安にならなくてもいいだろうと思うだろう。

しかしだ……ルビアはフィアナと同じように奇想天外の調味料や食材を使うからな……。

そのせいで奇想天外な味になる時があるんだ……今回はどうか普通でありますように……!





家に帰ると……リンスレットに見守られながら料理を作るルビアの姿が台所にあった。

よかった……リンスレットが見張ってるんなら大丈夫そうだな……。

「い、イッセー君、もの凄く安心してるね……」

「仕方ないだろ?あの人やフィアナの料理を食えばこうなる」

「そ、そんなになんだ……」

そんなになんだよ、イリナ。お前も食ってみればわかる。

「それで?何か進展はあったのか?」

「いや、一つだけしか手に入れられなかった……この騒動に加担しているフリードと呼ばれるはぐれ神父なのだが……この男は聖剣の性能を神父などを使って試しているらしくてな。それくらいしかわからなかった」

「そうか……本当に俺たちは加勢しなくてもいいのか?」

「ああ、これは私達の問題だ。あなた方を危険な事に巻き込みたくはない」

そう言ってゼノヴィアは食卓にある椅子に座る。

「そうは言われてもな……もう知っちまったんだぞ、俺たちは……」

俺はそう呟いて椅子に座りリンスレットが見張ったルビアの料理を待った……。



ゼノヴィアSIDE

「皆は寝静まったな…?」

私とイリナは皆が寝静まったのを見計らって家を出た。

今日もコカビエル達を捜索するのだ。

「ええ、寝ているのを確認したわ……ねぇ、ゼノヴィア」

「何だ?」

「やっぱりイッセー君にだけでも教えた方がいいんじゃない?」

そしてまた同じ事を言ってきた。イリナはここ数日ずっと同じ風に言ってくる。

「またか……ダメだ、これはわれら教会側の問題だ」

「でも、ミカエル様も言ってたじゃない。「もしどうしようもなくなったら……現地住民である兵藤一誠様を頼りなさい。きっと力になってくれる筈です」って」

「確かにそう言われていたが……」

そう、イリナの言う通り今回の任務を言い渡された時、ミカエル様にそう言われたのだ。

私は誰の事かさっぱりわからなかったがイリナがその後自分の幼なじみだと言ったので驚いた。

しかし疑問も残った……そのイリナの幼なじみはこちら側の事情をなぜ知っているのかという事だ。

ミカエル様も知っているという事はそのイリナの幼なじみは相当関わっているという事だ。

しかしそんな男の名前なんて聞いた事はなかった。

どういう男なのかをイリナに聞いたら

「え、えっと……もの凄く格好いいよ……?後、他人にもちゃんと気配りが出来る人!欠点としては……必要以上に踏み込まないって所かな?」

そう言われた。

まあ、頼る気はなかったからどうでもよかったのだが……しかし当人にあってもっとわからなかくなった。

このような温厚そうな人間がなぜ裏の事情を知っているのか……しかしその疑問はすぐに消えた。

グレモリー眷属との私的な決闘でイリナに窮地が迫った時、あの男がイリナを助けたのだ。

その時の剣技……いや、あれは舞っているようにも見えた。

それほどに実力があるんだと確信したさ。

兵藤一誠はここにいる誰よりも強いという事もわかった。

しかしだからこそ巻き込みたくはなかった。

この気持ちが何なのかはわからないが……私はあいつを巻き込みたくはないのだ。

そして廃工場の辺りに来た所で……爆発が起こった。

「なんだっ!?」

「爆発!?」

私達は急いで中に入る。そこでは……グレモリー眷属の一部の悪魔がはぐれ神父達と戦っていた。

それと私が戦っていた木場というグレモリー眷属の騎士(ナイト)と戦っている白髪の男はフリードだ。あいつが持っているのは……まさか、天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)か!

「ほらほら、どうしたのぉぉぉぉぉ~?」

「僕は、必ずエクスカリバーを破壊する!!」

「ひゃははは!そんなんで僕チンのエクスカリバァァァァァに勝てるわけないでしょ!」

そう言うと木場の魔剣は粉々に破壊されてしまう。

いかん!

「フリード!」

「ちっ!聖剣使いか!」

フリードは私が破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)を振るうとフリード神父は一瞬で飛びのく。

ちっ!聖剣の力か!

「おうおう、ちょっと難しいかもしれないねぇ……それにエクスカリバー持ちのクソビッチが二人とか」

「……確かにそうだな、少しお前には分が悪いようだ、フリード」

……この声はここにいる者の誰の声でもない。

新しい、年老いた声。

「まさか貴様は……バルパー・ガリレイか」

こいつが関わっているという事もわかっていたが……まさかここで一気に出くわすとはな……。

「ソード・バースか。あらゆる属性、あらゆる力の魔剣を生み出し、使い手によれば無類な力を発揮する上級の神器。それに聖剣使い二人に赤龍帝か」

バルパーは余裕そうな表情で私達を見る。

「バルパー・ガリレイ!!」

木場はフリードの傍に立つバルパーへと襲いかかろうとする!

でも木場の剣はフリードの阻まれ、そのまま鍔ぜり合いになった。

そして木場は魔剣の限界を察知して、フリードから離れる。

「もしや君は……聖剣計画の生き残りかね?」

「そうだ。僕は一度、貴方に殺され、そして悪魔となって生き延びた。僕のこの魔剣は僕の同士の無念を顕現したものだ!!だから僕は貴方を殺して復讐を果たす!!」

そういえばそのような事も言っていたな……。

「でも、君の命もここでギッチョン!ってね!」

そう言うと木場の背後にいきなりフリード神父が現れる。

「っ、しまった!」

木場は慌てて魔剣で応戦しようとするが間に合わない!




































