オズのモジャボロ
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第四幕その七
「ハンバーガーやフライドチキンを食べ過ぎるとよくないんですよね」
「食べ過ぎじゃないかしら」
ドロシーは首を傾げさせつつ言います。
「そうしたものを」
「そうですね、それで運動をしていないから」
「よくないわよ」
「ドロシーさんもハンバーガーとか嫌いじゃないですよね」
「好きよ、それも大好きよ」
ドロシーもそうした食べものは大好きだというのです、ですがそれでもでした。
「けれど私よくこうして旅に出たりエメラルドの都を歩き回っているから」
「太っていないんですね」
「そう思うわ、自分でもね」
「そうなんですね」
「そうよ。私もそこまで太る気はないわ」
ドロシーにしてもというのです。
「そうしたら旅に出ることも難しくなるから」
「ですよね。そういえばオズの国って食べる必要がない人も多いですね」
今度は神宝が言ってきました。
「かかしさんや木樵さんも」
「ええ、そうした人達は勿論太らないわよ」
ドロシーはすき焼きのお豆腐を自分のお椀に入れています。そのお椀の中にはといだ卵が中にあります。
「食べないからね」
「そうですよね」
「食べないでいいから」
だからだとです、さらにお話するドロシーでした。
「餓えることもないわよ」
「それは凄いですね」
「いいことでしょ」
「はい、お腹が空かないことは」
神宝はこのこと自体に素晴らしいものを見ています。
「いいことですね」
「本当にね」
「ううん、食べることは楽しいですけれど」
神宝もまたすき焼きを食べつつ言います。
「太らなくてお腹が空かないこともいいことですね」
「それはそれでね」
「喉が渇くこともないですね」
かかしや木樵は食べないで済むだけでなく何かを飲む必要もありません、だから喉が渇くこともありません。
「そのこともいいですね」
「そうでしょ、かかしさん達はずっとあのスタイルよ」
そのままだというのです。
「素晴らしいことでしょ」
「確かにそうですね」
「太らないことはいいことですか」
今度言ってきたのはナターシャでした。糸蒟蒻を食べながら。
「そうなんですね」
「あら、ナターシャはどう思ってるのかしら」
「ロシアじゃ太ってる方がいいんです」
そうした考えだというのです、ナターシャのお国では。
「寒いですから」
「寒いと太っている方が温かいからよね」
「女の人は皆太ります」
それがロシアだというのです。
「歳を取ると」
「皆そうよね」
恵梨香もそのことは知っているのでナターシャに応えました。
「ロシアでは」
「ええ、そうなのよ」
まさにとです、ナターシャは恵梨香にも答えました。
「さもないと大変なのよ」
「痩せているとなの」
「寒くてね」
「じゃあナターシャも?」
「そうなると思うわ」
歳を取るとだというのです、ナターシャも。
「太るわ」
「寒いから」
「ロシアの寒さは本当に凄いから」
「北海道よりもね」
「アラスカみたいなものよ」
ドロシーとジョージを見つつの言葉です、そのアラスカを領土に持っているアメリカの人達を。
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