東方大冒録
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プロローグ ~幻想の始まり~
プロローグという名の何か。
前書き
勝手な事情により、東方大冒録を書き換え始めた作品です。
まだしっかりと設定が固まっていないため、本編投稿はまだ先になるかもしれません。
それを踏まえて、ご覧ください。
「紫様!!」
「ん~?」
ここは、幻想郷のどこか。どこか、と表現した理由は、正確に言うと隙間の中だからである。そこで、見ようによっては大きな獣の耳に見えなくもない大きな帽子をかぶり、なぜか9本の尻尾を持った着物の女が、紫色のドレスを着て、傘を差している女……紫に吉報を持ってきたかのような、どこか希望を持った声色で話しかけた。
紫はそこを特に突っ込むわけでもなく、くるくるとかさを回しながら無気力に返事をする。
「どうしたの、藍?」
「ついに、我々幻想郷の民の希望となりうる人間を、外の世界より発見しました!!」
「本当!?」
藍の報告に、紫は驚きを隠せない。
「……、やっと。やっと見つかったのね……。幻想郷の希望が」
「ええ! これでやっと、私たちに反撃の時がやって来ましたね!」
「そうね……。霊夢や魔理沙も、今の状態ではとても戦えない。その埋め合わせ……、いえ。新しい仲間……」
紫はついに見つかった希望に、一粒の涙をこぼす。
「紫様? どうかなさいましたか?」
「……、いいえ、目にごみが入っただけよ。それより、その希望さんがいる場所を教えてちょうだい」
「はっ。こちらです」
藍は紫から授かった小型スキマを懐から取り出し、紫に見せる。そこには、楽しそうに会話をしている青年の姿が映った。
それを見た紫は、
(……、あら?)
軽く疑問を感じた。
「この者なのですが……。紫様も思いましたか?」
「えぇ」
その疑問とは、
「なんか……、あの子に似てるわね……」
しばらくたった後、紫は自分の目の前に、人間大のスキマを展開した。
「それじゃ、いってくるわね」
「お気をつけて」
えぇ。と返し、紫は隙間の中に入っていった。
藍はそれを見送った後、天を仰ぐように上を見ながらつぶやいた。
「暗基零……。あいつの弟……。この者が、いったいどんな幻想を見せてくれるのだろうかな……」
後書き
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