「させないよ」




























ガキンッ!

「「なっ!?」」

私とフリード神父は同時に驚く。

フリード神父は自分の攻撃が止められた事にだろう。

しかし私は別の事に驚いていた。

「よぅ、フリード。あの時逃げ帰った奴が堂々とよく歩けるな」

フリード神父の攻撃を止めたのは……イッセーだったのだ。

SIDE OUT

俺が現れた事に驚いたフリードは一瞬で元いた場所に戻る。

「はっ!まさかイッセー君だったとはねぇ……これはこれで、面白い展開だな、おぃ!」

「俺にとっては面倒くさい展開だよ」

俺は双剣を油断なく構える。

そして気づいた……この場には俺たち以外にも一人いる事を。

「気配隠すの上手くなったな……コカビエル」

「ふん、やはり気づかれるか」

そう言って天井より現れたのは10枚の黒い翼を生やす堕天使コカビエルだ。

「お前の思い通りにはさせないぞ……」

「しかし、もう遅いぞ?」

「きゃああああああ!?」

「っ!イリナ!?」

振り向くとイリナは地面に倒れておりイリナが持っていた剣はフリードの手にあった。

しまった!コカビエルばかりに注意を向けすぎた!

「くそっ!」

「イッセー君の読み負けって所かなっと!」

しかし俺はフリードを捉えられなかった。

フリードは既にコカビエル達の所に立っている。

「てめぇら……!」

「っおお……さすがはイッセー君ですわ……殺気がパナいっすわ」

「流石の殺気だな、兵藤一誠」

コカビエルとフリードは違う感想を言っている。

すると、俺の後ろから赤い魔方陣が展開されてそこからグレモリー眷属とシトリー眷属がやってくる。

「イッセー君、何が……コカビエル!?」

さすがのソーナ会長でも目の前に聖書に書かれている堕天使を見たらこうなるわな。

それと神名。お前は何で尻をさすってるんだ?

まあ、いいや。

「ソーナ会長。皆連れて下がっててくださいね」

俺は剣を消してから右手を掲げる。

「冷徹なる鋼の女王、魔を滅する聖剣よ……今ここに鋼の剣となりて、我が手に力を!」

そして俺の右手の甲に光る紋章が現れる。この紋章はエストを表しており左手には同じようにレスティアの精霊刻印がある。

レスティアごめんな?今回はエストの出番なんだ。

-ええ。聖剣さん?イッセーの足手まといにはならないでちょうだいね?-

-そんな事わかっています。闇精霊は黙って見ていてください-

「2人共、同時に喋らないでくれ……頭がガンガンするから……」

俺は右手に現れた剣……テルミニス・エストを構える。

「その剣……何だ?」

コカビエルはエストを見て疑問を抱いているようだ。

まあ、そうだろうな。だってエストは聖剣……しかもそこいらの聖剣とは比べるまでもない力を持った聖剣なんだから。

「そんなのはどうでもいいだろ?それよりも……こんな事をして何を望んでるんだ?」

まあ、大体の想像はつくが。

「そうだな……つまらんのだよ、平和は……戦争が終わり、俺のとこの幹部は戦争に消極的になりやがって……しかもアザゼルに至っては神器の研究に没頭して戦争をしない、どいもこいつもふざけてやがる」

アザゼルさん、変わってないんですね……逆に安心しました。

「お前のそういう所は変わらないんだな」

「分かりきっている事だろう、兵藤一誠!そうだ!俺は戦争がしたい!殺して殺して、殺しが正当化されるものを望む!エクスカリバーを奪えば天使側は戦争は攻めてくる思ったんだが、送ってきたのは雑魚神父と、そこの聖剣使いのみ……ならば次はお前達、悪魔に喧嘩を売ろうと思ったわけだ」

「さあ、リアス・グレモリ―にソーナ・シトリー。そしてその眷族。俺はこの町の、駒王学園を中心に破壊活動を行う。止めたければ、こいつを殺してでも来るのだな!!!」

っ!!

コカビエルの側に魔方陣が現れる。

「兵藤一誠……お前に取ってはそいつらは単なる前座に過ぎんだろう……しかし貴様は窮地に立たされた時にこそ、強くなる!楽しみにしているぞ!」

「じゃあねぇ!イッセー君!バァハハ~イ!!」

コカビエルがそう言った瞬間に……コカビエルが展開した召喚魔方陣から

ガァァァァァァァァァァァァアアアアア!!!!

悲鳴に似た魔物の叫び声辺りに鳴り響いた。

「こ、これは……ケルベロス!?でも何で……」

「そんなのはどうでもいい。ソーナ先輩。皆を連れて学園に向かってください」

「イッセー君…‥大丈夫なんですね?」

「ああ、任せとけって」

-この程度の敵に負けるようでは聖剣の名が廃ります-

エストもやる気満々のようだ。

「……わかりました。行きましょう、リアス」

「えっ!?で、でも彼が!」

「ここはイッセー君に任せましょう。私たちではあのケルベロスには勝てません。現状この場ではイッセー君位しか勝てる人間はいません」

「そうだけどっ!」

「ええい、匙!リアスを引っ張ってきてください!!」

「了解です!」

そしてソーナ会長はリアス先輩達を強制的に連れていく。

「さて……あいつらが向かうのは多分学園……保険が効いてよかったな……」

学園には皆が待機している。大事にはならないだろう。

「エスト、いくぞ……!」

-はい。私はイッセーの剣。イッセーの赴くままに-

「さあ……最強の剣舞姫(ブレイドダンサー)の力、見せてやるよ」

俺はエストを固く握り締めながらケルベロスに向かっていった。 
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