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ガンダム大好きですが何か?

作者:和田真
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ニュータイプのいないルナ2

 
前書き
ヅダ

型式番号 EMS-04/EMS-10

所属   ジオン公国軍

建造   ツィマッド社

生産形態 試作機

頭頂高  17.3m

重量   61t(浅宇宙運用時)

出力   1150kW(浅深宇宙運用時)

推力   58,700kg(浅深宇宙運用時)

武装   120mmザクマシンガン
     240mmザクバズーカ
     シュツルム・ファウスト
     ヒートホーク
     135mm対艦ライフル
     シールド(白兵戦用ピック装備)
 

 
「まるでシャアが来ることが分かっていたかのような対応でしたね、シロウ大尉」

「ああ、勘だ」

「また勘ですか・・・」

先刻の戦闘の後、動けなくなった機体をガンダムに運んできてもらってからシャワーを浴びてブリッジに戻ってきた士郎とブライトとの一幕である
どこか既視感のある風景に少しばかりため息をつく士郎だが、明かさねばならない事実もあるので真面目に話を続ける

「ブライトはニュータイプの存在を信じるか?」

「ニュータイプといえば確かジオン・ダイクンの提唱した『お互いに判りあい、理解しあい、戦争や争いから開放される新しい人類の姿』と言うものでしたか
信じる信じないに関してはその存在を感じさせるような出来事にはあっていないので信じる気にはあまりなれませんが・・・」

「まあそれが普通だろうな。だがニュータイプは存在する、俺やシャアのようにな。」

ブライトはとても驚いていた。目の前の人物が人類の新しい姿であるということに
そして思い返せば士郎の行動はニュータイプでしか成せ得ないことばかりだったことを思い出した

「シャアがニュータイプかどうかははっきり言うとわからんが、おそらくあいつもニュータイプだろうな。
ニュータイプってやつは運命じゃなく本能で巡り合うもんだ。アムロにガンダムを託したのもどこか思うところがあったからだ、っていうのはもう言ったよな?」

「つまり彼もニュータイプであると?」

すると士郎は真面目な雰囲気から一転いつもの調子に戻って「さあな」とだけ言ってブリッジを去るのであった。
そしてホワイトベースではこのあと士郎の姿を誰も見ることなくルナ2へと入港するのであった

・・・ムサイでは・・・

「新型の艦隊に新型のMS、どれもジオンのものとは比べ物にならないほど高性能だな」

シャアは補給艦が到着するまでの間にこれまでの戦闘の記録からおおよその敵機の性能を見て舌を巻いていた。
そんな時シャアに急な一報が入った

「シャア少佐、先程連絡が入り補給艦が所属不明の黒で塗装されたヅダに攻撃を受けたとのことです。」

「黒いヅダ・・・ええい、また奴か!それで、被害状況は!?」

「ガデム大尉が部下1名とともに迎撃に向かいましたが戦死なされました。他10名が戦死し、艦は中破、予定していたザク4機のうち2機は破壊された模様です」

「ガデムが戦死しただと!?奴の、『黒の亡霊』の能力は計り知れん!ましてやそれが連邦についたとなると・・・
やはり奴は私が討たねばならんのか・・・しかし、私に奴が討てるのか?」

最後のセリフは部下に不安を与えることのないように小声で言ったがそれこそがシャアの本心だった
シャアのニュータイプとしての勘が告げていた。どちらの方がパイロットとして、またニュータイプとして上なのかを

しかしシャアに足踏みをする時間はなかった。補給が満足にできないまま新型がルナ2に入港した今、相手に補給を許すわけには行かなかった
その思いでシャアは更なる作戦を実行する。

「ノーマルスーツでルナ2へと潜入する、準備を急げ!」

「「「ハッ」」」

・・・ルナ2にて・・・

現在ルナ2ではガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ホワイトベースといったトリプルAの機密事項を知ってしまった人々を隔離し
それ以外の民間人は支給された食料とともにホワイトベースに押し込まれたままだった。

隔離されているのはブライト・ノア、ミライ・ヤシマ、リュウ・ホセイ、セイラ・マス、カイ・シデン、ハヤト・コバヤシ、アムロ・レイの7名だ
リュウ、カイ、ハヤトにおいては実際に戦闘はしていないものの、コアファイターやガンタンクのコックピットに入りプログラムでシュミレーションもしていたためである

本来ならここに士郎も含まれるのだが本人は行方不明で基地の兵士達にあまり好印象を持っていない乗組員達が士郎のことを言っていないので問題にはなっていない

そしてシャアが襲撃を行ったのはそんな時だった

「な、何事だ!?」

「敵がノーマルスーツにて侵入した模様です」

「クソッ、急いでマゼランを出撃させるぞ!!」

「「「ハッ!!」」」

しかし、いざマゼランが出撃するとなったときシャアは既にザクに乗り港の出口についていた
そしてマゼランのエンジンを破壊し港の出口で動きを止めホワイトベース諸共港に足止めしたのであった

「よし、一気に木馬と連邦のMSを叩くぞ!!」

「おっと、悪いがここは通行禁止だ」

そう言って現れたのは黒いヅダだった

「ええぃ、また私の前に立ちはだかるか黒い亡霊!!」

「その中二臭い名前どうにかならねえのか?・・・まあその話は一旦置いといてここは大人しく退いてもらえないかな?シャア・アズナブルさん」

これまで士郎とはあまり多くない戦闘を行ってきたシャアだが声を聞くのは初めてだった
その口調はこれまで感じてきたプレッシャーからは想像できないほど軽いものだったことに内心驚きもしていた

「悪いが簡単に退くわけには行かない!!」

そう言ってシャアは目の前の敵に攻撃を仕掛けた。しかしヅダは難なくそれをかわし続けながら話をする

「そうカッカするもんじゃねえぞ、特に戦場ではな。・・・このまま戦闘をやってりゃ未完成なこのヅダはいずれ限界を迎えて空中分解をするかも知んねぇがそれまでにお前ぐらいは墜とす自信はある。
それに時間が経てば連邦の新型も来るだろうから被害を被るのはお前らの方だぜ?」

そう言うとマシンガンでザクの肩についているシールドを破壊した。これはいつでも殺れるという証拠だった。
そのためシャアは動くに動けず、後ろでシャアの劣勢に気づきうろたえている部下の様子も見て撤退を決意するのであった

その後現れたガンダムは銃口をヅダに向けて問いただす

「あなたは誰ですか?どこかであったことがある気がしますが・・・」

「会った気がするって・・・そりゃないぜアムロよ」

「あなたはシロウ大尉!?」

「お前はニュータイプとしてはまだまだだな」

最後の呟きがアムロの耳へと届くことはなかった。 
 

 
後書き
最近どんどん評価されてきて嬉しいわぁ
感想の方も質問、希望があって、創作意欲が湧くのなんの

今回の内容に関しては、まず出せてなかったヅダに乗せることとニュータイプについて触れることが目標だったんで概ね満足かな?

次回は大気圏突入するんでお見逃しなく!! 
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