魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜Ex【,Us】〜
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Ver.Ex.1.01
機動六課での初出動。初出動が第一級警戒態勢で、しかもロクにテストもしないままの
実戦にしては上手くいったと思う。
でも正直に言えば、六課に来たのは間違いだったかもしれないと最近は特に実感していた。
エースオブエース、金色の閃光、誰でも知っている通り名でも、実際にこの目で見て改めて、その通り名を口にするのとでは感じるものも雲泥の差だ。
この先何百、何千回血反吐を吐く訓練や実戦経験を積んだとしても、なのはさんやフェイトさんの領域にアタシが辿り着くことはない。
それだけじゃない……。
才能の塊なスバルやフェイトさんの秘蔵っ子のエリオ、キャロ、ルキノさんやグリフィスさん、アルトさんやヴァイス陸曹、六課の構成員は管理局の次世代を担う人材ばかりだ。
アタシ以外は……。
「ティア?」
「…………」
「ティア!」
「……え?ああ、なに?どうかした?」
「医務室、そっちじゃないよ?」
どうやら思考のドツボにはまりかけてたようね……。
「…………どうかした?」
「ティア、さっきからすごい恐い顔してたよ?」
ーーこの犬ッ娘は妙なところで鋭いんだから……。
「さっきのガジェットとの戦闘でのアタシの動きを自己分析してたのよ」
「ティアは完璧だったよ!」
「それじゃ明日からの自主トレのメニュー改良できないでしょ?」
ただでさえ才能が無いアタシが生き残るためには多少のリスクを背負うくらいじゃ全然足りない。
あからさまに渋い顔で何か言いたげだけどスバルは視線で訴えるだけで何も言わない。まあ、長いこと腐れ縁なだけあってアタシが引かないこともわかってる。
「教導、業務に支障が出ない程度に組むから安心しなさい」
「さっすがティアだね!あたしの言いたいことわかってる!御先祖様の世界的に言えば以心伝心だね!」
アンタの思考が単純なだけよ、という言葉が出かけたけど、その笑顔に免じて言わないであげるわよ。
「そういえばさぁ、何者なんだろうね?見た感じ、あたしたちと同じくらいに見えたけど」
「わからないから、今から見に行くんでしょ」
そう、何故アタシたちが報告書そっちのけで医務室に行くのか。
アタシたちの初出動での想定外があるとすれば、原因は今向かっている場所にいる。
「見た感じ、あたしたちと年近いのかなぁ」
「さあね」
正直、目の前のガジェットで手一杯だったから、よく見てない。
「でもさ、ほんのちょっとだけど、魔力反応……あったよね?」
「…………さあね」
魔力反応、か……。意識なかったみたいだから反応がスバルの言ったとおり極々微弱なのはなんとなくわかる。
「まあ、それもこれからわかるでしょ。ほら、着いたわよ」
いつの間にか医務室の前まで来ていた。
「中から話し声……なのはさんかな?」
ーー……フェイトさんと、シャマルさん、八神部隊長もいるみたいね。
「じゃ、入るわよ」
一つの軽く息を吐き、アタシは医務室の扉をノックした。
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